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2011/07/29

児玉龍彦先生衆議院厚労委員会質疑書き起こし(前半のみ)

Tweet ThisSend to Facebook | by kyo
http://www.youtube.com/embed/LunV27H3oW8

前半部分の急いでやった書き起こしです。

証言自体の書き起こしは、「明日に向けて」さんがやってくださっています。

[7月31日追加]委員会での資料はhttp://www.slideshare.net/ecru0606/ss-8725343に。背景として大切な記事「チェルノブイリ原発事故から甲状腺癌の発症を学ぶ」もどうぞ。

1.03
放射線がですね、人間の遺伝子を傷害します。そのときに人間には2万5000の遺伝子がありますが、一定の数のDNA修復に関係する遺伝子、DNAの保護に関わる遺伝子というのがあります。

それで、普通はこれがやられないとですね、低線量のものは大体問題なく修復されるということがわかっています。だけど、さきほどは例えばアルファ線でやられているP53だとか、それから我々最近ガン・ゲノム・シークエンスというので肝臓ガンや様々なものの遺伝子配列全体を決定して、いわゆるドライバー・ミューテーションという、最初にガンを作っていく方向に起こってしまう変異が何で起こるかという研究しておりますと、たとえばP53のようなDNAを守って行ったり、そういうところにかかわる遺伝子をこわすとガンになることがわかっています。

そうしますと実際には2万5000の中でどこがやられるかということは、極めて確率論的になってきます。ですから一般にわかるのは、統計学的に非常にたくさんの人を集めてたとえば後でチェルノブイリのときの甲状腺のように、最初はですね、たぶん長瀧先生のほうがご存知だと思いますが、笹川財団で調べたときに、5万人くらいまで調べたときに、有意な差がないと言われたんです。ところがですね、それが今になって、コンセンサスとして、6000人の甲状腺がんと15人の死亡例が生まれているというふうに変わってきています。

わたくしもともとですね、こういう問題に興味を持ちましたのは、自分はコレステロールの方が専門でして、コレステロールの薬をつくるときにもたくさんの論争がありました。それでわたくしは医学者として今一番感じておりますのは、この、どこの線量が安全かという議論と、国の政治的な関わり方をを分けていただいて、国は、要するにコレステロール論争のときに一番大事だったのはコレステロールをさげる薬をやって心筋梗塞が減るかどうかという問題でした。

それで、今日の厚生委員会でも考えていただきたいのは、学問論争に対して厚生委員会で結論を出したり考える必要はわたくしはないと思っています。

国民の健康を守るためにどういうことができるかというときに、まず、セシウム137というものは、自然界には1945年以前に存在していないものです。原発と原爆で生まれて、それが1960年代の初めに水爆実験によってピークになったものであります。

そのときに猿橋勝子さんという女性研究者が、海水のセシウム濃度が100倍になっているということを微量線量計で確認して、これでアメリカへいってその公開実験というのをフォルサム博士とやって、これが大気圏内の核実験禁止の大きな学問的根拠になりました。

そのごセシウムがずーっと減ってきていたのが、またそれをはるかに倍する量に今、あがろうとしているときであります。そうしますとその線量議論の問題を言うよりも元来自然界にないセシウム137というものが膨大にまかれて、ガンマカウンターで簡単にわかるような量にちらばっている、しかもそれが広島原爆の20倍の量まかれているという事態に対して国土を守る立場から積極的な対応をお願いしたいというのが基本的なお願いです。
4.21

5.27
わたくしが一番申し上げたいのはですね、住民が戻る気になるのは、行政なり何なりが、一生懸命測定して除染している地域です。ですから、測定も除染もなければ安全だ不安だと言われても信頼できるところがありません。

ですから、この数値が安全、この数値がどう、ということではなしに、行政の仕組みが、一生懸命測定をして、その測定に最新鋭の機械を投じて、除染に最新鋭の技術をもって、そのために全力でやっている自治体が一番戻るのに安心だと思います。
6.03

