本山秀明

J-GLOBALへ         更新日: 16/11/21 16:17
 
アバター
研究者氏名
本山秀明
 
モトヤマ ヒデアキ
ハンドル
motoyama
URL
http://kaken.nii.ac.jp/ja/r/20210099
所属
国立極地研究所
部署
国立極地研究所 研究教育系気水圏研究グループ、アイスコア研究センター、南極観測センター
職名
教授、気水圏研究グループ長、先進プロジェクト研究グループ長
学位
理学博士、1988年(北海道大学)
その他の所属
総合研究大学院大学

プロフィール

研究課題と活動状況: 1.国内の季節積雪地帯の融雪・流出過程に関する研究とアジア高山域の水循環に関する研究

 北海道母子里流域での気象・水文観測に基づき、流域融雪過程に熱収支法、流出過程にタンクモデルを適用し、厳冬期から融雪期の水循環機構の研究および融雪流出の予測を行った。さらに、降水量と気温から積雪深変化を再現する方法を考案した。国内での観測・研究と平行し、ネパールヒマラヤのランタン氷河流域において通年の水文・気象観測をおこない、氷河流域での水循環を明らかにした。通年の観測をもとに、氷河流域全体の融雪・流出モデルを作成した。

2.極域の水循環に関する研究

 地球規模雪氷圏の水循環解明を中心に研究を進めてきた。両極で浅層及び/深層掘削コアを採取し、コア解析から古環境情報を持つシグナルを抽出することや氷床形成機構の研究も行っている。また降雪中に含まれる不純物が積雪中へ変質しながら取り込まれる過程に注目して研究している。すなわち北極ではスバールバル北東島氷河のコア掘削から過去600年間の気候・環境変動の復元と、北極域の様々な地点での観測から現在の堆積環境を明らかにした。南極では沿岸からドームふじ基地まで1000kmの輸送ルート沿いに質量収支観測や積雪サンプリングによる氷床への物質輸送研究を行った。またドームふじ基地での降雪や積雪の通年観測を実施し、気候・環境シグナルが氷床内に保存される過程を研究することで、コア解析から得られる見かけのデータから、元の気候・環境シグナルを抽出することを目指している。

3.雪氷コア掘削技術の進展と掘削活動

 極域における過去数千年から数百年の気候・環境変動を解明するための100-200m級の浅層掘削は、北極スバールバル北東島(1995、1999)、南極内陸域ドームふじ基地(1994、1997、2001)、ドーム近傍(2010、2011)及びドーム南地点(1997)、中流域MD364地点(2001)及びYM85地点(2002)で実施した。深層コア掘削はグリーンランドでNGRIP計画に参加し(1996、1999、2003)、掘削を担当するとともに掘削技術を高めた。ドームふじでの深層掘削に関しては、セールロンダーネ山地氷河テスト掘削(1990)、グリーンランドでの実験(1991)、パイロット孔掘削とケーシング(1993)、越冬してのドリル回収作業(1997)、第2期パイロット孔掘削とケーシング(2001)と続き、氷床全層掘削を目指して2003/2004から2006/2007の4シーズンで3035.22mまでの深層掘削に成功した。

