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2011/06/02

「みんなの公共サイト運用モデル改定版」関連の説明

Tweet ThisSend to Facebook | by:なべ
  • 注1:外部サイトにリンクしている資料は全て別ウィンドウで開きます.
  • 注2:Researchmapページ先頭に埋め込まれている「音声ブラウザ対応ページ」へのリンクは,僕の環境ではパースエラーになります.なお,最初のh4見出しがこの記事の見出しに相当するようです.

 

総務省で昨年度実施された取り組みの成果として,「みんなの公共サイト運用モデル改定版(2010年度)」と「みんなのアクセシビリティ評価ツール (miChecker)」が総務省のサイトで公開されました.しかし,両者の関係やJIS X 8341-3:2010との関係,運用モデルや評価ツールの意図などがわかりにくいかもしれないので,簡単に解説します.

 

まず,2004年のJIS公示から今回の運用モデル改訂版や評価ツール公開に至るまでの経緯を時系列で説明します.

  1. 2004年6月に日本初のウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドラインである「JIS X 8341-3 高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ」が公示されました.
  2. 公共分野,つまり国・地方公共団体等,はJISを尊重することが求められています.そこで総務省で「みんなの公共サイト運用モデル」が作成され,特に地方自治体のウェブサイトがJIS X 8341-3に準拠して作成できるようにする取り組みが行われました.
  3. その後,2009年12月に,W3CでWCAG 2.0が勧告になりました.(WCAG 2.0の策定には日本も参加していたので,日本でも適用できるガイドラインとなっていました.)
  4. 2009年度にJIS改正版の開発が行われ,2010年8月にJIS X 8341-3:2010が公示されました.この規格はWCAG 2.0と国際協調しているなど,2004年版にない新しい特徴を持っています.(詳細は「JIS X 8341-3:2010 解説」参照)
  5. JIS改正版の理解と普及を促進するため,我々はWAIC(ウェブアクセシビリティ基盤委員会)情報通信アクセス協議会に設立しました.WAICは,「JIS X 8341-3:2010の理解と普及を促進するため、改正原案作成メンバー、関連企業、関連省庁、利用者が集まって、JIS改正版を実装する際に必要な情報、JIS改正版に沿った試験や適合性評価を行う際に必要な情報など、ウェブサイト作成と評価(試験)の事実上の基準となるベースラインを築いていくこと」を目指しており,委員会の下に,WG1(理解と普及),WG2(実装),WG3(試験)の3つのワーキンググループを持っています.
  6. WAICでは,WCAG関連文書の和訳として「WCAG 2.0」,「WCAG 2.0解説」,「WCAG 2.0実装方法集」を公開すると共に,JIS改正版の実装と試験に役立てるため,下記文書を公開しました.
  7. JISの公示に合わせてWAICで各種資料が作成・公開されたのと同時に,総務省では,以下2つの活動が行われました.
    • みんなの公共サイト運用モデルの改定に関する研究会」:2004年度版JISに対応した運用モデルの経験を元に,1) 地方公共団体がウェブアクセシビリティ向上のために実施すべき取り組みを明示する,2) 地方公共団体の職員が理解し活用しやすい構成・内容にする,3) JIS改正版に基づいた対応が促進されるようにJIS改正版及び(WAICが公開している)関連文書と連携した内容とする,ことを目的として,「みんなの公共サイト運用モデル改定版(2010年度)」が作成されました.
    • ウェブアクセシビリティ評価手法確立のための有識者会議」:ウェブアクセシビリティ評価に必要な手法を調査した上で,評価手法の実現方法の検討及び有効性の確認を行い,利便性が高く実際に広く利用される評価手法を確立することにより,国,地方公共団体等におけるウェブアクセシビリティ評価の取組を促進することをが目的です.その成果の一つとして,Eclipseでオープンソースとして開発されていた評価ツールACTF aDesignerを改良した「みんなのアクセシビリティ評価ツール (miChecker)」が公開されました.

ここで重要なことは,1)両者はお互いに関連して開発されている(つまり,運用モデル改訂版で利用できる評価ツールの例として評価ツールが公開されている),2)WAICが公開している上記資料(試験実施ガイドライン,対応度表記ガイドライン,WCAG 2.0解説書,WCAG 2.0実装方法集,実装チェックリストなど)を活用する形で運用モデル改訂版や評価ツールが開発されていることです.つまり,公共分野においては,スタンダードとしてのJIS X 8341-3:2010,その利用と普及を図るためにWAICが作成した資料やガイドライン,それらを活用して地方公共団体の担当者が取り組む方法を示した運用モデル改訂版,と積み上がった構造になっていることに注意してください.

 

みんなの公共サイト運用モデル改定版(2010年度)では,「ウェブアクセシビリティ対応の手引き(PDF)」が最初に読むべき文書です.(これを簡単にまとめたというか地方公共団体の担当者が上司に見せるときに役立つ資料が「ウェブアクセシビリティ対応の手引き_概要版(PDF)」.)手引きから参照される附属資料として 「附属資料1:ウェブアクセシビリティ方針策定・公開の手順書(PDF)」,「附属資料2:外部発注におけるアクセシビリティ確保手順書(PDF)」,「附属資料3:高齢者・障害者のホームページ利用確認ガイド(PDF)」があります.

 

みんなのアクセシビリティ評価ツール (miChecker)のサイトからZIPファイルをダウンロードして解凍すると,「miChecker」フォルダーにプログラム本体が,「2_手順書」フォルダーに,利用ガイド,達成基準別活用法,試験手順書,ワークシートが作成されます.まずは,解凍された「miChecker_v1」フォルダー直下にある「1_miChecker紹介(PDF)」に目を通してください.次に,「2_手順書」フォルダーにある「利用ガイド(PDF)」を読んでください.「利用ガイド」には,このツールを用いたアクセシビリティ検証の方法,JISに対応した達成基準チェックリストの作り方(実装チェックリストとワークシートの利用方法)などが解説されています.

 

大震災の影響もあって総務省のサイトは未完成ですが,昨年度の2つの成果を一般公開すると共に地方公共団体への適用を進めていくために,現在の形でサイトに情報が掲載されているのだろうと思います.新旧の情報が混在していたり,必要な情報が欠けていたりしているようですが,追って改善されることを切に期待しています.


14:45 | Impressed! | Voted(0) | Comment(1) | アクセシビリティ
Comment
なべ2011/06/03 15:12:36
Resarchmapの記事にコメントできるのは,Researchmapに登録している研究者だけだということに先ほど気づきました.

申し訳ございませんが,それ以外の方は,6月2日16時44分にTwitterに投稿した下記記事にQTしてください.
http://twitter.com/nabe33/status/76192424589930497