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2012/04/01

2011年度卒業論文の題目と要旨

Tweet ThisSend to Facebook | by なべ

2011年度の渡辺ゼミ卒論題目と概要を紹介します.いくつかの卒論は学会発表も予定しています.


非言語情報の音声表現 -視覚表現と論理構造の自然な音声表示-
  • 目的:本研究は、Webページの構造を表す要素である「論理的な構造」、及び文字の装飾である「視覚的な表現」をどのように音声化すればわかりやすいかという問題に焦点を当てた。「論理的な構造」(見出しレベル1、見出しレベル2、引用、リンク、リスト(箇条書き)、リスト(順序))と「視覚的な表現」(大文字、小文字、太字、打消し線、イタリック、赤字)それぞれに対応する自然な音声表現を実験により探り、視覚情報の伝わりやすさ向上に貢献することが目的である。
  • 方法:音声の伝わりやすさを了解度とメンタルワークロードの2つの側面から検証するために、女子大生24人を対象に実験を行った。課題の文章読み上げをNVDAで行い、「論理的な構造」及び「視覚的な表現」に該当する部分は、ソフトウェアを用いて自分達で作成した。「論理的な構造」では、NVDAによる普通の読み上げ、Spearcons、サイン音の3種類、「視覚的な表現」では、NVDAによる普通の読み上げ、Spearcons、サイン音、特徴ある音声の4種類の音声表現を聞かせて課題を回答させた。それぞれの正答率から了解度を測定し、合わせて主観的メンタルワークロードのチェックリストを用いてメンタルワークロードを測定した。
  • 結果:「論理的な構造」においては、速く読まれるSpearconsがサイン音と比べて了解度が有意に高く、メンタルワークロード値も有意に低かった。「視覚的な表現」においては、Spearconsとサイン音が特徴ある音声と比べて了解度が有意に高く、メンタルワークロード値も有意に低かった。
  • 考察:「論理的な構造」においてSpearconsはかなり有効な手段であるといえる。Spearconsは速さが変化しており、他の部分との区別も出来るため、文と混同することがなく良いため、知覚しやすい。また、今回の実験では、ピッチも変化していたため、より分かりやすくなっていたと思われる。「視覚的な表現」においてはSpearconsとサイン音は同程度に良いという結果が出たが、視覚的な表現には「赤字」「太字」「小文字」「大文字」など、似たような言葉が多く紛らわしいため、対応付けしやすい音でサイン音を構成することが最良の手段だと考えられる。今回の実験は晴眼者の女子大生のみで行ったが、視覚障害者の中でも先天的か後天的かなどに分かれるため、今後は、それぞれに適している音を考える必要があるだろう。
  • キーワード:Web、論理構造、視覚的な表現、CSS、合成音声、NVDA、Spearcons、サイン音
高齢者のウェブ利用―情報検索の特性―
  • 目的:高齢者のインターネット利用率が増加している。年齢を重ねてから始めたウェブ利用では、様々な問題が考えられる。効果的、効率的にウェブを利用するには、目的の情報を的確に検索する能力が必要である。そこで、私たちは特定の高齢者3名を対象に、ウェブで検索を行なう際の高齢者の特性を明らかにすることを目的とした。
  • 方法:高齢者3名を対象に調査と実験を行った。調査ではウェブ利用に対するインタビューやウェブ利用の観察を行った。調査で明らかとなった項目を確かめることと高齢者のウェブ利用上の特性を明らかにすることを目的として3種類の実験を行った。実験ⅠではYahoo!とGoogleを用いたカテゴリ検索と検索語検索の比較実験を、実験Ⅱでは目的のサイトを見つけるまでの情報選択過程を明らかにする実験を、実験Ⅲではサイトマップとサイト内検索の有用性の比較実験を行った。
  • 結果:実験の結果、今回の高齢者3人から言えることを記す。実験Ⅰでは、調査で述べていた「GoogleよりYahoo!の方が予め情報が示されているため使いやすい」という被験者の発言は客観的データとしては証明されなかった。主観的にはYahoo!の予め情報のあるカテゴリが使いやすいと述べた。実験Ⅱでは、すぐ目につく情報や教示文にあるキーワードに飛びつき、サイト吟味を行わずクリックする行動が見られた。また適切な検索語入力が困難であるため目的の検索結果を表示させることが難しく、目的に適うサイトか判断に時間を要した。実験Ⅲでは、客観的データはサイト内検索よりもサイトマップ検索の方が好成績だった。一方、主観的評価は、クリックするだけで目的の情報を探すことが出来るサイトマップ検索の方が高かった。
