研究ブログ

研究ブログ >> 記事詳細

2017/10/08

はじめて人文社会科学系の研究(卒論など)に取り組む学生のために(随時更新)

Tweet ThisSend to Facebook | by Yuki Sugawara
はじめて人文社会科学系の研究(卒論など)に取り組む学生のために(随時更新)


菅原裕輝(大阪大学COデザインセンター)


ステップ(0)自分の興味関心を探る[研究をはじめる前に…]

(a) 社会的に注目され論争になっているホット・トピックに多く触れる(外在的なアプローチ)。
(b) 自分自身の経験・生い立ちや価値観と関係するトピックは何かを考える(内在的なアプローチ)。
→(a)と(b)のどちらか、あるいは両方の観点から、自分の興味関心を探る。様々なトピックの内容に触れる際、批判的な観点から捉え直してみる。自分が知りたいことを問い(questions)の形で表現してみる。

〈事例〉私は文学部に在学していて、人文学の危機というニュースが気になっている。人文学はどのような危機なのか? なんで人文学は危機なのか? 人文学に出来ることや期待されていることは何だろう? 人文学を学んだ人に何ができるだろう? 人文学が大学や大学院でどのように教育されているんだろう?

〈教員のサポート例〉学生が何に興味関心があるかを聞きながら、具体的なトピックを(学生のキャパシティを越えない範囲で)紹介する。

 
ステップ(1)何が学術的な問題かを知り、研究の問いを立てる[文献調査からリサーチクエスチョンへ!]

[基本的な方向性]
  • 自分が知りたいことや疑問に思っていること(questions)は、学術研究のなかでどのような問題(problems)として扱われているかを知る。

[具体的な作業]
  • google scholar(https://scholar.google.co.jp/)に、自分の興味関心と関係するキーワードを入力。
  • ヒットした論文のタイトルを見て、自分の興味関心と関係しそうだったら要約を読む。要約を読んでみて、自分の興味関心と関係しそうだったら、本文を読んでみる。
  • 論文の背景や考察の部分でいくつかの文献が引用されている。そのなかでも重要そうな文献をさらに読んでみる。この作業を繰り返し行う。
  • 自分が興味関心のあることについて、どのようなことが議論されているかを整理しながら、文献を集め読んでいく。具体的には、先行研究の議論の内容を整理する際、(1)自分が興味関心のある事柄についてこれまでどういうことが問題となっているか、(2)どのような考え方・立場・取り組みがあるか、(3)それぞれの考え方・立場・取り組みの良し悪しは何か、(4)それぞれの考え方・立場・取り組みについて残された問題は何かをまとめてみる。
  • 学術上残された問題(problems)が研究の問い(リサーチクエスチョン)になる。
  • 文献調査の内容を共有するうえでも、文献リストを作っておく。表記の仕方は、例えば、本の場合は、著者(出版年)『タイトル』出版社名、論文の場合は、著者(出版年)「論文タイトル」『学術雑誌名』号、ページ数。表記については、自分が読んだ論文雑誌の参考文献表の表記に従うか、指導教員に訊いてみる。

〈事例〉人文学が大学や大学院でどのように教育されているかに興味がある。大学については、教養の教育と専門の教育に分かれるみたい(文献より)。教養の教育にはある程度の体系性がありそう(文献より)。専門の教育に関しては体系性がないらしい(文献より)。日本の大学の人文系学部の場合、カリキュラムが十分に組まれていない? 大学院はもっと教育の構造が見えない。海外の大学ではどうなんだろう? コースワークとかあるらしい(文献より)。海外(とりわけ先進国のアメリカ)の人文系大学院の教育の構造はどのようになっているのか?(→リサーチクエスチョン)

〈教員のサポート例〉重要な文献を紹介する。文献を列挙するだけでなく、内容を短くわかりやすく伝えるほか、学生の興味関心と照らしたときの位置づけや、学術分野の中での位置づけなどを伝える)


ステップ(2)問題に迫る[調査開始!]

