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研究ブログ

レッドクランプ星を用いた距離測定

今日のAstro-phにでていた論文のメモ。

"Red Clump Stars from the LAMOST data I: identification and distance"
Junchen Wan, Chao Liu, Licai Deng, Wenyuan Cui, Yong Zhang, Yonghui

 Hou, Ming Yang, Yue Wu, 2015

これまで、絶対等級がどれもほぼ変わらないということで
距離指標として重宝されていたレッドクランプ星だが、
この論文では、初期質量や年齢によって1等級以上のばらつきがあるかもしれないと言っている。
論文中では、観測された表面重力・有効温度・金属量から、等時曲線に基づく方法で(経験的なモデルを用いて)絶対等級の見積りを行っている。
より精密なモデルを使えば、log gの誤差0.1dex未満のレッドクランプ星に関しては、距離精度10%まで達成できると言っている。


"Dust Formation in Milky Way-like Galaxies"
Ryan McKinnon, Paul Torrey & Mark Vogelsberger , 2015

銀河形成におけるダスト生成&進化のメカニズムをシミュレーションで調べている。
II型超新星やAGB星の寄与等について述べている。
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銀河系円盤中にあるHII領域の金属量分布

今日のAstro-phにでていた論文。

"H II Region Metallicity Distribution in the Milky Way Disk"

Dana S. Balser, RobertT. Rood, T. M. Bania, & L. D. Anderson, 2011

方位角方向別に、銀河系中心からの半径に対するHII領域内の金属量の傾向を調べ、
その傾向が同じではないことから、
銀河系内の金属量が均一に混ざっていないことを示唆している。

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頭は柔軟に柔軟に。

午前中の銀河ゼミ:
今回紹介された論文はざっくり言うと銀河系形成の名残とも言える、銀河系ハローにある矮小銀河のかけらを運動学的に銀河系の球状星団と区別していくつも見つけました、という内容だった。

Insight into the formation of the milky way through cold halo substructure. II.
The elemental abundances of ECHOS
Schlaufman et al. 2011, ApJ

論文中でECHOSと名付けられているのが矮小銀河のかけら達のようだ。
運動学的といえば、VLBI観測のお得意?分野だが、
もし矮小銀河もVLBIでざくざく観測できたら楽しいだろうなぁ。

昼休みの干渉計ゼミ:
干渉計を用いた観測における中性大気の影響(屈折と吸収)について学んだ。
どうやって大気の影響の補正値を得るかが今回の内容の焦点。
情報が錯綜してこんがらがり気味だったので、整理が必要。

午後の日韓会議:
日本と韓国で一緒にVLBI観測しましょう、相関器を立ち上げて観測してからサイエンスに使えるデータにもっていくまでのシステムを構築しましょう、というような話を進めている。

午後2のALMA Cycle0に向けたプロポーザル作成ツールやCycle0のALMAステータス等のチュートリアル:
VLBIの空間分解能でみる世界とALMAのうんぬんかんぬんだが、ぜひ提案しましょうというような激励をいただく。

っという間に夜になってしまった。

なぜか今夜は青汁をおいしく?いただいて締めくくる。


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ポーランドのチャリティCD

以前、研究室にいらしていた方から、震災に関する応援メッセージとショパンのCDが届けられた。


「日本がんばれ!」と書かれたパッケージが印象的だ。
公式ページ: http://universalmusic.pl/katalog.id_6786

私が所属しているプロジェクトのVERAという望遠鏡は日本国内の4カ所に設置されているが、東日本大震災時には岩手県にある望遠鏡の位置が大きく動いて、いくつか新聞記事にもなった。

岩手日日新聞 (3/11)
「観測所の位置 東へ2メートル動く〜水沢の国立天文台水沢VLBI観測所」
http://www.iwanichi.co.jp/tankoh/item_23111.html
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投稿論文改訂完了。

大質量星形成領域に関する論文の改訂作業を完了し、PASJにメールを送った。

これが受理されれば、近頃新たな結果がどんどん出てきているVLBIという観測手法を使った6.7GHz帯メタノールメーザー源の研究の世界にやっと乗り込んで行ける。
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