6.41
入り口の方で基準を決めるというのは非常に厳しいと思います。生物学的濃縮というのは様々な元素が体に入るとトランスポータとか結合蛋白といって極めて特殊な集積の仕方をしますので、ですからやっぱり出てきた農産物をきちんと見るという仕組みを徹底的に作っていかなくてはならないと思います。

そうするとですね、やっぱりラインのような恰好でどんどんイメージとして農産物が量がチェックできるような仕組みが実際にはあるんですが、まだほとんどこういうのは測定に使われていませんので、そういうものを全国の産地に緊急に整備していかないと、今回の稻藁のようにやっぱり想定外の場所での濃縮事件というのが自然界では山ほど起こります。

ですからやっぱり出口の、食物の出て行くところでのチェックというものを緊急にものすごくよくするということが大事になると思います。
7.33

8.39
ようするに、あのー、信頼感というのは言葉で説明を聞いて生まれるのではないと思います。

わたくしも毎週南相馬に行っていますが、南相馬の方たちがたとえば本当に汚染している学校や何かを案内してくれるのは一回目じゃやっぱりないんですよね。そのだから支援に来ている人がただ一回だけ来て帰って行ってしまうみたいなのは、かえってすごく問題をひどくするだけで、やっぱり本当に持続的にやっていこうとすると、一緒に計って一緒に考えて除染していく、避難されたい方は避難を応援する、そういうのがすごく大事ではないかと思っています。

それで、南相馬に行ってわたくしどもが最初にいわれたのは、やっぱりさっきいった線量の低いところから高いところへ、スクールバスで子どもが1000人超え移動させられているということで、それで実際にあの、地域をみても、一つの学校を見ても、さっきから何ミリシーベルトだったら安全ですかという議論は私現実味がないと思うのは、たとえば2マイクロシーベルトの学校を計っていても、一ヶ所に行くと33マイクロシーベルトなんです。

ですからそのときに一体何ミリシーベルトをその土地とするかという問題が出てきてしまいますから、
やっぱり高いところがあったらかならず刈り取っていきますよと、
計って一緒にやっていきますよと、不安があったら相談にのりますよと、
農産物があったら最新鋭の科学機器をあつめて最高の検査メーカーが来てやりますよ
というような態勢がない限り安心できないというのが当たり前ではないかと。

ですから、今求められているのは、最高の施策が福島県民に与えられるように国会でぜひ考えていただきたいということです。
10.25

10.45
わたくし放射線取扱者に1977年になりまして、1995年から放射線取扱主任として除染と規制に関わっております。それで今まで、まああの、科学技術庁告示平成12年から我々がやらされていたことを一つだけご報告しておきます。

それは例えば妊娠可能の女子については第5条4項で、内部被曝を1ミリシーベルト以下にする、それから第6条第3項で妊娠中である女子の腹部表面については前項第4号に規定する期間につき2ミリシーベルト[*注:一般公衆ではなく放射線業務従事者に関して]、これを規制されてその規制を守るべく30年やってまいりました。

ところが福島原発の事故で広島原爆の20個分の放射線がまき散らされたとたんに、このような基準がすべて反故にされている。

さきほど福島県の議員からどのようにしたら安心かというご質問がありました。

私は安全に関しては、基準を決めたら、危機になったらそれを変えていく恰好ではだめだと思います。今、今年できないかもしれないけれども、来年までにその基準にもっていく、再来年までにはこうするということがなければ、住民が安心できるわけがないじゃありませんか。

そのためには最初から申し上げている通り、広島原爆20個分の、天然にはないセシウム137をまき散らした東電と政府の施策を反省し、これを減らすために全力をあげる以外に、安心できる解決なんかあり得ないんです。

そのことをぬきにしてどこが安全だという議論をいくらやっても国民は絶対に信用しません。
12.48

19:52 | Impressed! | Voted(9) | Comment(0) | 社会情報リテラシー講義

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