[基本的な方針]
  • 研究の問いにアプローチする際には、大きく分けて二つの方法がある。知りたいことに応じて方法(アプローチの仕方)を選択する(詳しくは、付録1「調査研究の種類」および付録2「調査にあたって求められる倫理的配慮」)。

(a)質的方法:ドキュメント分析、インタビュー調査など
(b)量的方法:質問紙調査など

  • ドキュメント分析:研究の問いの内容と関わる既存の資料や情報公開されているデータを対象にして分析を行う。
  • インタビュー調査:研究の問いの内容と関わる人(たち)に、聞きたいことを事前に考えたうえで、聞き取りを行う。インタビューする人(たち)には、音声データの録音やデータの公開なども含め、研究参加の同意を必ずとる。録音した音声データは書き出し、その内容がどのような意味を持つかに関するメタデータを付けながら整理・分析していく。個人あるいは集団が持つ固有性を明らかにする。
  • 質問紙調査:研究の問いの内容と関わる人たちに、質問紙に回答して貰う。情報の公開など研究参加については事前に同意をとる。集団のなかの傾向性を分析する。

〈事例〉米国における人文学系大学院におけるカリキュラムを(1)哲学分野、(2)歴史学分野、(3)社会学分野、(4)心理学分野、(5)文学分野の各分野ごとに分析し、分野ごとの教育内容の相違点や共通点を整理してみる。具体的には、米国の人文学系大学院の各分野のトップ10 校がそれぞれProgram あるいは Requirements の形で情報公開しているものを、(a)コースワーク(course work)の内容・ 要件、(b)博士課程研究基礎力試験(qualifying examination)の内容・要件、(c)博士論文提出(dissertation)の内容・要件ごとに抽出し、内容を分析する。なお、調査対象とする 大学は、米国における人文学系大学院に関するランキング(哲学分野に関しては Ranking of Philosophy Graduate Schools(PhDs.org)、歴史学・社会学・心理学・文学に関しては Best Grad Schools Rankings (U.S. News & World Report))のなかから上位 10 校を選定することにする。

〈教員のサポート例〉調査方法の選択の相談に乗り、必要に応じてリクルートの調整を行う。調査にあたって求められる倫理的配慮については学生に周知するほか、実際の研究で適切に倫理的配慮がなされているかを管理する必要がある。


ステップ(3)結果を出す[調査結果から分析へ!]

  • ドキュメント分析:対象としたドキュメントから言えることを示す。
  • インタビュー調査:個人あるいは集団が持つ固有性を明らかにする。
  • 質問紙調査:集団のなかの傾向性を分析する。

〈事例〉人文学系の各分野(哲学・歴史学・社会学・心理学・文学)の米国大学院トップ 10 校(計 50 校)から得られた情報を整理し、人文学系大学院の教育による得られる学修成果として考えられる能力をボトムアップ的に以下の 7 項目に選定した。
(1) 基礎知識(それぞれの分野の歴史・概念・理論枠組みへの理解)
(2) 語学能力(研究するうえでの語学力)
(3)分野固有の方法についての能力(哲学の場合は論理学、歴史学の場合はヒストグラフィー、社会学や心理学の場合は統計学)
(4)サーヴェイ能力&リーディング能力(研究するうえでのサーヴェイ能力およびリー ディング能力) 
(5)ライティング能力(研究するうえでのライティング能力。なお、博士論文関連のプログラムは除いたプログラムを数える)
(6)ディフェンス能力(自分自身で組み立てた議論を反論から守る能力)
(7)教育能力

〈教員のサポート例〉調査結果を適切な手続きで出しているかを確認する。調査結果の記述の仕方(足りない情報がないか)についても確認する。


ステップ(4)調査結果の意義を考える[考察へ!]

  • 分析した結果がどのような学術的・社会的意義を持つかを、先行研究と照らして考える。

〈事例〉人文学系大学院の教育による得られる学修成果として考えられる能力の同定は、学修成果を評価する際の指標策定につながる。

〈教員のサポート例〉先行研究の内容整理を手助け、理解を確認しつつ、研究の含意を学生と一緒に考える。


ステップ(5)文章やスライドに内容をまとめる[報告へ!]