4.氷床コア研究
 極域の氷床コア研究や雪氷観測から数100年~数十万年前までの気候・環境変動の復元やその変動気候についての研究を進めている。

極域観測歴:
昭和57年8月~11月:ネパールヒマラヤ学術調査
昭和61年2月~5月:ネパールヒマラヤ学術調査
昭和62年8月:ネパールヒマラヤ学術調査
昭和63年5月:アラスカ永久凍土帯での融雪調査南極歴
平成 元年11月~平成 2年3月:第31次日本南極地域観測隊員
平成3年6月~7月:グリーンランド氷床掘削
平成 4年11月~平成 6年3月:第34次日本南極地域観測隊員
平成6年8月~9月:スバールバル雪氷調査
平成7年5月~6月:スバールバル北東島氷河掘削
平成8年7月~8月:北グリーンランド氷床掘削
平成 8年11月~平成10年3月:第38次日本南極地域観測隊員
平成11年4月~6月:スバールバル北東島氷河掘削
平成11年6月~8月:北グリーンランド氷床掘削
平成12年11月~平成14年3月:第42次日本南極地域観測隊員
平成15年6月:北グリーンランド氷床掘削
平成15月11月~平成16年2月:第45次日本南極地域観測隊員(副隊長)
平成16年11月~平成17年2月:第46次日本南極地域観測隊員(副隊長)
平成17年10月~平成18年2月:第47次日本南極地域観測隊員(副隊長)
平成18年11月~平成19年2月:第48次日本南極地域観測隊員(副隊長)
平成19年7月:グリーンランド氷河調査
平成21年11月~平成22年3月:第51次日本南極地域観測隊員
平成22年11月~平成23年3月:第52次日本南極地域観測隊員
平成23年7月~8月:グリーンランド氷河調査
平成24年11月~平成25年2月:第54次日本南極地域観測隊員
平成26年4月~6月:グリーンランド氷河調査
平成27年12月~平成28年3月:第57次日本南極地域観測隊員


 産学共同研究: なし

研究分野

 
 

経歴

 
2009年
 - 
現在
情報・システム研究機構国立極地研究所 教授
 
2006年
 - 
2009年
国立極地研究所 研究教育系 教授
 
2004年
 - 
2005年
国立極地研究所 研究教育系 助教授
 
2000年
 - 
2005年
国立極地研究所 助教授
 
1998年
 - 
2003年
国立極地研究所 研究系 助教授
 

委員歴

 
 
   
 
(社)日本雪氷学会 理事(平成15年度から平成18年度)、編集委員、関東以西支部理事(平成19年度から20年度)、極地雪氷分科会会長、幹事
 
 
   
 
日本水資源・水文学会 編集委員
 
 
   
 
北海道大学低温科学研究所共同研究委員会委員  平成11年度-12年度、平成17年度-18年度
 
 
   
 
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・海外学術総括班専門委員 平成18年度-現在
 
 
   
 
日本学術会議・IGBP・WCRP合同分科会・CliC小委員会委員 平成19年度
 

受賞

 
1997年
日本雪氷学会技術賞(1997)
 
1998年
日本雪氷学会平田賞(1998)
 
2005年
第31回山崎賞(2005)
 
2009年
日本気象学会堀内賞(2009)
 
2010年
文部科学省技術賞(2010)
 

論文

 
本山秀明
Jun Uetake, Sota Tanaka, Takahiro Segawa, Nozomu Takeuchi, Naoko Nagatsuka, Hideaki Motoyama, Teruo Aoki      2016年6月
Chaewon Chang, Changhee Han, Yeongcheol Han, Soon Do Hur, Sanghee Lee, Hideaki Motoyama, Shugui Hou, and Sungmin Hong
Environ. Sci. Technol.      2016年
Ohno, H., Iizuka, Y., Hori, A., Miyamoto, A., Hirabayashi, M., Miyake, T., Kuramoto, T., Fujita, S., Segawa, T., Uemura, R., Sakurai, T., Suzuki, T., and Motoyama, H.
Journal of Geophysical Research: Earth Surface      2016年   [査読有り]
Ryu Uemura, Kosuke Masaka, Kotaro Fukui, Yoshinori Iizuka, Motohiro Hirabayashi, Hideaki Motoyama
Geophys. Res. Lett      2016年   [査読有り]
Iizuka, Y., Ohno, H., Uemura, R., Suzuki, T., Oyabu, I., Hoshina, Y., Fukui, K., Hirabayashi, M., Motoyama, H.
Tellus B   68    2016年   [査読有り]