  • 考察:調査と実験から以下が分かった。先行研究の原田の実験結果と一致する項目は、目につく情報やキーワードに反応、画面内変化に気付きにくい、ページ下部を見ない、検索語の改善、エラーの反復、不慣れな事象に対する主体性が無い、記憶、ページ遷移を忘れる、知識やメンタルモデルの不足、検索語の設定が困難、英語や片仮名語が苦手、指マークでリンクの有無を確認、ページ判断に時間を要する、ページの認知が困難、広告の認知、社会的圧力に対する態度、思い込みである。この他に、予測変換の利用、ダブルクリックの多用が見られた。これらから、高齢者が検索する際にシステムがナビゲーションすること、多様なパソコンスキルや経験をもつ高齢者集団の特性をウェブ関係者が理解することが必要であることが分かった。
  • キーワード:高齢者、ウェブ、情報検索、ウェブ利用上の困難さ、ウェブ利用の特性
映画の音声ガイド-視覚障碍者に適切な3D効果の検討-
  • 目的:「より多くの視覚障碍者に3D映画を、ひいては映画をより楽しんでいただくこと」という研究目的を達成するために、「3D映画に対して、視覚障碍者がどのように考えているか調査する」、「3D音声ガイドが有効な映画及びシーンを検討する」という2つの研究課題を設定した。
  • 方法:<研究課題1>3D映画に対する期待や意見を知るために、晴眼者を対象とした質問紙調査と、視覚障碍者を対象としたインタビュー調査を行った。<研究課題2>3D映画における3D効果にとらわれず、音声ガイド自体を聴覚的に3D化するべく、3D音声ガイドが有効な映画及びシーンを検討した。視覚障碍者を対象に、ジャンルが異なる3本の映画を使って、著者らが制作した同一のガイド内容の2D音声ガイドと3D音声ガイドを聞き比べる実験を行った。その後、3D音声ガイドの長所や有効性に関するインタビューを行った。
  • 結果と考察:<研究課題1>インタビュー調査の結果、①3D効果の説明をガイドに追加するよりも、背景や人物の説明をより詳しくする方が、視覚障碍者が求めている理想の音声ガイドに近づく、②効果音と音声ガイドの組み合わせによって、視覚障碍者は迫力や臨場感を感じられるという2点が分かった。<研究課題2>実験の結果、①視覚障碍者の映画鑑賞へのこだわりは、映画のストーリー理解を重視する人々と、映画の音響効果を重視する人々に分類可能である、②映画のストーリー理解を重視する人々は、2D音声ガイドを好み、静かな映画で3D音声ガイドが有効だと考えている、③映画の音響効果を重視する人々は、3D音声ガイドに興味があり、アクションの多い映画で3D音声ガイドが有効だと考えているという3点が分かった。また、3D音声ガイド製作における留意点として、①視覚障碍者が音声ガイドの内容をはっきり聞きとり、理解できるように保障すること、②一定レベル以上の音声ガイドの音質を保障すること、③3D音声ガイドはあくまで人工的な空間情報の演出であると忘れないこと、④ユーザーが2D音声ガイドと3D音声ガイドのどちらで聞くかを選択できるように保障することが必要だと分かった。さらに、今後の課題として、①「3D音声ガイドが有効なシーン」のひとつとして、2人きりの対話のシーンも該当するのではないだろうか、②映画のみならず、スポーツ中継でも3D音声ガイドが有効ではないだろうかという2点が挙げられる。今後も学生の立場なりに音声ガイドの研究を継続することで、音声ガイドの発展及び普及、そして視覚障碍者の楽しみの手助けとなることを期待したい。
  • キーワード:視覚障碍者、視覚障害者、映画、音声ガイド、3D、音源定位
ウェブアクセシビリティ評価ツールの性能向上 ―miCheckerによる適切な評価方法―
  • 目的:本論は「ウェブアクセシビリティ評価ツールの性能向上」をテーマにしている。ウェブアクセシビリティ評価ツール「miChecker」の評価方法の問題点を明らかにし、ユーザの使用実感とmiCheckerの減点方法の不一致を改善することで、より適切なウェブページのアクセシビリティ評価手法を検討することを目的としている。
  • 方法・結果:
    1. 地方自治体、省庁、女子大学のウェブサイトに対しmiCheckerでアクセシビリティ評価を行い、miCheckerの現状の減点方法の確認及びその減点方法の問題点の追及をした。さらに、ユーザの使用実感との一致を見るために、スクリーンリーダーNVDAでウェブサイトを読み上げ、miCheckerと一致しているかを調べた。その結果、miCheckerはエラーごとに減点方法を工夫しているが、1ページに同一のエラーが多い場合は、評価が著しく低下していることが分かった。
    2. EUのUWEM 1.2coreに基づいたアクセシビリティスコアを算出し、miCheckerの減点方法と比較した。その結果、エラーの程度を考慮していないが、全体の要素数を考慮しているUWEM 1.2coreによる評価とmiCheckerの間には強い相関が見られた。
    3. ユーザの使用実感との一致度を見るために、著者がNVDAで評価した結果を得点化し、自動評価ツールmiCheckerとの関連性について調査した。その結果、中程度の正の相関が見られた。
