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2017/07/14

あえて岸田文雄外相に安倍内閣への残留を勧める

Tweet ThisSend to Facebook | by suzumura

報道によれば、8月3日(木)に内閣改造を行う予定の安倍晋三首相は、麻生太郎財務大臣、菅義偉官房長官、二階俊博幹事長を留任させる意向を固め、今後は2012年12月の第二次安倍内閣発足以来、麻生財相や菅長官とともに内閣を支えてきた岸田文雄外務大臣の処遇が焦点となってきました1


一方、岸田氏が率いる岸田派の内部では、引き続き政権内に留まって影響力を発揮することを支持する意見と閣外に去って来るべき安倍首相の後継を巡る自民党総裁選挙に向けて政策の立案や勢力の拡大に努めるべきであるという意見が出されています2


確かに、閣内に留まることは政府内で影響力を行使できるものの、政権への支持率が低下している状況の下では閣外に去って英気を養う方が「ポスト安倍」を狙う岸田氏にふさわしい戦略と思われるかも知れません。


しかし、すでに本欄が指摘するように、総理総裁を目指すのであればたとえ仲間や子分を犠牲にしてでも何度でも入閣し、行政経験を積まねばならないのですから3、無役になるよりも安倍内閣で閣僚を務めることは岸田氏にとって最も現実的な選択肢となります。


また、かつて「悪魔の政治家の下にはつかない」と公言して岸信介内閣で反主流派の立場を取っていた池田勇人が1959年の岸内閣の改造の際に通産大臣として入閣して主流派となり、反佐藤栄作の筆頭であった中曽根康弘が「刀を交えるところまで近づかなければ喧嘩もできない」として1967年の内閣改造で運輸大臣として入閣したように、国政の頂点を極めるためには、小異を捨てて大道を歩む必要があります。


さらに、佐藤栄作や池田勇人、田中角栄、福田赳夫、中曽根康弘、あるいは小泉純一郎といった政治家たちは、自派の議員を犠牲にしてまで繰り返し入閣することで行政上の経験を積むとともに官僚機構を掌握し、首相の地位を手にしました。


何より、1956年に石橋湛山内閣が発足した際、総裁選で石橋と「2位・3位連合」を組んだ石井光次郎が外相での入閣に至らず、代わりに外相となった岸信介が石橋の病気による退陣を受けて組閣したこと、あるいは中曽根康弘は鈴木善幸内閣に行政管理庁長官として入閣していたために鈴木から政権を禅譲されたことを考えれば、閣外にいることの得失も自ずから明らかといえるでしょう。


それ故、もし岸田氏が総理総裁の座を目指すのなら、岸田氏と岸田派には引き続き外相として安倍内閣に留まることを決断すべきなのです。


1 二階幹事長留任へ. 日本経済新聞, 2017年7月14日朝刊1面.
2 内閣改造 骨格固め急ぐ. 日本経済新聞, 2017年7月14日朝刊4面.
3 鈴村裕輔, あえて石破茂氏に安倍内閣への入閣を勧める. 2014年8月22日, http://researchmap.jp/jorykeacc-18602/#_18602.


<Executive Summary>
Being a Cabinet Member Is the Best Way for Mr. Kishida to Be a Future Prime Minister (Yusuke Suzumura)


It is planned that the Abe Cabinet will be changed on 3rd August 2017. Foreign Minister Fumio Kishida is estimated to keep the position. It would be a good news for Mr. Kishida, since if he wants to be a prime minister, it would be essential for him to enlarge  administrative caree. In this mieaning this offer would be benefitial for Ms. Kishida.


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