  • 序論(背景と問題と構成)
  • 本論(調査内容)
  • 結論(本稿のまとめ、本稿の意義、今後の課題)

をまとめる。

〈事例〉大学改革支援・学位授与機構(2017)「平成 28 年度 文部科学省先導的大学改革推進委託事業 大学教育における分野別質保証の在り方に関する調査研究 報告書(第5章【資料】米国の人文学系大学院のカリキュラム分析)

〈教員のサポート例〉アカデミック・ライティングに関する情報を(学生に負担のない範囲で)与えながら、学生が書いたものについては適宜コメントを行い、学びにつなげる。

以上です。

***

以下は付録です。

付録1:調査研究の種類
 
実証的研究と理論的研究

  • 実証的研究:実験や観察を通して証拠を収集することで、結論を導く。
  • 理論的研究:行動を直接観察したり実際の証拠を収集することはなく、他者の著作を読んだり、研究テーマに関連する他者との対話を通して研究する。自己の知的能力を使って、状況に対する新しく異なった見方を構成し、新しい理論を考え出す。
  • 二つのアプローチの関係:両者を完全に区別することは難しく、実際には両方のアプローチは相互に連関し合っている。例えば、研究対象に関する理論的な問題を理解せずに実証研究をすることは不可能であり、研究者は自分があらかじめ持っていた仮説や理論を反映したものを観察する傾向にある。一方、理論的研究は、収集した証拠に直接基づいていなくとも、以前に実証的な研究法によって収集された証拠やアイデアに依存している。理論はデータなしに生まれないし、データは理論的フレームワークなしに収集することはできない。
     
 
量的研究と質的研究の違い(Bryman 2016 p.32を参考)

 
量的研究
定性調査
手法例
質問紙調査
インタビュー調査、参与観察
概要
有効回答の「量」を得ることが目的の調査。色々な人に意見を聞き、問題を解決する上での対象者の傾向を大まかに把握する上で効果的な手法である。
有効回答の「質」を得ることが目的の調査。定量調査で明確にできない対象者の深層心理および考え方の背景にまで肉迫する上で、効果的な手法である。
長所
サンプリングを行い、調査対象である環境の縮図に近い状況を作り、データを収集可。有効回答を多くとれば調査者対象全数の意見に近くすることも可。
対象者の本音を詳細、リアルに聞ける。単なる意見だけでなく、そこにいたる考え方や心理等も把握できる。対象者側の予想外の考え方等も発見しやすい。
短所
基本的に、選択肢方式が多くなる性格から、回答の裏に潜む考え方の過程や回答決定までの背景が掴み難くなる。さらに、質問票に記載した設問以外の情報が把握し難い。
調査の実施にかける時間が多く必要になる。費用と時間、手間がかかることから調査対象人数が限定される。回答者の特殊な考え方や事情が回答に入る可能性も否めない。
理論の役割に関する方向性演繹的(理論検証)帰納的(理論構築)
認識論的な方向性(a)実証主義(positivism)(b)解釈主義(interpretivism)
存在論的な方向性(c)客観主義(objectivism)(d)構成主義(constructionism)
事例
街頭や会場の集合調査、交通量調査等。
自由回答調査、行動追跡調査等。

  • (a)実証主義:社会的世界は自然科学の原理や方法によって探究される/されるべきとする考え
  • (b)解釈主義:社会的世界は(自然科学の方法だけでなく)社会的行為の(解釈的な)理解を通して因果的に説明される/されるべきとする考え
  • (c)客観主義:社会的現象は社会的アクターとは別に成立している/しているべきとする考え
  • (d)構成主義:社会的現象は社会的アクターから構成される/されるべきとする考え


研究ストラテジーと研究デザイン(Bryman 2016 p.70)

研究デザイン
研究ストラテジー
量的研究
質的研究
(a)実験的研究(experimental study)
典型的な形式:実験群とコントロール群との量的な比較
典型的な形式:無し
(b)横断的研究(cross-sectional study)
典型的な形式:ある時点におけるサンプルについての調査研究/構造化された観察。文書のサンプルについての内容分析。
典型的な形式:ある時点における質的なインタビュー/フォーカス・グループ。ある期間における文書のセットについての質的な内容分析
(c)縦断的研究(longitudinal study)
典型的な形式:パネル研究やコホート研究のような、一つ以上の場面における一つのサンプルに対する調査研究。異なる期間の文書に対する内容分析
典型的な形式:長期間にわたるエスノグラフィー、一つ以上の場面に対する質的なインタビュー。異なる期間に関連した文書の質的な内容分析
(d)事例研究(case study)
典型的な形式:その本性に関する重要な特色を明らかにする視点を備えた単一事例に対する調査研究
典型的な形式:単一事例に対するエスノグラフィー/質的インタビューによる研究
(e)比較研究(comparative study)
典型的な形式:二つ以上の事例間の直接的な比較が成立する調査研究
典型的な形式:二つ以上の事例に対するエスノグラフィー/インタビュー