Misc

 
鈴木 香寿恵, 山内 恭, 川村 賢二, 本山 秀明
大会講演予講集   98    2010年9月
本山 秀明
エアロゾル研究   25(3) 247-255   2010年
The accumulation rate, aerosol flux, and air temperature fluctuation can be determined from the study of ice cores drilled through ice sheets and glaciers. The aerosol which gives climate and environmental information is accumulated on the surface...
三宅 隆之, 平林 幹啓, 植村 立, 東 久美子, 本山 秀明
南極資料   53(3) 259-282   2009年11月
極域氷床深層コアにおける化学成分分析用試料について,イオン成分と固体微小粒子(ダスト)の汚染除去のための前処理方法の検討を行った.超純水でのブランク値がppbレベル以下の清浄なポリ袋と,超純水から作成した模擬コアを用いて,切削および融解による前処理条件を検討した.その結果,当初高濃度の汚染が見られた酢酸を含むイオン成分とダストについて,切削処理により試料外周の約3 mm,融解処理により試料重量の約30%を除去することで,間氷期のドームふじ氷床コアで想定される,イオン濃度で数オg l<-1>...
本山 秀明
第四紀研究 = The Quaternary research   48(3)    2009年6月

書籍等出版物

 
南極・北極の百科事典
国立極地研究所編(分担)
丸善   2004年   
雪と氷の事典
(社)日本雪氷学会(分担)
朝倉書店   2005年   
雪氷辞典
日本雪氷学会編(分担)
古今書院   1990年   
アイスコアー地球環境のタイムカプセル 極地研ライブラリー
藤井理行・本山秀明(編著)
成山堂書店   2011年   

講演・口頭発表等

 
Recent Japanese Ice Core Drilling and Borehole Logging [招待有り]
Hideaki Motoyama
ICE DRILLING DESIGN AND OPERATIONS -TECHNICAL ADVISORY BOARD, University of Wisconsin –Madison, USA, 13-14   2016年9月   
第57次南極地域観測隊による氷床沿岸でのアイスコア掘削と周辺観測の報告
本山秀明, 川村賢二, 櫻井俊光, 須藤健司, 荒井美穂, 鈴木利孝
2016年日本地球惑星科学連合大会、幕張メッセ国際会議場、2016年5月22日~26日   2016年5月   
Development of next-generation deep ice cor drill system - feedback from JARE57 intermediate drill experience -
Hideaki Motoyama, Atsushi Furusaki, Kenji Kawamura, Toshimitsu Sakurai, Sumito Matoba, Kunio Shinbori, Shoichi Mori, Morimasa Takata, Akiyoshi Takahashi, Yoichi Tanaka, Morihiro Miyahara, Akio Kobayashi, Yasushi Yoshise
The Seventh Symposium on Polar Science, National Institute of Polar Research, Tokyo, 2016.11.29-12.2.   2016年   
Spatial and temporal variability of snow accumulation rate, snow depositional condition and snow chemistry at East Antarctic ice sheet.
Hideaki Motoyama, Teruo Furukawa, Kazue Suzuki, Antarctic SMB monitoring group
The Seventh Symposium on Polar Science, National Institute of Polar Research, Tokyo, 2016.11.29-12.2.   2016年   
Present evaluation and future prediction of the global environment in the framework of glacial-interglacial cycle (AJ3)
Hideaki Motoyama, Kenji Kawamura, Hideki Miura, Yusuke Suganuma, Kumiko Goto-Azuma, Shuji Fujita, Teruo Furukawa, Kenichi Matsuoka, Hirataro Kaneda, Takushi Koyama, Yoshifumi Nogi, Junichi Okuno, Sumito Matoba
The Seventh Symposium on Polar Science, National Institute of Polar Research, Tokyo, 2016.11.29-12.2.   2016年   