    4. ユーザの使用実感とmiCheckerの評価結果を近づける適切な減点方法を検討した。全体の要素数を考慮する方法や同一エラーを反復してカウントする上限を設ける方法を適用した結果、減点方法を工夫する前よりも高い相関が見られた。
  • 考察:miCheckerの評価方法改善のためには、同一のエラーの多い場合に著しい減点が生じる問題を解消することが必要である。そのためには、全体の要素数を考慮する、もしくは同一エラーを反復してカウントする上限を設けることが有効的であることがわかった。また、ウェブサイトを評価する際には、まずmiCheckerで自動評価した後に、ヒューリスティック評価を行うのが効率的だと分かった。
  • キーワード:アクセシビリティ、JIS X 8341-3:2010、miChecker、NVDA、UWEM 1.2core
音楽環境が作業効率に及ぼす影響 ―好きという感情と作業効率の関係―
  • 問題意識:オフィスワーク中心となった現代の労働環境では、オフィスワーカーの健康を維持し、作業効率を改善する快適な労働環境の構築が重要である。そこで本研究では環境構築要素として聴覚刺激に着目し、作業をするに最適な音楽環境を調査することにした。
  • 目的:本研究では作業者の疲労を軽減し、作業効率を向上させる音楽環境を調査することを目的としている。好きという感情は作業効率を向上させるのか、リラックスしていると作業効率が向上するのか、音楽環境が作業者の心理に作用するか、好きであると同時にリラックスできると感じた音楽はリラックス効果を持ち作業効率を向上させるのか、不快であるという印象を持った場合に作業効率は低下するのか、作業効率を向上させる音楽として好きな音楽は普段聴く音楽であるか、という点に着目して実験を実施した。
  • 方法:被験者には著者が用意した無音、ヒーリング、クラシック、女性ポップス、男性ポップス、ハードロックの6つの音刺激を聴きながら課題を行った。STAI法アンケートによって被験者の不安度とリラックス度を、SD法によって音刺激に対する好感度とリラックス度を調べた。またアンケートとインタビューを実施することでSTAIやSD法によって得られた結果が生まれた、作業者の行動の実態を調査した。
  • 結果:実験の結果、音楽が作業者のリラックス度を増減すること、音楽環境に対する印象やストレスの度合いが作業効率に影響することがわかり、好感とリラックスに加え、単調と複雑の均衡という全ての要素を満たした音楽が作業効率を向上させることが明らかになった。また音楽を好きだという感情は、作業時のBGMに対するものであることがわかった。
  • 考察:快適な作業環境を構築するために必要な条件は、音楽を流すこと、選曲の際は「好感」「リラックス」「単調及び複雑」という3つの印象を全て満たす音楽を選ぶこと、音楽は作業者が普段は聴かないようなジャンルの音楽を選ぶことであることが判明し、そのような音楽は本研究では「クラシック」「男性ポップス」であった。この2つの音楽は作業効率が向上し、「ハードロック」は作業効率が低下していた。しかしリラックス音楽である「ヒーリング」に関しては、ストレスを感じにくい音刺激であるという結果が出たにも関わらず正答率は「女性ポップス」とほぼ同じであり、「ヒーリング」と同様に「リラックス」ができると判定された「クラシック」や「男性ポップス」に比べると正答率は低かった。これにより、作業効率を向上させる音楽環境は、一概にリラックス音楽といはいえないと考えられる。
  • キーワード:好き 音楽 STAI不安特性 リラックス SD法 作業効率 集中力
ウェブのユーザ体験 -料理サイトにおける文字・写真・動画の効果-
  • 問題意識:ユーザが製品やサービスを利用する際、使い易さのみならず、ユーザの利用意欲を駆り立てる楽しさが必要である。さらに本研究では、ユーザが使いたいと思うウェブサイトを制作するためには、理解度も重要なのではないかと考えた。ユーザビリティに配慮された使い易さに加えて、適当な要素を効果的に使用した理解度の高いウェブサイトを制作してこそ、ユーザが楽しいと感じることができるのではないか。
  • 目的:本研究では、実用性が重視される料理レシピサイトにおいて、文字、写真、動画が理解度に与える影響を明らかにしていくことが目的である。被験者を料理の初心者と熟練者に分類し、上記の影響をより詳しく調べる。また、ユーザビリティと理解度と楽しさの関連性についても検討する。
  • 方法:3種類の料理レシピごとに、文字、写真、動画の3要素を用いた3サイトを制作し、計9つのサイトを準備する。3要素の中から1つのサイトを閲覧した後、タスクに取り組んでもらい、その後、アンケートとインタビューに答えてもらった。
  • 結果:サイトを閲覧しながら解答する場合、文字のサイトのタスク達成時間は短く、動画のサイトは長いことがわかった。タスク正答数は、サイトを閲覧しながら解答する場合、文字のサイトが最も高く、写真のサイトが最も低かった。またSD法では、文字のサイトは「暗い、退屈な」という印象が強かったが、写真と動画のサイトは、それぞれ「面白い、楽しい」という印象を受けていることがわかった。次にユーザビリティチェックを行った結果、写真と動画それぞれのサイトが全体的に高得点で、文字のサイトは全ての項目において低い得点となった。最後に料理の初心者と熟練者を比較したところ、初心者は熟練者に比べ、タスク達成時間が長くなった。またサイトを閲覧せずに解答する場合、初心者は熟練者よりもタスク正答数が低かった。
