基本情報

所属
東京藝術大学 社会連携センター 特任准教授
学位
博士(社会学)(2013年3月 一橋大学)

連絡先
iso.naokipc.geidai.ac.jp
研究者番号
90712315
J-GLOBAL ID
201301067871885182
researchmap会員ID
B000229438

プロフィール

  一橋大学大学院社会学研究科で修士号を取得後、フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)留学を経て、一橋大学大学院社会学研究科で博士号を取得しました。大阪大学大型教育プロジェクト支援室(現・経営企画オフィス)で特任助教、日本学術振興会PD・RPD(慶應義塾大学)を経て、現在は東京藝術大学社会連携センター特任講師を務めております。今年度は非常勤講師として、江戸川大学で社会調査法を、中央大学でフランス語の授業を担当しております。

研究活動

 私のこれまでの研究は、大きく3種類に分けられます。社会学史研究、フランス社会研究、日本社会研究です。いずれの場合もピエール・ブルデュー研究が基盤になっており、そこから新たな研究を展開させる形で、研究活動を行っています。

1.社会学史研究

私のブルデュー研究の成果は、『認識と反省性――ピエール・ブルデューの社会学的思考』(法政大学出版局、2020年)にまとめました。現在は亡命知識人の研究に取り組んでおり、現代社会学理論の教科書の企画も進めています。

2.フランス社会研究

 これまでの私のフランス社会研究は、拙稿「パリ郊外における柔道実践」や共編著『フランス柔道とは何か』などにまとめられており、柔道が主題となっております。現在取り組んでいる2種類の研究は、柔道には直接関係がありません。

 二つのうち一つは「パリ郊外の歴史」、もう一つは「現代フランスの文化と不平等」です。前者は、拙稿「パリ郊外における柔道実践」以来、私が関心を持ってきた主題です。パリ市の境界は、古代から19世紀に至るまで変化してきました。かつてのパリは「19世紀の首都」とも言われますが、19世紀以来のパリ郊外というのはパリそのものと言っても過言ではなく、近代社会の様々な問題を内包してきました。こうしたパリ郊外について、19世紀半ばから21世紀初頭の時代に限定し、都市計画だけでなく、衣食住の観点から一つの歴史を描きたいと考えております。

 もう一つのフランス研究は、2023年度は日本社会研究として取り組んでいる「文化と不平等の社会学」を、フランス社会研究としても取り組むというものになります。フランスには“L'enquête pratiques culturelles” (文化行動調査)という政府統計があります。過去に1973年、1981年、1988年、1997年、2008年、2018年の6回実施されました。このような統計データの分析を研究の軸に据え、文化と不平等の研究を進めていくつもりです。また、教育と不平等に関わる統計データも用い、短期の現地フィールドワークも織り交ぜながら、研究を進めていくつもりです。

3.日本社会研究

 私の日本社会研究は、「現代日本の文化と不平等」が中心になります。2022年度から、科研費の基盤研究(B)の助成を受け、現代日本の文化と不平等に関する社会学的研究」に取り組んでいます。この共同研究では、関東地方において量的調査と質的調査を実施します。文化について、⓵視覚芸術、②音楽、③読むこと、④メディア、⑤スポーツに分け、それぞれの領域ごとに人びとがどのような嗜好や関与を示すかを社会調査によって明らかにする試みです。こうした文化の社会学を、社会階層論に接続させ、社会的不平等が文化とどう関わるかを明らかにしていきます。

 また、科研費・基盤(B)の「信用スコアの受容に関する社会学的研究」(研究代表者:赤堀三郎)にも研究分担者として関わっていましたが、現在はこのプロジェクトを引き継ぐデータ駆動社会研究に関わっています。

(所属先住所)
〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8
東京藝術大学 社会連携センター


書籍等出版物

  13
  • 川口茂雄, 合田正人, 伊原木大祐, 越門勝彦, 編 磯直樹 (担当:分担執筆, 範囲:「フランスの社会学」「ピエール・ブルデュー」「ジャン=クロード・パスロン」「ナタリー・エニック」「アブデルマレク・サヤド」「パトリック・シャンパーニュ」「ルイ・パント」「ピエール=ミシェル・メンガー」「ハビトゥス(ブルデュー)」「資本(ブルデュー)」「界(ブルデュー)」「社会空間(ブルデュー)」「『ディスタンクシオン』(ブルデュー)」「『ホモ・アカデミクス』(ブルデュー)」「『パスカル的省察』(ブルデュー)」「『実践感覚』(ブルデュー)」)
    ミネルヴァ書房 2024年
  • 檜垣 立哉 (編), 山崎 吾郎(編), 磯 直樹 (分担執筆)「他者の認識と理解ー「ネイティヴ」・文化・自然をめぐって」, pp.23-47
    勁草書房 2022年12月 (ISBN: 9784326103140)
  • 星野映, 中嶋哲也, 磯直樹, 有山篤利, 小林純子 (担当:共編者(共編著者))
    青弓社 2022年6月 (ISBN: 9784787235060)
  • 白石 真生, 栃澤 健史, 内海 博文, 磯直樹, 他 (担当:共訳, 範囲:「ハビトゥス」「文化資本」) (原著:ジョン・スコット, 編)
    ミネルヴァ書房 2021年7月 (ISBN: 9784623089284)
  • ジゼル・サピロ 編 (担当:分担執筆, 範囲:Japon (pp. 477-479))
    CNRS Éditions 2020年11月 (ISBN: 9782271082039)
  • 川口茂雄, 越門勝彦, 三宅岳史編 (担当:分担執筆, 範囲:「レーモン・アロン」「パトリック・シャンパーニュ」「ドミニク・シュナペール」「ルイ・パント」「ディディエ・ファサン」「ピエール・ブルデュー」「ブリュノ・ラトゥール」)
    ミネルヴァ書房 2020年7月
  • 磯 直樹
    法政大学出版局 2020年2月 (ISBN: 9784588151057)
  • 磯直樹 (担当:分担執筆, 範囲:「ピエール・ブルデューの反省性」pp.81-106)
    東信堂 2017年11月 (ISBN: 9784798914589)
  • 磯 直樹, 香川 めい, 森田 次朗, 知念 渉, 相澤 真一 (担当:共訳)
    青弓社 2017年10月
  • 相澤 真一, 磯 直樹 (担当:分担執筆, 範囲:The Principle of Differentiation in Japanese Society and International Knowledge Transfer between Japan and Bourdieu (pp.179-200))
    Anthem Press 2016年8月 (ISBN: 9781783085613)
  • 平子友長, 景井充, 橋本直人, 佐山圭司, 鈴木宗徳 (担当:分担執筆, 範囲:「中範囲の理論」以後の社会学的認識, pp.35-55)
    梓出版社 2016年2月 (ISBN: 9784872622379)
  • 磯直樹 (担当:共著, 範囲:「フランスの社会調査」, pp.728-729)
    丸善出版 2014年1月
  • 磯 直樹 (担当:分担執筆, 範囲:柔道と文化の混淆― パリ郊外の柔道場のフィールドワークから)
    青弓社 2010年

論文

  20

MISC

  11

共同研究・競争的資金等の研究課題

  8

講演・口頭発表等

  39

その他

  4