カウンタ

2125328(Since 21st May 2010)

研究ブログ

研究ブログ >> 記事詳細

2017/10/11

総選挙に際して各党は「日本の将来の姿」を具体的に提示せよ

Tweet ThisSend to Facebook | by suzumura

昨日、10月22日(日)に投開票が行われる第48回衆議院議員選挙が公示されました。


「大義なき解散」とも称された今回の衆議院の解散と総選挙の実施は、希望の党の結成と野党第一党である民進党の分裂、そして立憲民主党の結成など、9月28日(木)の解散から10月10日(火)の公示までの2週間で様々話題を有権者に提供しました。


離合集散は世の常であり、票のため、当選のためであれば昨日までの仇敵と手を結び、今日の盟友を裏切ることが政治の世界の日常的な光景とはいえ、一連の動きは刮目すべきものでした。


その一方で、話題の大きさに比べて深まりを見せないのが各党の掲げる政策です。


2019年10月の消費税の税率の引き上げの断行と使途の変更の是非を問うと称して衆議院を解散したにもかかわらず、「リーマン・ショック級の事態が起こらない限り引き上げていきたい」と消費税率の引き上げそのものの延期の可能性を示唆する安倍晋三首相1の態度は解散の目的そのものを曖昧にしますし、公明党も自公連立政権の枠組みを維持することが目的となっている観を呈しています2


これに対し、希望の党は小池百合子代表が「「安倍1強政治」を終わらせよう」とはいうものの2、「安倍1強政治」の後にどのような政権の枠組みを作るかを明示していないという点で主張の土台が固まっておらず、「今日より明日のほうがいいと思える希望や夢をかなえるのが政治の役割だ」という発言2も画餅に帰する可能性を捨てきれません。


また、立憲民主党も、枝野幸男代表が「「上からの政治」を、草の根からの国民の声にもとづいた政治」へと変える「まっとうな政治」の重要性を主張してはいても2、「まっとうな政治」によって10年後、20年後の日本の姿がどのようになるかに言及しきれていないという点で隔靴掻痒の感を免れ得ません。


あるいは、日本維新の会は安倍政権下で議論を進めるべきだとの考えを示し3、憲法改正の問題では与党の補完勢力である立場を隠しておらず、日本のこころも安倍政権下で憲法改正の実現を目指すとして与党と一体である姿勢を打ち出し4、在野党としての存在意義を自ら放棄しています。


さらに、共産党や社民党は護憲を強調することで憲法の改正に懐疑的、あるいは反対する人々から支持を得ることを目指しながら2、「改憲反対」という話題に焦点を絞りすぎていることでかえって日本の将来をどのように形作るのかという観点を閑却するきらいがあります。


このように見れば、各党とも目先の話題に注意を集め、今後の日本のあるべき姿を具体的な政策によって提示し、その是非を問うという姿勢を欠いていることが分かります。


もちろん、各党とも、有権者の歓心を得ることが得票に繋がるというこれまでの経験的な法則に従って行動しているのですから、その意味で選挙を戦いぬくための戦法は間違っていないといえるかも知れません。


それでも、有権者が抱く「これからの日本はどうなるのだろう」という漠然とした不安に対して明確な答えを示し得ないようであれば、そのような態度は有権者の寒心に堪えないばかりでなく、有権者の投票への意欲を殺ぐことにもなりかねません。


それだけに、各党と各候補者には、選挙期間を通して、日本の将来の姿と、その姿を実現するための方策を有権者に対して具体的に提案することが求められるのです。


1 消費税10%、予定通りに. 日本経済新聞, 2017年9月27日朝刊4面.
2 衆院選公示、22日投開票. 日本経済新聞, 2017年10月20日夕刊2面.
3 9条改正 山口氏「自衛隊明記は尚早」、松井氏「安倍政権で議論を」. 日本経済新聞, 2017年10月9日朝刊2面.
4 安倍政権5年に審判. 日本経済新聞, 2017年10月11日朝刊1面.


<Executive Summary>
All Parties Shall Show the Exact Future of Japan to the Voters (Yusuke Suzumura)


The voting date in the general election for the House of Representatives was announced officially on 10th October 2017. We want to all parties and candidates for the General Election 2017 to show the future of Japan and particular method to realise such figure, since now no party and no candidate can show what they shall show.


トラックバックURLhttp://researchmap.jp/index.php?action=journal_action_main_trackback&post_id=64453
15:52 | 投票する | 投票数(0) | コメント(0) | トラックバック(0) | 評論