  • 考察:文字、写真、動画のどの要素についてもユーザビリティと理解と楽しさには少なからず関係性があるが、被験者の主観評価と客観評価による結果の違いなどから、必ずしも「使い易さ+理解=楽しさ」という関係が成り立つわけではないことがわかった。また、文字の効果は情報を正確に伝えること、写真の効果はサイトの構造が整った印象や楽しさを与えること、動画の効果はより詳しい情報や楽しさを与えることがわかった。
  • キーワード:料理、文字、写真、動画、ユーザビリティ、理解、楽しさ、ユーザ体験
災害時の情報アクセシビリティ -地元新聞における大震災情報の変移―
  • 目的:本論は、「災害時の情報アクセシビリティ」をテーマにしている。この論文では、福島民報新聞において(1)東日本大震災について、時間が経過するごとに新聞にはどのような情報が出てきたのか、(2)(1)から、東日本大震災について新聞はどのような情報をどれだけ取り上げているのか、を明らかにしようとしている。東日本大震災発生時福島県にいた著者や著者の家族が生活に必要な情報を得るにはローカルな情報源として新聞が最も役に立った、と感じたことが研究のきっかけであった。このことから、被災者が災害時にもアクセスすることのできたメディアが新聞であったと考え、新聞の調査をするに至った。
  • 方法:本研究では、上記の目的のために、2011年3月12日(土)から2011年3月31日(木)分と2011年4月4日(月)から2011年10月31日(月)の毎週月曜日分の福島民報新聞を対象として、東日本大震災に関する情報の内容分析を行った。調査対象を「県内・総合」「社会」面に絞り、それぞれの記事を、新聞を読んで出てくるものをピックアップし独自に設定したカテゴリーに振り分けていった。設定したカテゴリーは、「福島第一原発、地震、津波、死者・不明者、政治、支援、企業、被害、ライフライン、救助・捜索、物資、医療、避難、教育、生活情報、交通、健康、住宅、復旧・復興、風評被害、放射線、治安維持、ストレス、震災孤児、東電対応、犯罪、がれき処理、補償・賠償、ケア、情報提供、感謝、雇用、廃棄物」の33個である。
  • 結果:設定したカテゴリーの中で3月12日と3月27日の2日以外は、すべての日において「福島第一原発」カテゴリーが第1位の記事数であった。3月12日は東日本大震災の起こった翌日であることから被害の状況を伝える記事が多く、「被害」カテゴリーの記事数が最も多くなった。3月27日に最も多い記事数だったのは「避難」カテゴリーであった。
  • 考察:以上の調査結果を検討し、「避難」と「放射線」の両カテゴリーは、「福島第一原発」の動きに応じて記事数が増加したり減少したりするのではないか、また「福島第一原発」のカテゴリー自体は水素爆発などのイベントや人々の注目を引くような出来事の存在、被害の拡大によって、記事数が一気に増加するのではないだろうかと結論付けた。また、新聞というメディアの強みである一覧性が最も発揮されたのは「生活情報」カテゴリーにおいてではないかと考えた。東日本大震災において広い範囲で起こった停電の影響を受けてもアクセスすることの可能だったのが新聞であり、かつ生活に必要な情報を一目で探すことが可能なメディアだからである。
  • キーワード:東日本大震災、新聞、内容分析
ウェブサイト制作ツールのアクセシビリティとユーザビリティ ―Microsoft Expression Web4の調査―
  • 問題意識:オーサリングツールがアクセシビリティ向上をサポートする機能を持ち合わせていれば、アクセシブルなページを制作できる。アクセシビリティに関する知識やHTML、CSS の詳しい知識のない初心者には、特にオーサリングツールの役割が重要であると考えられるため、初心者用オーサリングツールを用いてアクセシブルなページが制作できるかどうか調べることが必要である。
  • 目的:本研究では、初心者用オーサリングツールとして、Microsoft社のExpression Web4に焦点を当て、Expression Web4によって作成されるウェブサイトのアクセシビリティを調査することを目的とした。
  • 方法:調査1としてAuthoring Tool Accessibility Guidelines 2.0 Working Draftを使ってExpression Web4のアクセシビリティを調べた。そして調査2として、Web制作初心者がExpression Web4を用いてアクセシブルなページを制作できるかどうかを調べた。最後に、Expression Web4の初心者用マニュアルの作成を行った。
  • 結果:

