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2017/01/12

バレンタイン「駐日大使候補報道」にニンマリ

Tweet ThisSend to Facebook | by suzumura

2016年12月26日(月)に発売された日刊ゲンダイの2016年12月27日号27面に、私が隔週で連載を担当させていただいている「メジャーリーグウォッチ」の第17回「バレンタイン「駐日大使候補報道」にニンマリ」が掲載されました1


今回は、今年1月20日に発足する米国トランプ政権の駐日大使として一時名前の挙がった前ボストン・レッドソックス監督のボビー・バレンタイン氏について、駐日大使候補に擬せられた理由を米国における大使の位置付けとバレンタイン氏の人脈から検討しています。


以下に記事を加筆、修正した内容をご紹介しますので、ぜひご覧下さい。


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バレンタイン「駐日大使候補報道」にニンマリ
鈴村裕輔


2016年11月8日の大統領選挙で勝利して、米国次期大統領のドナルド・トランプは慣例や常識に囚われない言動で世界の注目を集めている。


記者会見を開かずツイッターを利用して自らの意見を表明したり、米中外交の基本であった「一つの中国」の原則に疑問を投げかけて台湾との関係の強化を示唆するなど、トランプの態度は「政治の素人」を前面に押し出して当選した選挙戦さながらである。


最近まで、トランプは今年1月20日に発足する新政権の人事に取り組んできた。今回は4000を超える役職を新たに決めなければならないため、日本でも連日新政権の人事が話題となったのは周知のとおりだ。その中でも特に日本の人々の注目を集めたのが新駐日大使の候補の一人に元千葉ロッテマリーンズ監督のボビー・バレンタインの名前が挙がったという報道だ。


「各国の大使は外務省出身の職業外交官が務める」という日本の常識からすれば、外交とは無関係の野球人が大使の候補として取りざたされることは、トランプ流の常軌を逸した人事の表れと思われるだろう。


しかし、米国では外交を専門とする職業外交官が大使を務めることは珍しく、有力な政治家や著名な民間人が指名されることがほとんどだ。現在駐日大使を務めるキャロライン・ケネディも前職は弁護士であり、2008年の大統領選挙で民主党に強い影響力を持つケネディ家がバラク・オバマを支持したことへの論功行賞として2013年に着任した。


今回、バレンタインの名前が挙がったことは米国の大使の人選の基準に照らせば、決して不思議な話ではない。


バレンタインとトランプとの関係は30年以上に及ぶ旧知の仲であり、トランプによって中小企業庁長官に指名されたプロレス団体WWEの共同創業者リンダ・マクマホンとも知り合いであることなどは、バレンタインとトランプの間柄の近さを物語っている。


しかも、かつて「ヤンキースの選手は2001年のニューヨーク同時多発テロの際に何もしなかった」と発言して物議をかもしたバレンタインの姿は女性や人種的少数派を侮蔑する発言で非難を浴びたトランプと重なるから、米国民にとっては「バレンタイン大使もありえない話ではない」となる。


実際には「バレンタイン大使」の誕生はないだろう。だが、2012年に監督を務めたレッドソックスが地区最下位となったことで大リーグに復帰する道が閉ざされ、サクレッドハート大学の体育部長としてわずかに球界との関係を繋いでいたバレンタインにとって、久々に人々の注目を集め、「過去の人」から復活できたことは、大使になる以上の大きな収穫だったのである。
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1 鈴村裕輔, バレンタイン「駐日大使候補報道」にニンマリ. 日刊ゲンダイ, 2016年12月27日号27面.


<Executive Summary>
Why Did Bobby Valantine Become a Candidate to Be Nominated as the U.S. Ambassador? (Yusuke Suzumura)

 
My latest article titled "Why Did Bobby Valantine Become a Candidate to Be Nominated as the U.S. Ambassador?" was run on the Nikkan Gendai of 26th December 2016. Today I introduce the article to the readers of this weblog.


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