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2017/09/09

位相的場の理論、弦理論と行列模型

Tweet ThisSend to Facebook | by Takebe
遅くなりましたが、先週出席した Lebedev 物理学研究所と情報伝達問題研究所で8月25日から31日まで行われた Workshop and School "topological Field Theories, Sring theory and Matrix Models" の復習。

この会議は、大阪市立大学の糸山浩先生や名古屋大学の菅野浩明先生がやっておられる、日本学術振興会とロシア基礎科学財団の二国間共同研究事業の一環。以前は私も少々お手伝いしていたのですが、授業期間中だとなかなか出られないし、やたらと夜遅くまでやる(ロシアの物理学者にとっては必ずしもそうではないらしいけれど)のであまり顔を出さないでいたら、流石に情報が来なくなってご無沙汰してました。ロシア側の主催者達は情報を積極的に流したりしていないようで、ここしばらくはそういう会議をやっていることすら知りませんでした。(後で聞いたら、「いつもの web site に書いてあるぞ」と言われましたが、メーリングリストに流したりはしていないようです。)

今年は、私の所にポスドクとして来ている大久保祐輔さんからこの会議の事を聞いて、最後の2日だけ Lebedev 物理学研究所でのセッションに参加させてもらいました。

この Lebedev 研究所、私が住んでいる所の近くにあるのですが、研究所内に入ったのはソ連留学中の26年前の1991年5月以来。ロシアの研究所や大学はどこも入構が厳しく制限されていて、「セミナー(あるいは研究会)やってる、ちょっと聞きに行こうか」というのは出来ず、あらかじめちゃんと許可を取っておかないといけません。留学していた頃は、研究所裏手の柵に抜け道が開いていて、そこからコッソリ入れたような気がしますが(あくまで気がしてるだけですよ!(^-^;; )、今は無理。今回は頼むのが遅くなったので、出席は最後の二日間だけになりました。

以下は復習(そろそろ忘れ始めてますが):
  • Yusuke Ohkubo:     Braiding relations for vertex operators of DIM algebra.
Ding-Iohara-Miki 代数のある種の最高 weight 表現のテンソル積の間の intertwining 作用素(vertex operator)の間の交換関係に関する予想とそれの部分的証明。簡単な場合には q-超幾何の公式で証明できる。

大久保さん、HSE のポスドクなので、一度 HSE のセミナーでも話してもらったけれど、その時に比べて元気があったのは、聴衆に日本人が多くて away 感が無かったからかな?
  • Chuan-Tsung Chan: On the Geometrical Implications of a Flux Integral Representation for the Twin Paradox.
相対論の双子のパラドックスは、閉曲線に沿う局所固有時間に関する積分が0にならない、と定式化出来るが、これを Aharanov-Bohm 効果とパラレルにとらえて、ゲージ理論的な計算で導き、更にその一般化(高次元化)を考察。
  • Tadashi Okazaki: (Super)matrix Chern-Simons Models (Supergroup Matrix Quantum Mechanics).
分数量子 Hall 効果に関連して、Gauss の法則が?空間座標作用素の非可換性に関係する。Chern-Simons 理論について、temporal ゲージで同じような話?で、Calogero-Moser 系がでる?(これは古い話。)最近 N. Dorey 達は行列型 Chern-Simons 理論の分配関数を Schur 関数と Kostka 多項式で展開して…?? これの super 版が主結果。
  • Shintaro Yanagida: Turaev's skein algebra for torus and homological mirror symmetry.
Morton と Samuelson による、「トーラスの skein 代数と、楕円曲線の Hall 代数の double は同型」という定理を DIM 代数とトーラスについての homological mirror 予想による新しい証明。途中、「一元体」上の楕円曲線を使うことになるので、それについての言葉も導入していた。
  • Yegor Zenkevich: (q,t)-KZ equations for DIM algebra.
DIM 代数の vertex operator の積の行列要素(=ある相関関数)は、affine Lie 代数の場合と同様に KZ 型の方程式を満たす。KZ, q-KZ の復習から入ってくれたのは助かるけれど、肝心の DIM 代数の話が駆け足でついて行けなかった。もっとも、私が出ていなかった研究会前半で DIM 代数などについていくつも話があったようなのでそこで話された話は略していただけかもしれません。
  • Gleb Aminov: Modular Invariance in 6d SYM theories.
6次元 super Yang-Mills 理論である D-brane をトーラスにコンパクト化した時に SL(2,Z) に関する modular 性が生じる。それと可積分系の関係?
  • Mikhail Olshanetsky: Quasi-compact Higgs bundles and Calogero-Sutherland system with two types spins.
Calogero-Sutherland 系の拡張で、二種類のスピンを持ちしかも可積分なものを構成して、Higgs 束との比較?同一視??
  • Kazuhiro Sakai: En Jacobi forms and Seiberg-Witten curves.
Jacobi 形式は、z 変数について擬周期的、τ 変数については modular 的なある種の正則関数。WirthMueller は、E6 と E8 型以外のルート系について生成元の具体的な構成を与えている。これを Seiberg-Witten 曲線や E-string の Seiberg-Witten prepotential を使って説明する。
  • Katsushi Ito: Quantum SW periods at strong coupling.
Quantum Seiber-Witten curve とは、Seiberg-Witten curve の方程式の p 変数を微分作用素にした微分方程式。これの WKB 解を積分したのが quantum SW 周期。更に、4次元超共形場理論と2次元共形場理論の対応、ODE- integrable system 対応や Y system を使って、強結合領域での quantum SW 周期を massless monopole point to Argyres-Douglas point の周りで求める。
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