研究ブログ

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京都女子大学図書館所蔵『かながき萬葉集』(影印及び江富先生の解題・翻刻)

本学(京都女子大学)名誉教授の江富範子先生の解題・翻刻とともに、「京都女子大学図書館所蔵『かながき萬葉集』」がデータで公開となりました。以下のURLから、ダウンロードすることができます。

http://ur2.link/L3BK

中世の萬葉集の伝来・研究に関する重要な資料です。是非ご覧ください。
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奈良県立万葉文化館でシンポジウムです。

9月22日(土)に、奈良県立万葉文化館でシンポジウムが開催されます。
題目は「万葉集をよんだ人々・人々のよんだ万葉集」です。昨年度まで同館でお世話になりました、委託共同研究の成果となります。詳細はこちらをご覧ください。

乾善彦先生、田中大士先生、大石真由香先生の驥尾に附しまして、池原もパネリストとして参加します。新沢典子先生、城﨑陽子先生がコメンテーター、樋口百合子先生、景井詳雅先生も登壇されます。
お時間がありましたら、是非ご来館ください。
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第13回 全国大学国語国文学会賞を受賞しました。

本日、二松學舍大学で開催された第117回の全国大学国語国文学会におきまして、第13回の学会賞を受賞する栄誉にあずかりました。発表奨励賞からはじまり、「文学・語学」賞に続けて、三賞を授与されたことになります。
同学会の機関紙『文学・語学』は、私がはじめて採択されたレフリー付きの学会誌です。この一本がなければ、現在の私の研究生活は、ずいぶん異なるものとなっていたと思います。また、そのように足掻いている折に、発表奨励賞を授与くださり、いくばくかの自信を持たせてくれた学会でもあります。
その学会から、拙著『萬葉集訓読の資料と方法』に対して本賞を授与いただいたことは、ほんとうに、大きな喜びです。
もちろん、これが終着ではありません。受賞という結果に今後の研究でお応えできるよう、いっそうの精進をと考えております。身の丈に合わぬ受賞ではありますが、今後の成果で、少しでも追い付いたと認めてもらえるよう、がんばってまいります。
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拙著が刊行されます。

笠間書院のサイトに、拙著の刊行予定が公開されました。
http://kasamashoin.jp/2016/11/post_3812.html

2012年3月から2016年3月までの4年間の研究成果をまとめたものです。
ひとつの区切りということになるかと思います。宿題が山積してはおりますが、ひとまず、ホッとした気分です。
「著書」と「論文集」の違いについては、渡辺実、工藤力男(敬称略)が厳しい基準を述べています。拙著が「著」と名乗ることを許される内容であるかどうか、ご笑覧いただき、ご教示いただければと存じます。

以下に目次を示します。URL先のサイトに詳細に記されておりますので、簡単に。

【目次】

凡例

序論 本書の目的と構成

第一部 萬葉集抄本としてみた赤人集
 第一章 萬葉集伝来史上における赤人集の位置
 第二章 西本願寺本赤人集の成立―萬葉集巻十抄本からの展開を中心に―
 第三章 赤人集三系統の先後関係―萬葉集巻十抄本の変遷史―
 補説 赤人集と古今和歌六帖―十世紀後半の萬葉歌の利用をめぐって―
 附録 萬葉集巻十および赤人集三系統対校表

第二部 萬葉集の訓読と本文校訂
 第一章 赤人集による萬葉集本文校訂の可能性
 第二章 萬葉集の本文校訂と古今和歌六帖の本文異同―佐竹昭広説の追認と再考―
 第三章 「御名部皇女奉和御歌」本文異同存疑―諸伝本の字形の傾向から―
 第四章 類聚古集と廣瀨本の関係―共通する缺陥本文をめぐって―
 第五章 「雪驪朝楽毛」の本文校訂と訓読―次点本の本文が対立する場合の一方法―

第三部 萬葉集訓読の方法
 第一章 「戯嗤僧歌」の訓読と解釈―「馬繋」と「半甘」を中心に―
 第二章 「献新田部皇子歌」訓読試論―「茂座」借訓説をめぐって―
 第三章 「籠毛與 美籠母乳」の訓読再考―注釈史の対立を読み直す―
 第四章 萬葉集の「風流士」―字訓史との関係から―
 第五章 「みやび」と「風流」の間隙―萬葉集と伊勢物語の非連続性―

結論 本書のまとめと展望

初出一覧 あとがき
索引(人名・書名・歌番号)
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平成27年度「文学・語学」賞を受賞しました。

去る6月4日、5日に青山学院大学で開催された全国大学国語国文学会60周年記念大会において、平成27年度「文学・語学」賞を受賞しました。受賞対象となった論文は、『萬葉集』の本文校訂上の問題点を取り上げたものです。いわゆる基礎研究に属する論考で、どちらかといえば地味な内容であろうと思います。このような論考に光を当ててくださった選考委員各位に改めて御礼申しあげる次第です。

学会賞は牧義之先生の『伏字の文化史』。一次資料を博捜し、実証的な検証を重ねた、まさに「研究」と呼ぶにふさわしい述作と拝読しました。専攻する時代は遠く隔たっておりますが、敬服すべき業績と思います。自身の研究を省みて、いっそうの精進をと感じました。
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第33回上代文学会賞を受賞しました。

去る5月14日(土)、コラッセふくしまで行なわれた平成28年度上代文学会大会で、授賞式が行なわれ、学会賞を受賞しました。受賞業績はこちらに記載があります。
思いも寄らぬことでありましたが、この受賞を機に、いっそう奮励して参ります。授賞式の折にも申しましたが、師事・私淑したすべての研究者に篤く御礼申しあげます。

一方で、『上代文学』第116号に掲載された選評には、ご批正も寄せられていました。課題は多いということで、喜んでばかりもいられません。さらに研究を続けることで、お応えできればと考えております。つまり、いずれにせよさらに励行するしかないということのようです。

『萬葉集』と平安時代の歌集に引用された萬葉歌の関係、『萬葉集』の本文校訂と訓読、これまで積み重ねてきた研究を発展させるとともに、新しいことにも取り組んでいければと思います。
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