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2010/05/11

「ペリオ敦煌図録解説」をオープンしました

Tweet ThisSend to Facebook | by kitamoto
ペリオ敦煌図録解説をオープンしました。



このサイトは、かの有名な中国・敦煌の莫高窟に関するポール・ペリオの調査(蔵経洞の写真)をまとめたペリオ敦煌図録に対して、敦煌研究院などの専門家が執筆した解説をリンクしたものです。中国語のテキストという点もあって、一部の専門家でないと価値がよくわからないコンテンツかもしれません。少なくとも専門外の私にとっては豚に真珠(?)という感もありますが、少なくとも専門家にとっては有用な資料集だと思っています。

さて、私としてこのサイトで興味があるのは、テキストそのものというよりは、こうした形態での学術出版の可能性です。このサイトでは、すべての解説は「東洋文庫所蔵」貴重書デジタルアーカイブという電子書籍や、中国石窟データベースというデータベースと、個々の項目レベルで密接に結びついています。もともとの紙の資料集と比べてウェブ版は使い勝手が大幅に向上しており、このケースでは研究成果のウェブ出版には大きなメリットがあるといえます。

データベースと密接に結びついた学術出版は、こうした資料集のほかにもいろいろ考えられます。ある物質に関する実験結果、ある場所に関する調査記録、ある概念に関するエッセイ。様々な種類のテキストが構造化されてデータベースと密接に結びついた形態は、今後の学術出版の一つの方向性となるでしょう。そう考えたとき、現在のいわゆる「論文」というフォーマットは、学術出版の形態としてどこまで有効性を保てるのでしょうか。それとも、もっと別のフォーマットがありうるのでしょうか?

ところで、わざわざ論文という形に整えたものを後から項目ごとにバラバラにして整理するぐらいなら、最初から「マイクロ論文」のように細かい単位で知見を積み重ねていくほうが、データベースとの親和性はよくなる気もします。140文字のツイッターが流行していますが、論文の世界にもマイクロ化は広がっていくでしょうか?
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