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2017/09/12

安倍政権の「人づくり革命」の結末は明るいか

Tweet ThisSend to Facebook | by suzumura

昨日、安倍晋三首相は第1回人生100年時代構想会議を開催し、大学生への給付型奨学金の拡充や幼稚園や保育園の無償化、大学などの高等教育の授業料の負担軽減などについて検討することを表明するとともに、「人生100年時代を見据えた人づくり革命は、これからの安倍内閣の最大のテーマであります」と指摘しました1


今年6月に「これまでの画一的な発想にとらわれない「人づくり革命」」を唱え2、8月の内閣改造でも茂木敏允経済財政再生担当大臣に人づくり担当相を兼務させるなど、「人づくり革命」はいわば安倍政権の看板となる政策であることは広く知られるところです。


ところで、安倍政権の看板政策と考えられる「人づくり革命」については、「人づくり」とは何か、「革命」とは何か、あるいは「人づくり革命」とは何か、という基本的な点が明らかにされておらず、しかも「人づくり革命」が実現した後に社会にいかなる影響が生じ、いかなる人間が作られるのかも不明瞭であるという意味で、単なる掛け声の域を出ないと言えます。


さらに、これまで安倍政権では「地方創生」を手始めに、「女性活躍」や「一億活躍」、「働き方改革」と内閣改造のたびに新しい政策を標榜するものの、一つの政策の成果が明らかになる前に次の政策を掲げる様子は、政権の主眼となる政策であっても実現させることがよいではないという事実をわれわれに教えます。


それとともに、毎年のように「看板政策」を改めることは、一面において政権がその時々の社会の課題に向き合うために細心の注意を払っているように見えるとともに、他面においては毎年新たな政策を提示することで不断に努力している様を示そうとしているかのようでもあります。


何より、「看板政策」と言いながら、施策の結果を評価する前に新しい取り組みを示すことは、あたかも一冊の参考書を購入したものの、全ての問題を解き終える前に次の参考書を購入する受験生の姿を彷彿とさせるものです。


手にする参考書を次から次へと変える受験生の学力が伸び悩むのと同じように、「看板政策」を次々に改めることは一つひとつの政策が実現する可能性を低めこそすれ、高める見込みは決して多くはないといえるでしょう。


その意味において、「人づくり革命」も「これからの安倍内閣の最大のテーマ」と意気込まれながら、やがては人々の視界から消え去ることになるかもしれません。


1 人生100年時代構想会議. 首相官邸, 2017年9月11日, http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201709/11jinsei100.html (2017年9月121日閲覧).
2 平成29年6月19日安倍内閣総理大臣記者会見. 首相官邸, 2017年6月19日, http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2017/0619kaiken.html (2017年9月121日閲覧).


<Executive Summary>
What Is a Result of a ""Human Development Revolution" of the Abe Cabinet? (Yusuke Suzumura)


The 1st Meeting of the Human Development Revolution was held on 11th September 2017. This ""Human Development Revolution" is a policy to develop citizens' ability. However an actual result of a "Human Development Revolution" might be uncleare, since the Abe Cabinet advocates new policy and cannot achieve their efforts in each year.


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