量的研究のプロセス(Bryman 2016 p. 150)


質的研究のプロセス(Bryman 2016 p.379)



社会調査の計画を具体化させる上での5W1H

1どのような手法か(How:どのような研究手法を選択するか。自分の研究テーマに対して適切なデータを集めるには、定量調査と定性調査のどちらか、あるいは両方必要なのか。
2誰を対象にするか(Who):調査に参加して回答してもらう人をどのように構成するか。どのような人を対象としてどのくらいの人数を集めるのか、そのためにどのくらいの時間がかかるのか、調査についてどの程度の費用が発生するのか。
3どの地域で聞くか(Where:調査の目的を達成するために、どの場所で調査を行うことが最も適切か。
4いつ調査をするか(When:調査対象となる人々がどのようなスケジュールで行動するかを考慮し、調査を行う時間を決める(例:地域の交通計画を考えるための街頭調査をする場合、専門家は月曜日と金曜日は調査の候補日から外す)
5何を質問するのか(What/Which:自分が聞きたいことは何か、どのような項目を聞けば自分の問題意識につながる答えをしてもらえるか、そのためにはどのような聞き方をするか。
 
参考文献
  • Bryman, A. (2016).Social Research Methods. Fifth Edition. Oxford University Press.
  • 西山敏樹・鈴木亮子・大西幸周.(2013).『アカデミック・スキルズ データ収集・分析入門:社会を効果的に読み解く技法』(慶應義塾大学出版会).
  • ダン・レメニイほか著.小樽商科大学ビジネス創造センター訳.(2002).『社会科学系大学院生のための研究の進め方』(同文舘出版).


付録2:調査にあたって求められる倫理的配慮
 
研究倫理3原則
 
(原則1人格の尊重:①個人は自律的な主体として扱われるべきである。②自律性の弱くなっている個人は保護を受ける権利がある。⇒(実践1インフォームド・コンセント
 
(原則2善行:①害をなしてはならない。②利益を出来る限り大きくし、害を出来る限り小さくする。⇒(実践2リスク・ベネフィット評価
 
(原則3正義:「社会的な利益と負担は正義の要求と一致するように配分されなければならない」。例:①各人に等しく分配する。②各人のニーズに応じて分配する。③各人の努力に応じて分配する。④各人の社会的貢献度に応じて分配する。⑤各人にとっての利益の大きさによって分配する。⇒(実践3被験者選択
 
研究倫理3原則に基づく3実践
 
(実践1インフォームド・コンセント:調査者の果たすべき情報提供と説明責任の内容は以下である。

①調査者に関する情報、②調査内容に関する概略的情報、③調査対象者として選ばれた理由、④匿名性を保障し、プライバシー・個人情報・人権を保障するための方法、⑤回答者の権利、⑥調査への協力の有無が利益あるいは不利益をもたらさないこと、⑦調査に協力することのリスクとベネフィット(利点)、⑧調査結果の報告、⑨調査結果の使用目的・公表先と時期の予定、⑩調査への助成内容と助成機関名、⑪謝礼・謝品の有無とその内容
 
(実践2リスク・ベネフィット評価:実験参加者個人に掛かるリスクと、社会全体にもたらされるベネフィットを特定し、比較考量を行う。(例:社会的利益よりも実験参加者個人に掛かるリスクが大きい場合は、調査を行わない。)
 
(実践3被験者選択:弱者からの搾取になるような調査は行わない。
 
社会調査にあたって求められるより実際的な倫理的配慮
 
社会調査に当たっては「善行」や「正義」といった側面よりも、「人格の尊重」といった側面に重きが置かれている。具体的には、インフォームド・コンセント(調査者の果たすべき情報提供と説明責任)、匿名性の保障プライバシー・個人情報の保護回答者の人権の保障回答者の権利に配慮する必要がある。

