基本情報

所属
名古屋大学 情報学研究科 教授
学位
博士(人間・環境学)

研究者番号
10344532
J-GLOBAL ID
200901091509147594
researchmap会員ID
5000068660

外部リンク

人の心は、普遍的かつ生得的要素をもとにして、それらを取り巻く文化の日常的な現実によって構成されているとする考え方は、近年、文化心理学として提唱されてきている (e.g., Markus & Kitayama, 1991)。文化心理学の考え方によると、人は、文化を取り込み、その意味的資源を用いることにより生物的適応を達成してきたとされる。よって、人は当該の文化において生きていくことで、そこにおける意味構造や日常的慣習を実践し、その結果、その文化に見合った自己観、動機づけ、感情、思考などの心の性質を獲得していくことになる。さらに、特定の文化に見合った心の性質をもった人々は、その文化に生きていくことを通じ、その文化を維持・再生産していくことになる。つまり、人の心と文化の性質は相互構成的関係を持つにいたる。このような理論的背景を踏まえ、これまでの研究では、発話の情報処理といった基礎的な認知プロセスにおいてさえも、当該の文化におけるコミュニケーション様式といった日常的慣習が反映されていることを実証的に示してきた (Ishii & Kitayama, 2002; Ishii, Reyes, & Kitayama, 2003; Kitayama & Ishii, 2002)。(関連のレビューとして、石井・北山, 2004; 塚崎・石井, 2004を参照のこと)。加えて、最近では、欧米において優勢な相互独立的自己観の起源が「自発的移住とフロンティア精神」にあるとし、その歴史を持つ北海道の人々はアメリカ人と同様に相互独立的であることを示してきた (Kitayama, Ishii, Imada, Takemura, & Ramaswamy, 2006)。

受賞

  2

論文

  98

MISC

  25

書籍等出版物

  11

共同研究・競争的資金等の研究課題

  17