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2017/06/15

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Tweet ThisSend to Facebook | by KatsuKagaya
動物の脳は、ヒトをはじめとする霊長類に代表されるような巨大脳と、昆虫をはじめとする微小脳に大別することができます(「昆虫ー脅威の微小脳」水波誠 著)。微小脳とは「外骨格をもつ動物の脳」です。節足動物とミミズなどの環形動物の脳です。私は、節足動物の中でも、甲殻類であるザリガニとシャコを対象として、脳と行動のメカニズムを理解しようと研究に取り組んでいます。そのような学問領域は神経行動学neuroethologyや行動生理学behavioral physiologyと呼ばれていますが、広くは動物生理学という領域です。動物生理学は、クヌート・シュミット・ニールセンの教科書の緒言を借りれば、「動物がいかに世界において機能するfunctionかについて」の学問と言えるでしょう。

動物行動発現・調節の機能functionと言ったとき、その機能は動物個体への環境からの感覚入力から行動出力、そして環境への働きかけという一方向の流れの中で理解されることが一見論理的であるように考えられます。しかし、動物が自発・内発的に行動を開始することがあるという日常的観察事実や、概日リズムなどに代表される内発的な行動発現の調節機構の存在を考えれば、ただちに限界のある枠組みです。

それではどのようにこの行動の自発性・内発性というものを考えればよいのでしょうか? 感覚から行動までという一方向性の考えに付け加えればそれでいいのでしょうか?より包括的な考え方はできないものでしょうか?行動が自発するとき、その起源となる唯一の原因とも言える何かはあるのでしょうか?私は、ザリガニの自発性行動、シャコやテッポウエビの超高速行動などを研究対象として、動物行動の発現・調節を支える構造と機能、その背景に横たわる生物多様性、それを産み出した進化の歴史から理解するための枠組みを構築しようと日々研究に取り組んでいます。
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