Profile Information

Degree
医学博士(横浜市立大学大学院)

J-GLOBAL ID
201901000310246854
researchmap Member ID
B000350003

<研究テーマ>

1,骨のバイオメカニクス

CTやMRI画像データをもとにした3次元画像解析を主に行っています。
CTやMRI画像から骨やインプラントの立体モデルを構築することで、単純レントゲンなどの2次元の画像よりも詳細な解析を行うことができます。また、コンピューター上でそれらの立体モデルに物質特性(強度やしなりやすさなど)を設定することで、骨そのものや、インプラントを設置した骨に外部から力が加わったときの挙動をシミュレーションすることができます。

有限要素解析では、人工股関節全置換術において、セメントレスステム設置後の大腿骨における応力分布と、術後の大腿骨骨密度変化についての研究を行っています。
人工股関節全置換術は、変形性股関節症の患者さんの疼痛を緩和し、機能を改善するすぐれた手術です。しかし、大腿骨に金属製のインプラントを設置した場合、大腿骨に伝わるはずの体重や運動による負荷が、金属製のインプラントに偏って伝わってしまい、インプラント周辺の骨が廃用性萎縮を起こすという問題があります。実際の患者さんにおける影響についても研究途上ですが、この廃用性の骨萎縮をなるべく少なくするインプラントの開発が行われています。本研究はこのようなインプラント開発に資するものです。
(https://doi.org/10.1302/2046-3758.59.2000525)
(https://doi.org/10.1016/j.arth.2016.02.009)

また、臼蓋大腿インピンジメント(Femoro-acetabular impingement)という病態において、大腿骨頚部の一部の骨を削る手術が行われています。(osteochondroplasty) 体重を支える骨である大腿骨の一部を削る手術を行った後には、当然骨の強度が落ちます。かなり少ない(0.1-1.8%) 頻度ですが、術後に骨折を起こすことがあります。
インピンジメントを起こす骨の形態は各個人によって異なり、また骨を削る範囲や量も異なるため、骨折リスクについても個人個人で異なるリスクがあると考えられます。このような問題に対し、個々の患者の術前後のCT画像から骨の3Dモデルを構築し、有限要素解析を行って骨切削が骨強度に与える影響について研究しました。
(https://doi.org/10.1016/j.arthro.2018.03.036)

また、骨の切削部位の形状について、既存の方法以上に精密に計測する手法を開発しました。

(DOI:10.1177/03635465221074338)

今後この手法を応用し、どこをどのくらい削れば、強度を保ちつつ十分な切削ができるかについて、さらに詳細な検討を計画しています。

 


2,骨の3次元形態解析

CTやMRIで得られた骨のスライス画像を用いて3次元モデルを構築する為のソフトウェアは、通常の病院のPACSシステムなどにも組み込まれて広く普及しています。しかし、画像構築の際にアーティファクトや不要な骨を取り除くなどの際の技術を習得する時間がかかることと、インストールされた端末が病院内の限られた場所にあるなどで一般の医師にはハードルが高いものとなっています。
オープンソースソフトウェア(OSS)であるHoros (https://github.com/horosproject/horos)や3D slicer(https://www.slicer.org/) を使用することで、一般の医師も手元のPCで3次元画像再構築を行うことができます。
このようなOSSの利用による画像解析技術を研究することで、敷居が高いと思われがちな3次元画像解析の裾野を広げることに取り組んでいます。
(Open Source software を用いた人工膝関節全置換術後脛骨側インプラント設置の 3 次元的解析 第13回 日本CAOS研究会 2019年3月7日 )
(Analysis of tibial component coverage and rotation following total knee arthroplasty using open source software. 2019 ORS Annual Meeting. Austin, TX Poster.)
(POSTSURGICAL ACCURACY EVALUATION OF COMPUTER-AIDED ARTHROSCOPIC CAM RESECTION FOR FEMOROACETABULAR IMPINGEMENT USING 3D MODEL COMPARISON METHOD. 2016 CAOS International. Osaka Japan. Podium.)

 

この方法で作成された骨の3Dモデルは、PCの画面で確認すること以外に、3Dプリンターで出力し、実際の患者さんの骨の形状と大きさを再現した骨モデルとして実体化することができます。

これを応用し、複雑な下肢変形の矯正骨切り術を行ったケースについて、英文のケースレポートにまとめました。

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/24699322.2022.2086485

 

 


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