田邉 健太郎

J-GLOBALへ         更新日: 17/09/10 15:06
 
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研究者氏名
田邉 健太郎
 
タナベ ケンタロウ
eメール
art-of-fuguehotmail.co.jp
所属
立命館大学
部署
先端総合学術研究科
職名
授業担当講師
学位
修士(情報科学)(東北大学), 修士(教育学)(上越教育大学), 博士(学術)(立命館大学)
その他の所属
立命館大学生存学研究センター

プロフィール

以下のような研究を行っています。

1.音楽作品の存在論

 音楽作品は、例えば絵画といった芸術ジャンルと比べたときに、多くの「謎」が立ち現われてきます。直観に従うならば、絵画は燃やされてしまうならば消滅し、経年変化で色あせた場合には修復がなされるでしょう。では、音楽作品の場合、何が行われたらそれは「消滅」するのでしょうか。あるいは、絵画における修復のような作業を音楽作品に当てはめる場合、何がそれに該当するのでしょうか。また、音楽批評には、作品の批評と演奏評が存在しています。作品と演奏は密接に結びついているように思われますが、突き詰めて考えた場合、音楽において作品と演奏はどのような関係にあるのでしょうか。こういった一連の問いに答えるためには、音楽作品がどのようなものであるか、その存在条件や同一性条件は何であるのかに答える必要が生じます。音楽に関して抱かれる直観や表明される言説、著作権など音楽を取り巻く社会的・歴史的コンテクストを整理しながら、他方で現代形而上学の諸論点に取り組む非常にスリリングな領域が音楽作品の存在論です。

2.音楽認知、音楽知覚、概念、記述

 私は昔から、音楽と記述の関係について、経験に根差した次のような疑問を抱いていました。第一に、なぜ楽曲の説明が音楽を聴いているときの私の経験を説明するのか、という問いです。「ああ、それは転調したからだよ」と言われるとき、音楽を聴いて感じたことがたしかに説明されたように思われるが、それはなぜなのか。第二に、楽曲の説明を読んだ後の音楽聴取は確かに以前と異なっているのだが、それは何が変化したのだろうか、という問いです。例えば、耳を傾ける部分が変化する、というように言いたくなるのですが、それは具体的にどういう変化なのでしょうか。整合的で説得力ある答えを打ち出したいと願っています。

3.音楽教育学で用いられる諸概念の検討

 上記の研究を踏まえつつ、音楽教育学で用いられる諸概念を明確にすることを試みています。例えば、鑑賞領域で使われる「感覚」、「知覚」、「認知」とは具体的にどう異なる処理過程なのでしょうか。また、三者は明確に分離されうるのでしょうか。あるいは、「他国の音楽文化を尊重する」とはどういうことなのでしょうか。こうした問いは、音楽教育学の語りや思考そのものを再構築するものでもあります。実践に応用できるような、生産的検討を行いたいと考えています。

4.生存学、身体化された音楽認知

 音楽に合わせて踊ること、音楽を介して繋がりあうこと、共同で音楽を奏でること、そうした風景のうちにある問いを「身体化された音楽認知(embodied music cognition)」論の観点から研究し、身体の不和あるいは異なりをもつ身体――障老病異――を描きこむことで、包括的な音楽認知論と生のあり方に新たな視点を提示することができると考えています。

5.興味・関心をもっていること

・西洋及び東洋における音楽聴取論を歴史的に辿ること
・非音楽的なサウンドアート
・音の存在論、音の知覚、音の文化論
・人工物の美学と存在論

研究分野

 
 

経歴

 
2017年4月
 - 
現在
立命館大学 先端総合学術研究科 授業担当講師
 
2016年4月
 - 
現在
立命館大学 先端総合学術研究科 日本語論文指導スタッフ
 
2015年4月
 - 
現在
立命館大学  衣笠総合研究機構 生存学研究センター 客員研究員
 
2014年6月
 - 
2015年3月
立命館大学 衣笠総合研究機構 客員研究員
 
2014年4月
 - 
2016年3月
立命館大学大学院 先端総合学術研究科 研究指導助手
 

学歴

 
2011年4月
 - 
2014年3月
立命館大学大学院 先端総合学術研究科 
 
2008年4月
 - 
2011年3月
上越教育大学大学院 学校教育研究科 芸術系コース(音楽)
 
2006年4月
 - 
2008年3月
東北大学大学院 情報科学研究科 
 
2000年4月
 - 
2006年3月
慶應義塾大学 文学部 
 

論文

 
Musical Works as ‘Indicated Type’: Jerrold Levinson on the Ontology of Music
田邉 健太郎
Aesthetics   19 78-87   2015年   [査読有り]
美的実在論の現代的論点に関する一考察――ニック・ザングウィルの議論に焦点を当てて
田邉 健太郎
『コア・エシックス』   9 141-150   2013年3月   [査読有り]
ジュリアン・ドッドの音楽作品の存在論を再検討する : 聴取可能性の問題を中心に
田邉 健太郎
『コア・エシックス』   8 267-278   2012年   [査読有り]

Misc

 
田邉 健太郎
立命館大学生存学研究センター 研究の現場      2016年9月   [依頼有り]
田邉 健太郎
分析美学は加速する: 美と芸術の哲学を駆けめぐるブックマップ最新版      2015年9月
田邉 健太郎
日本音楽学会西日本支部通信   第7号 18   2014年9月   [依頼有り]
【レポーター報告】アントニー・プライヤー氏講演、"Works of Music and Works for Music: Performance Interpretation and the Ontology of Music Foundations"
田邉 健太郎
日本音楽学会西日本支部通信   第3号 8-9   2012年9月   [依頼有り]
【レポーター報告】第25回ポピュラー音楽学会ワークショップ「ポピュラー音楽の美学と存在論(2):今井論文をめぐるオープン・ディスカッション」
田邉 健太郎
日本ポピュラー音楽学会News Letter   26(1) 4-6   2014年3月   [依頼有り]

講演・口頭発表等

 
Comments on Aaron Meskin’s “Videogames as Self-Involving Interactive Fictions”
田邉 健太郎
Workshop: Videogames and Creativity (with Professor Aaron Meskin)   2017年8月9日   
音楽を存在論的に理解すること――音楽実践の分析と形而上学は(どのように)結びつくか
田邉 健太郎
2017年度日本ポピュラー音楽学会  第1回関西地区例会   2017年3月24日   日本ポピュラー音楽学会
Diana Raffman on Nuance Ineffability
Kentaro Tanabe
Art, Aesthetics and Beyond: 3rd British Society of Aesthetics Postgraduate Conference   2017年1月27日   British Society of Aesthetics
音楽知覚時の心的過程について ―Diana Raffmanの議論を手掛かりとして―
田邉 健太郎
日本音楽表現学会 第12回(まほろば)大会   2014年6月22日   
タイプ説がもの申す(ワークショップ・タイトル「音楽作品の存在論にもの申す」)
田邉 健太郎
応用哲学会第6回年次研究大会   2014年5月10日