(1)サンプリング段階の倫理的配慮
  • 法令遵守:国や地方時自体などの法令を遵守する(例えば、住民基本台帳などの閲覧で遵守)
  • 調査対象者名簿の管理:住民基本台帳等の閲覧で作成した調査対象者名簿の厳重な管理
  • 目的外使用禁止:サンプリングで得た個人情報の用途は当該社会調査以外に使用しない。

(2)調査実施の依頼時の倫理的配慮
  • 調査の連絡と依頼:調査の前に対象者へ社会調査の実施の連絡および協力の依頼を行う(心の準備のための期間を設ける)。
  • 目的、調査、連絡先の明示:調査者は必ず調査の目的と主体、その連絡先を明確にする。

(3)調査の準備段階での倫理的配慮
  • 人権の尊重とプライバシーの保護:調査対象者に協力を強制しないなど、人権を尊重する。また、個人情報の漏えい防止を徹底して、プライバシーを保護する。
  • 調査対象者名簿の徹底管理:個人情報の紛失や内容の漏えいが生じないように管理を徹底する。
  • 調査員の研修と手法の周知:調査員を用いる場合は、倫理的配慮について研修と手法の周知を行い調査者の格差を無くす。

(4)調査の実施段階での倫理的配慮
  • 匿名性の保障:回答者が特定されないように社会調査の実施段階で十分な配慮を行う(例:回答は無記名で行う)。回答者の所属先組織が調査に関わっている場合も匿名性を保障する:①質問紙への回答は無記名で行ってもらう。②回答者が特定できないような方法で回答済みの質問紙を収集する。③回答済みの質問紙は調査関係者以外の人の目にふれないように保管する。回答済みの質問紙は研究成果公開終了後5年がすぎたら廃棄する。調査で収集したデータは調査目的以外には使用しない。⑥結果公表に際しては、回答者が特定されないようにする。
  • 調査への合意取得:調査対象者に十分調査内容を説明し、同意に基づいて調査を実施する。
  • 調査対象者の不利益回避:調査対象者が不快感を抱いたり不利益を被ることは回避する。
  • 調査対象者の中止の自由:調査対象者が調査を中止したい場合は、その意志に従う。
  • 疑問への対応:調査者は対象者から寄せられる疑問や苦情等に対して誠実に対応する。
  • 守秘義務:社会調査の実施過程で知り得た調査対象者に関連する情報すべてを守秘する。
  • 差別の禁止:対象者を性別、年齢、国籍、障がい等の要因によって差別的に処遇しない。
  • 調査員の証明:全調査員に身分証明書を常時携行させ、求めがあれば身分を明らかにする。
  • 不正な記入の防止:調査員は、質問票やインタビューシート、観察記録等に不正な記入(いわゆるメイキング)を一切行わない。

(5)調査実施後の倫理的配慮
  • 質問票・インタビューシート・観察記録などの管理:記入された質問票・ヒヤリングシート・観察記録等について、研究代表者が厳重管理できる体制を整備する。
  • 個人情報の管理:質問票・インタビューシート・観察記録等の個人を特定できる部分について厳重に管理する体制を整える。
  • 電子データの管理と匿名性確保:回答内容の電子データ化では、個人を特定できない様コード化する。インターネットとも切り離し電子ファイルを研究代表者が責任をもち管理する。
  • 公表すべき事項の整理:調査の題目、目的、調査主体、サンプリング方法、調査方法と時期、調査の具体的な内容、分析結果、結果考察、付属資料としての生データ等を公表内容に含める。ただし、回答者や組織が特定されないよう、あいまい化(例:神奈川県を関東のA県と表記する)等、表記を配慮する。
  • ねつ造の禁止:調査データや結果等をねつ造せず、考察も複数人により客観的に実施する。
  • 差別の禁止:性別、年齢、国籍、障がい等の要因によって差別的な結果表記を行わない。

参考文献
  • 西山敏樹・鈴木亮子・大西幸周.(2013).『アカデミック・スキルズ データ収集・分析入門:社会を効果的に読み解く技法』(慶應義塾大学出版会).
  • 鈴木淳子.(2016).『質問紙デザインの技法』(ナカニシヤ出版).


02:31 | 投票する | 投票数(1) | コメント(0) | 教育