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2011/09/27

津波の高さとその怖さを伝えるには

Tweet ThisSend to Facebook | by kitamoto
9月26日は伊勢湾台風が1959年に上陸してから52年目の日でした。50周年だった2009年に大々的なイベントをやって以来、あまり話題にもならなくなりましたが、未だに第二次大戦後の日本では最大の風水害であることは忘れてはなりません。その名古屋では、先日の台風15号でも川の氾濫で被害が出たことは記憶に新しいところです。

その2009年、我々は伊勢湾台風メモリーズ2009というイベントを開催して、高潮の怖さを人々に伝えようと試みました。このイベントについては、以下の記事で以前に紹介しました。


基本的なアイデアは「高潮を実寸大で投影することによって、高潮の水位を実感できるようにしよう」というものでした。以下はバーチャル版を使って生成した、高潮の水位(4.55メートル)と人間の身長(180センチメートル)との比較画像です。



「4.55メートルの水位」というのを文字で見るのと、その水位が目の前で上がっていく様子を見るのとでは、感じ方は全く異なりました。自分の身長をはるかに越えて上昇していく水位を見て、ああこの波に飲まれたら助からないなと実感した人も多かったのです。

そして今年の3月。東日本大震災の津波映像を見ながら、私はこのイベントのことを思い出していました。津波の高さは伊勢湾台風の高潮をはるかに越えており、場所によっては15メートルや20メートルに達していました(なお遡上高は40メートルですがこれは津波の高さとは異なります)。そして東日本大震災の被災地を訪ねるでも書いたように、実際に現地に行って津波の影響を見たとき、この怖さをどうやって伝えていけばよいのだろうと考えさせられました。

もちろん15メートルや20メートルの壁があれば、伊勢湾台風メモリーズ2009と同じ仕組みで実寸大の津波を投影し、その高さを実感することはできます。しかし15メートルや20メートルというレベルの高さになってしまうと、もはやそれは自分の身長に比べてあまりに高すぎるので、「うわ、高い」という感想しか出てこないような気もします。それが果たして有効な方法なのか、どうも自分でもよくわからなくなりました。

津波の怖さは水位だけでなく、他の情報も使って伝えていく必要があるでしょう。今の時点で特によいアイデアがあるわけではないのですが、これから考えていかねばならないと思っています。
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