「研究業績は大学のホームページに掲載していますからResearchmapに登録する必要はありません」
そうおっしゃる先生方は少なくありません。特に、功なり名を遂げた先生方は、ウェブサーバの管理は大学院生が、業績の管理は秘書がしてくれるので、Researchmapなど必要ないとおっしゃいます。
けれども、本当にそうでしょうか。
大学の研究者総覧やホームページからは、大学に在籍している研究者のデータしか掲載しないので、研究室を去らざるを得ないのと同様に、大学のホームページからは研究者のデータは消去されます。研究室のウェブサーバも廃棄されます。そのとき、データは行き場所を失うのです。大量の退職者が集中している今こそ、各分野をリードされてきた先生方のデータをきちんと保存する必要を感じています。
私がそういうことを思うようになったのは、自分が国立情報学研究所に転職してきたその日が、猪瀬博初代所長のご葬儀の日だったからかもしれません。私を採用してくださった猪瀬先生とは、結局、一度もお話をする機会がありませんでした。その後、情報研に異動する前の職場の上司であった嵩忠雄先生も亡くなりました。
Researchmapを構築したときに、お二人の業績データをネット上から探してご遺族の了解をとってお二人のマイポータルを構築したいと考えましたが、先生方の主要業績が集中している頃の業績データをウェブから取得することができず断念せざるを得ませんでした。情報学の巨人であるお二人の研究業績を正確に伝えるサイトが存在しないことは大変残念です。
(情報処理学会が「
コンピュータ博物館」というサイトを構築し、情報学を支えてきた研究者の情報を集約する試みを始めているようです。)
たぶん、この春ご退職される先生方の中にも、研究業績リストがご自身のPCの中と大学ウェブサイトにしかない、という方が少なくないと想像します。ご退職されるご自身は、研究室の引っ越しや送別会などでお忙しくしておいでで、Researchmapに登録することなどお考えが及ばないことと想像します。
いかがでしょうか。大学を去られる恩師の先生方のために、Researchmapのマイポータルをプレゼントしてみては。方法は簡単です。
- 先生から「Researchmapのマイポータルを構築代行の許可」をいただく。できれば、業績データをデジタル的に預かる(※これは必須です。)Researchmapは既約上も、ご本人の了解を得て、代行者がデータを登録することは妨げません。
- 作業用のメールアドレスをGmailなどで取得する。
- KAKENで先生の科研費番号を検索する。
- 新規登録して構築をする。
- 以上で和文論文のうちCiNiiに登録されているデータは入力される。(有名な先生はご本人であっても、弟子や共同研究者の数が多すぎて自身が書いた日本語の書き物の範囲を正確に把握していません。多分、唯一正確に把握しているのはCiNiiです。フィードして差し上げると、「そういえばこういう巻頭言書いたこともあったなぁ」「こんな鼎談したかなぁ」と懐かしがられます。)
- Amazonから先生の著書をフィードする。
- バイオ・ライフ系の場合にはPubmedから論文をフィードする。
- 預かった業績データや大学の研究者総覧データを参照しながら、データを整備する。
- 作業終了後メールアドレスを先生が退職後お使いになるメールアドレスに変更する。
- 使い方の簡単なレクチャー(今後、業績を各種申請書にコピペするための方法や、新規項目を追加する方法など)をし、初期パスワードを変更していただく。
やはり、みなさんお困りになるんですね。ファイル群の扱いやメールをどうするかなどは、どうしてもリアルな問題(研究室の本・最終講義・送別会)に比べると後回しになってしまうようですね。個人サイトはその個人が利用料を払い続けられる間に限定されてしまうことが多いですし、特にURLをキープするのが難しいです(支払いが遅れると、すぐに売り飛ばされる・・・)。
Researchmapを構築するときに、「各研究者が名刺に書くことができ、未来にわたって維持できるURLを提供する」ことは大きな目標のひとつでした。
Researchmapの論文リストには、実際のファイルも添付できるようになりました。(各出版社のポリシーと抵触しない範囲で)ぜひご利用ください。
喜んでいただけて大変嬉しいです。お知らせいただき、ありがとうございました。
「預かった業績データや大学の研究者総覧データを参照しながら、データを整備する。」は、「資料公開」の機能を使うということですね。
ところで、1ヶ月で、産官学の100人ほどの方(20代から60代)まで招待しました。企業の方はDr.か技術士の方です。十数人ご参加いただけました。大学の方の反応がいま一歩でしたが、企業の方は個人業績の掲示が、学会発表など公開情報でも、個人名で集合するのが難しい場合があり、喜んでいただけています。官庁の研究機関でも中小だと情報を上げていないところがあるので、ここをなるべく誘います。Read, e-RADの情報が読み込めると楽なのですが。Niiの情報収集範囲として、日本学術会議が主催している安全工学シンポジウムや日本科学技術連盟が主催している世界ソフトウェア品質会議なども含まれると嬉しいです。文部科学省系の団体が持っている情報は全部集まると、、、
たくさんご招待いただき、ありがとうございます。
企業の方に喜んでいただけたというのは大変嬉しいです。大学の方は、ReaD,Researchmap,大学の研究者総覧とDBが林立しているので二の足を踏んでらっしゃるのではないでしょうか。そこが連携をするときっと参加者が増えると思います。
>Read, e-RADの情報が読み込めると楽
遠からぬ将来にそうなると思います。(ただし、e-Radは申請システムですから、e-Radから情報を読み込むのではなく、逆にResearchmapの情報をe-Radに読み込む、という方向だろうと思いますが。)