基本情報

所属
明星大学 理工学部 総合理工学科 電気電子工学系 教授
学位
Doctor of Engineering(Kyoto Institute of Technology)

J-GLOBAL ID
200901017992123581
researchmap会員ID
1000273932

外部リンク

学位取得まで京都工芸繊維大学に在籍し、磁性体材料を伝搬する電磁波の数値解析手法に関して研究した。 新規性は磁気モーメントの非線形項を全て含んだ定式化にあり、この特徴により市販のシミュレーターでは解析できない非線形ジャイロ磁気特性を利用した素子(マイクロ波ミキサー)の提案と解析を行った。
2001年に大阪工業大学に専任講師として着任。博士課程中に開発した数値計算プログラムを3次元に拡張、磁性体の非線形特性によるダイレクトコンバージョンや伝送特性をレーザー光で制御できるアイソレーター、伝送特性を電圧制御できるアイソレーター等を精力的に発表した。更に静磁波共振回路を用いた磁気同調可能なマイクロ波受信回路の研究も行った。研究の発展と共に研究室も充実し、指導学生がマイクロ波の分野では難関のIMS (国際マイクロ波シンポジウム)やアジア太平洋マイクロ波会議(APMC)に論文発表するまでに至った。学部生27名, 院生(修士)4名の研究指導を担当。2006年3月退職。
2005年10月に(株)国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の客員研究員に着任、その後2006年4月より専任研究員となった。ここではNICTの委託研究課題である 60GHz無線LAN向けGaAs モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)を設計する業務に従事した。HFSS, ADS等の市販のシミュレーターにより構造を徹底的にシミュレート・最適化した上で最終データを確定し、これをファウンダリサービスに送り、仕上がったチップの評価全般を行った。この得難い体験により、修正無しの一回試作で所望の動作を得るコツを得る事ができた。この内容についてはNDAに基づく業務であり、論文発表を殆ど行っていない。これと並行して総務省の委託研究である高効率増幅器の開発を行った 。近年のデジタル通信システムにおける変調方式は振幅と位相両面の直線性が重要となるが、この必要性を満たしつつ高効率な電力増幅器を提案し、試作を行った。 2007年12月退職。
2008年、モントリオール理工科大学工学部電気工学科の助教に着任。Christophe Caloz教授の研究グループに加わり以下の4つのテーマに関わった。
(1)メタマテリアルの考え方に基づくマイクロ波アンテナの研究
メタマテリアルの応答として知られる左手右手複合応答を伝搬方向に完全に均一なフェライト開口導波路により実現した。均一導波路ゆえに設計/作成は簡単であり、更に非可逆性をしめすことから、これをデュアルバンドアンテナ、デュプレクサ・ダイプレクサ複合アンテナ、低姿勢モノポールアンテナへ応用した。この成果に対して
2010 IEEE MTT-S Japan/Kansai Chapters Young Engineer Award
2010 Michiyuki Uenohara Memorial Award
を受賞した。
(2) 磁性体ナノワイヤとミリ波デバイスへの応用
バルクでは導体の磁性体をスキンデプス以下の直径を持つナノワイヤとすることで電流損を減少させ 、更に適切な磁性体材料を選ぶことで極めて高い飽和磁化を有する材料を作成できる[28]。特に磁気飽和していないナノワイヤは磁気共鳴点を2点持つ事を明らかにし、この材料を非可逆デバイス、更にアンテナ等のミリ波デバイスへと応用した。
(3) 電磁境界条件の人工的創出に関係する関する研究
完全電気磁気導体(PEMC)を世界で初めて実現し、2009年のヨーロッパマイクロ波会議において
The 39th European Microwave Conference Young Engineers Prize 2009
を受賞した。この結果は導波路やアンテナの大幅な小型化に応用可能である。
(4) 電磁メタマテリアルに関係する論文
フェライトのジャイロ磁気特性により主に「電磁波ハーフミラー」の研究を行った。擾乱からの設備保護に有効な技術である。
グループの一員として主にPh. Dコース3名、修士学生1名の研究の助言ならびに指導を行った。2010年2月末に退職。

2010年3月に山口大学大学院理工学研究科に有期雇用講師(雇用契約更新無、期間雇用)として着任の後、4年の契約満了と共に退職。
2014年4月に明星大学理工学部に着任、現在モントリオール理工科大学との共同研究体制の元、ジャイロ磁気特性の人工的創出に関する研究を行う。この研究はフェライト材料のマイクロ波に対する応答のメタマテリアル的アプローチに基づく人工的実現に関する研究であり、1940年代より多くの研究者により蓄積されてきたマイクロ波フェライトデバイスの叡智を更に飛躍させる可能性を持つ技術である。

研究キーワード

  2

受賞

  5

論文

  50

MISC

  37

講演・口頭発表等

  24

所属学協会

  2

共同研究・競争的資金等の研究課題

  7