競争的資金等の研究課題

 
文部科学省: 科学研究費補助金(基盤研究(S), 基盤研究(S))
研究期間: 2009年 - 2013年    代表者: 本山 秀明
・ドームふじ氷床コアの分析を継続した。・氷床コア含有気体の窒素と酸素の量比の2000年間隔の深部データが完成したので、これを用いてミランコビッチ・サイクルに基づく新たな年代決定を行っている。・ドームふじ深層コアの海塩性ナトリウムイオン(海塩エアロゾルの指標)、非海塩性カルシウムイオン(ダストの指標)、非海塩性硫酸イオン(海洋生物活動の指標)のフラックス変動の復元を行った。非海塩性硫酸イオンは、オービタルスケールの変動を示すものの、海塩性ナトリウムや非海塩性カルシウムとは異なり、気温と単純な...
文部科学省: 科学研究費補助金(基盤研究(A))
研究期間: 2009年 - 2009年    代表者: 本山 秀明
文部科学省: 科学研究費補助金(基盤研究(B))
研究期間: 2003年 - 2005年    代表者: 本山 秀明
権威で採取された雪氷試料の解析を実施した。計画していた国内での積雪観測は、研究代表者が冬期に長期海外出張のため中止した。昨年度に引き続き2001年に採取された南極ドームふじコアを解析対象として基本解析を実施した。解析する環境変動シグナルとその環境情報復元要素は、(1)目視層位→堆積状況、(2)密度→雪の圧密氷化過程、堆積速度の基本情報、(3)固体電気伝導度→氷の物性、酸性度(季節変化)、大規模火山。(4)酸素・水素同位体組成→気温変化、水蒸気輸送、季節変動、降水量、(5)化学成分→エアロソ...
文部科学省: 科学研究費補助金(基盤研究(C))
研究期間: 2000年 - 2001年    代表者: 本山 秀明, 古川 晶雄
本研究において、南極氷床上で採取されたH231沿岸コア(1980年、90m)とMD364(2001年、80m)ドームふじ南方内陸コア(1997年採取、56m深)、H72沿岸コア(1998年、73m)の計4本の雪氷コアの基本解析を終了した。基本解析では、層位、密度、通気度、固体電気伝導度、酸素同位体比、化学主成分解析、放射性同位体解析(トリチウム)を行った。またH72コアについては研究解析として、化学主成分の高時間分解能解析を行った。H72コアにおいては、1)H72に設置した雪尺の過去26年...
科学研究補助金の研究代表者 平成3年度奨励研究(A)研究代表者 雪氷コアに含まれる気候変動の指標に関する研究 -特に氷板形成のメカニズムに注目して-

社会貢献活動

 
「氷に閉じ込められた太古の地球」
【講師】  千葉市民文化大学  2015年9月9日
「極地とつきあう」
【講師】  高田高校未来セミナー  2014年7月22日
社会活動・貢献など
【その他】
多治見市南極観測隊展こども会議、たじみ創造館、2002年8月11日
社会活動・貢献など
【その他】
「第2期南極ドームふじ氷床深層掘削の開始-地球規模気候・環境変動の解明を目指す-」、都市気候と熱中症に関する講演会、学士会館、2004年6月11日
社会活動・貢献など
【その他】
気象講演会「南極ドームふじの氷床深層掘削コアから知る過去数十万年の地球規模気候・環境変動」、気象庁大会議室、2005年6月8日

その他

 
(研究活動の展望)

ドームふじ基地にて3035m深の氷床深層掘削に成功し、その氷床深層コアを国内に持ち帰った。これは過去72万年に及ぶ地球環境変動史を明らかにする貴重な試料である。気候・環境変動の概要は明らかになりつつあるが、より高時間分解能での研究・解析は5年以上の期間が必要であり、限られた資源を合理的に使って質のよい研究を目指す。この深層コア研究には多くの研究者、研究機関がかかわり、研究テーマも多種多様である。特に従来はコア研究としてはほとんど無関係であったアイスコア微生物研究グループや宇宙線生成核種研究グループとの共同研究も重要になる。これらを総合的な観点で研究を推進する。また新領域融合研究センターの新領域融合プロジェクト「地球生命システム」の研究分担者であり、コア掘削及び雪氷研究者として融合研究を進める。さらに極域の物質循環研究も大きな研究テーマである。特に近年の地球環境変動に雪氷圏が果たす役割を研究する。

(自己評価)

ドームふじ基地での深層掘削終了とともに、南極観測隊への参加はひとまずなくなったので、ようやく地に足をつけた研究を進めることが出来るようになった。この数年間は南極での深層掘削準備や現地参加などで研究活動は休止状態であったが、観測データは多数あり、精力的に研究を進めている。データ公開に努めたい。