    調査1からExpression Web4は、イメージ要素以外の非テキストコンテンツにもアクセシブルなコンテンツを制作するための機能をつけることが必要であることが分かった。またATAG 2.0 Working Draft チェックリストでの、具体的な違反例として

    • アクセシビリティレポートで利用できるWCAGは、現在使うべき最新版のWCAG 2.0ではなくWCAG 1.0しか使用できない
    • ウェブサイトを公開する前に自動でチェックする機能がない
    • アクセシブルなコンテンツ制作を支援する機能の説明が文章化されていない

    など様々な違反例があり、この違反例を直し、ATAG 2.0 Working Draft チェックリストに適合するようなオーサリングツールにすることが必要である、と言える。

    また調査2からサイト制作の際のエラー(新規作成で日本語設定のウェブページを作成した場合でも、lang属性が自動的に挿入されない)を直すことが必要であることが分かった。

  • 考察:結果から得られた違反やエラーを直すべきであるが、調査2から初心者であってもMicrosoft Expression Web4を使用するとアクセシブルなサイトを制作することが出来るという結果が出たため、著者が作成したようなExpression Web4の初心者用マニュアルを作成すれば、初心者がアクセシビリティに関する知識を持っていなくても、またそれを得る努力をしなくても、ウェブスタンダードに則したアクセシビリティの高いページを作成できる。かつ、ページを楽しく容易に作成することができるだろう。
  • キーワード:アクセシビリティ、オーサリングツール、ATAG 2.0 Working Draft、初心者、Microsoft Expression Web4

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