基本情報

所属
麗澤大学 言語研究センター 客員研究員
学位
学士(文学)(1993年3月 創価大学)
修士(文学)(2007年3月 麗澤大学)
博士(文学)(2014年3月 麗澤大学)

J-GLOBAL ID
201101030091056642
researchmap会員ID
B000002992

学部時代,言語学の授業で聞いた,英語の「ドナー(donor)」と日本語の「檀那(旦那)」の語源が同じであるという話がたいへん印象的で,後にインドの言語を学び,言語学を志すきっかけになりました。

インドの首都,ニューデリーに2年半滞在し,中等教育機関に初めて日本語のクラスを設置しました。クーラーがなく,40℃を超す蒸し風呂のような教室で授業をしたことも貴重な体験です。

現在はヒンディー語の文法研究と日本語教育に関わる仕事をしています。
国立国語研究所では,世界中の日本語学習者と日本語教師のために,

「基本動詞ハンドブック」http://verbhandbook.ninjal.ac.jp/

「日本語文型バンク」https://bunkeibank.ninjal.ac.jp/

などのオンラインツールを作成し,主に視聴覚コンテンツの開発を担当しました。

【研究テーマ】
①ヒンディー語の所有表現

ヒンディー語には英語のhaveに相当する所有動詞がなく,所有(X has/owns Y)は所有者の格と存在動詞を組み合わせ,「Xの近くにYがある」「XのYがある」「XにYがある」「X(の中)にYがある」のように存在文のパターンを用いて表されます。拙論「ヒンディー語の所有表現再考」(2009)は,これら4つの所有表現を言語類型論の観点からHeine(1997)Possession の理論と枠組みを用いて分析・考察を試みたものです。


また,「ヒンディー語・ウルドゥー語の他動詞rakhnaaを用いた所有表現」(2010)では,ヒンディー語(ウルドゥー語)にも一種の所有動詞があり,他動詞文の所有表現があることを指摘し,それが表す所有概念(所有の種類)についても明らかにしました。

これらをもとにした博士論文(2014)に加筆・修正を加えたものが『所有表現と文法化—言語類型論から見たヒンディー語の叙述所有』(2017)です。

②ヒンディー語のとりたて表現

日本語の「だけ」「さえ」「も」などは文のある要素を際立たせ,特別な意味を加えることから「とりたて助詞」と呼ばれています。

ヒンディー語には,これに対応するものとして,とりたて助詞やとりたて副詞,重複表現などがあります。拙論「ヒンディー語のとりたて表現」(2019)では,ヒンディー語のとりたて表現の形態,意味,文法的な特徴を述べるとともに,日本語との類似点と相違点について記述しました。

 

今後もヒンディー語と日本語の対照研究を行いながら,言語学と日本語教育に貢献したいと思います。


経歴

  15

受賞

  2

書籍等出版物

  2

論文

  16

MISC

  6

共同研究・競争的資金等の研究課題

  1

講演・口頭発表等

  34

その他

  2
  • 2017年12月 - 2017年12月
    インド政府の依頼を受け、インドのインターネット大学院で学ぶ学生向けの「日本語学」(Japanese Linguistics)の教材を開発。全30課のうち、「母音と子音」「アクセントとイントネーション」「日本語の文字」「語種」のテキスト執筆と講義、および「語の意味」「副詞」「待遇表現」のテキスト執筆を行った(ホームページとYouTubeで公開)。 ・e-PG Pathshalaホームページ http://epgp.inflibnet.ac.in/ ・国立国語研究所ホームページからのリンク https://www.ninjal.ac.jp/research/young-researchers/education/
  • 2012年7月 - 2012年7月
    「めざせ、ことば博士!辞書をつくってみよう!」 プラシャント・パルデシ、柏野和佳子、今村 泰也 国立国語研究所「NINJALジュニアプログラム」出前授業(立川市錦学習館)