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2017/03/20new

地下鉄サリン事件を巡るごく個人的な経験(4)

Tweet ThisSend to Facebook | by suzumura

本日3月20日(月、祝)、いわゆる地下鉄サリン事件が発生してから22年が経ちました。


地下鉄サリン事件が発生した直後の私自身の印象については、2013年、2014年、2016年の本欄で振り返った通りです1-3


破壊活動防止法の存在が再確認されたり新興宗教と国政の関係に関心が集まるなど、地下鉄サリン事件を契機として従来半ば閑却されてきた様々な事柄が人々の話題となったことは、周知のとおりです。


一方、現在に至るまで事件の影響が及んでいる点としていくつかの事項が挙げられます。その中でもとりわけ容易に目に付くのが、東京地下鉄と都営地下鉄のホーム上でのごみ箱の撤去と東京地下鉄を含む鉄道各線での網棚の利用の減少です。


ごみ箱の撤去が閉鎖的な空間であるホーム上でサリンが散布されたことを受けた措置であるのは明らかであり、一時は駅構内からごみ箱の設置そのものが廃止されたものの、利用の再開後も地上に通じる改札口付近にのみごみ箱が置かれていることは、今なお地下鉄サリン事件の教訓を活かした危機管理がなされていることを物語ります。


また、事件以前は車内で新聞や雑誌を読み終えた人が網棚に置き、別な利用者が網棚に手を伸ばして新聞や雑誌を読む姿がごく当たり前の光景でした。


しかし、ま網棚に置かれた荷物を床に落としてサリンが散布された事例があったため、事件後は網棚に新聞や雑誌を置く利用者がいなくなっただけでなく、大きな荷物を網棚に乗せたり床に置く利用者に対して不審な眼差しが注がれ続けたものでした。


現在では鉄道各線の車内放送や掲示物で大きな荷物は手に持つか網棚に乗せるよう呼びかけているものの、今もって網棚に荷物を置く人がほとんどいないこと、さらには読み終えた新聞や雑誌を網棚に乗せる光景そのものが途絶しています。


しかも、事件の報道を直接見聞した者にだけでなく、事件の後に生まれた世代の人々も他の利用者に従ったためか網棚を利用していないことは、地下鉄サリン事件を契機としてわれわれの行動のあり方そのものが根本から変わったことを示しています。


その意味で、地下鉄サリン事件はわれわれの電車の利用の仕方に大きな影響を与えたのであり、地下鉄のホーム上にはごみ箱を置かず、車内の網棚も極力利用しないというあり方が続く限り、自覚的であれ無自覚的であれ、行動様式の点でわれわれは地下鉄サリン事件後を生きているということが出来るでしょう。


1 鈴村裕輔, 地下鉄サリン事件を巡るごく個人的な経験. 2013年3月21日, http://researchmap.jp/jop7s4nlc-18602/.
2 鈴村裕輔, 地下鉄サリン事件を巡るごく個人的な経験(2). 2014年3月21日, https://researchmap.jp/jo898idgf-18602/.
3 鈴村裕輔, 地下鉄サリン事件を巡るごく個人的な経験(3). 2016年3月20日, http://researchmap.jp/jo64r2vsu-18602/.


<Executive Summary>
A Personal Experience of the Sarin Attack on the Tokyo Subway IV (Yusuke Suzumura)


The 20th March 2017 marks its 22nd year of an occurrence of the Sarin Attack on the Tokyo Subway of 1995. I remember my personal episode concerning on this attack.


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