基本情報

所属
滋賀県琵琶湖環境科学研究センター 総合解析部門 生態系保全係 専門研究員
静岡大学 大学院(修士課程)総合科学技術研究科 客員教授(リスクマネジメント概論担当、実務家教員)
学位
博士(社会工学)(2003年3月 筑波大学)
修士(都市・環境システム)(2000年3月 筑波大学)

J-GLOBAL ID
201301033253540709
researchmap会員ID
B000228165

外部リンク

【現在について】

 滋賀県琵琶湖環境科学研究センターでは、森-川-里-湖の水や土のつながりに関連して、アユやビワマスなどの産卵床の河床の粒径などの研究しています。研究分野としては、主に魚類生態学、河川工学、森林水文学、地形学などの視点から、フィールド調査や統計数理モデルを生かした研究や政策提言を行っています。

 2023年からは、森ー川ー里―湖のつながりを視野に入れつつ、生態系のグリーンインフラ機能(Eco-DRR含む)の評価方法の研究を展開していきます。総合地球環境学研究所で2023年3月まで実施されてきたEco-DRRプロジェクト(研究代表:吉田丈人 先生)により、Eco-DRRに関する手法はかなり具体化され、現実に応用可能な研究成果も数多くありました。そこで、総合地球研の研究成果や知見をベースに、滋賀県の河川流域の現場にあてはめて生態系のグリーンインフラ機能を評価していこうと考えています。さらに「小さな自然再生」や「OECM」で淡水魚などの生息環境の再生回復を促す予定です。未知なことも多いため手探りの研究になると思いますが、サイエンスエコツアーなど地域産業との連関も考慮にいれつつ、研究を展開していく予定です。 

 趣味として、博物館、文化財保存、街づくりに関心があります。そのため、日本遺産と重要伝統的建造物群保存地区に指定されている五個荘金堂の伝統的建造物の保存活動にも参画しています。また、近江商人の街の日常の生活スタイルや信仰などの特徴から、三方よし(おかげさま)を大切にする近江商人の企業の経営哲学の根底を学んでいます。

 静岡大学大学院では、実務家教員の客員教授としてリスクマネジメント概論の講義を続けています。講義では、個々人の視点から地震、洪水、交通事故、病気、事故など、自分自身に関わるハザードを列挙することができるようになることを講義の第一の目標としています。次に、個々のハザード別に生じる確率や重大性を考えて、自分自身のリスク評価をセルフリスクマネジメントのためレポートにまとめることを、講義の第二の目標としています。さらに、個々人や法人の視点の違いによるリスクマネジメントの合意形成の難しさや、倫理的な問題の取扱いの難しさなどを、アクティブラーニング形式で受講者と討議することにより、リスクマネジメントの要点を学んでいただくことを、講義の第三の目標としています。リスクマネジメント概論としては厳しい内容ですが、今までの受講生の一人一人が素晴らしいセルフリスクマネジメントのレポートを書いてくださいました。私自身も、そのことに刺激を受けて、リスク学の研究をさらに研鑽していきたいと考えています。

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【過去について】

 2002-2004はJST RISTEX(社会技術)の研究チームで、食品安全リスクや電磁波の健康リスクなど未知の要素をもったリスクへの対応策を検討する「新規環境・技術リスクへの社会的ガバナンスの国際比較(研究代表:池田三郎)」の研究チームメンバーとして参加しました。私は外来生物など生態系に関するリスクを担当しました。ニュージーランドで外来生物のリスクマネジメントについて社会調査を行い、さらにBiosecurity Actの資料など、日本の外来生物法の立法時に国会などで参照する資料や情報を収集することにより、新規環境リスクガバナンスを支援しました。

 2002-2012年は国際環境NGOの日本機関であるWWFジャパンに職員として在籍しました。2004-2009は、琵琶湖の淡水生態系の保全を担当して、彦根市に工場のあるブリヂストンさんと「WWF・ブリヂストンびわ湖生命(いのち)の水プロジェクト」を立ち上げて一緒に保全活動を展開しました。

 2004年からは琵琶湖博物館うおの会のメンバーを中心として、琵琶湖流域の多くのNGO,NPO,機関学校の皆様と共に10,000地点を超える琵琶流域のお魚の分布調査をしてきました。水野は皆様と共に魚つかみに参加しつつ事務局も担当して調査結果を「琵琶湖お魚ネットワーク報告書」としてまとめるのに貢献しました。さらに、琵琶湖博物館では特別研究員として学芸員らと共にニゴロブナなどの水田魚類などの企画展や学術研究に貢献しました。

 2008年には30年間30兆円規模の国土交通省の淀川水系整備計画への最終答申を行う、第3次淀川水系流域委員会の委員として、流域の治水リスクと生態系保全の在り方について、淀川水系整備計画に意見を反映していただきました。

 2009年から2012年までは、東京のWWFジャパン事務局において法人窓口担当として、様々な形態でのドネーションや環境活動イベント、ライセンスやFSCやMSCなどの環境認証を企業のご担当者様へ提案する法人営業業務を行ってきました。例えば、伊藤忠商事さんの事業ではボルネオのオラウータンの生息する森の再生植林を進めるなど、多くの法人の皆様とともに活動を展開してきました。

 2012年からは、自然保護室の森林プログラム担当に異動となり、北朝鮮、中国との国境線にあるアムールヒョウの森を命がけで守ろうとするロシアの人々の熱い思いを現地で目の当たりにしました。その熱い思いに触れて、日本の琵琶湖流域への思いが募り、2012年10月に琵琶湖環境科学研究センターへ研究員として転職するに至りました。

  2020年4月-2023年3月には、新型コロナ対策本部の一員として滋賀県の新型コロナ対策本部に疫学統計解析プロジェクトチームのメンバーとして兼務しました。新型コロナウイルスの問題に関しては、刻々と変わる基本的な数値情報の取りまとめと、NatureやThe Lancetなどの数理モデルのバックグラウンドとなる世界の最新科学情報の収集を担当しました。その結果、国立保健医療科学院の発行する保健医療科学/2021 年 70 巻 5 号 p. 557-568論文に貢献するなど、一定の成果を残すことができました。


論文

  41

MISC

  65

書籍等出版物

  6

講演・口頭発表等

  90

主要な担当経験のある科目(授業)

  2

所属学協会

  5

Works(作品等)

  1

共同研究・競争的資金等の研究課題

  17

学術貢献活動

  10

社会貢献活動

  1

メディア報道

  11