研究ブログ

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国会会議録

https://twitter.com/himawari_ninjal/status/907164805408055296

ツイッターで、国会会議録を「ひまわり」で検索するものが紹介されていた。
はて自分はインストールしていただろうかと見てみたら、本会議だけはインストールしていた。

折角だから何か検索してみようと思い、九州人が堅めの発言でよく使う「あっておる」「あっております」を検索してみることにした。

取り敢えず「あっており」を検索したら301件で、それほど膨大でもないので、
 あってお[らりるれろっ]
で検索してみた。正規表現での検索は、このツールならではだ。

「あっておれ」「あっておろ」はなく「あっておっ(た)」が2件、「あっておら(ず)」が1件、「あっておる」が15件である。残り301件が「あっており」(これらのうち10件程の「〜にあってお[りる]」──つまり「有って」でなく「会って・合って」──を含む)だが、発言者の欄を見て驚いた。その大部分を麻生太郎が占めているのだ。福岡県人である。267件。
第二位は竹下登の22件。島根県人である。
面白いことに、竹下登は「あっておる」が3件あるのに、麻生太郎は、「あっておる」がなく、「あっております。」が大半をしめる。

ほか、阿具根登という人が「あっておる」「あっておらない」で2件。福岡県人。
「あっておる」が2件の三原朝雄も福岡県人。
「あっております」「あっておる」の楢崎弥之助も福岡県人。

宮澤喜一も1件あるが、広島だろうか。


なお「あっている」は少なく、竹下登が一度使っているだけのようである。
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『日本古典籍データセット』の「本文」

『日本古典籍データセット』(国文学研究資料館蔵)はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンス(CC BY-SA)の下に提供されています。
その、2015.11に公開されたデータの内、「本文」のみを抽出し、そのまま、ここ↓に置いてあります。
https://app.box.com/s/b5q99w6qvkh0oofi1vtent2kt27lwbex


オリジナルで公開されているものは、画像ファイルと伴にZIPファイルとしてダウンロードすることになっており、「本文」が欲しい場合、大きなファイルをダウンロードして、そのごく一部を使うということになり、手間が掛かりますので、抽出した次第です。

源氏物語と二十一代集はテキストファイル、ほかは三点はワードファイルです。

オリジナルの在処


どなたかがやってくださるだろうと思っていたのですが、それらしいものに気づかないうちに一年経過したことに気付き、これを機に纏めたものです。

なお、2016.11に公開されたものには、「本文」は無いようでした。



なお、画像を見るには、上記オリジナルサイトよりも、人文情報学研究所の永崎研宣さんによる
国文研データセット簡易Web閲覧
http://www2.dhii.jp/nijl_opendata/openimages.php
が見やすくなっています。


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おろしそ

「おろしそハンバーグ」という音声を聞き、これは「おろし紫蘇ハンバーグ」のつづまった形なのだろうと思った。
母音の無声化で「おろしっそ」「おろっしそ」などという形を経てそうなったものなのか、そうだとしても臨時的なものだと思った。


ところが、これをぐぐると沢山ヒットして、定着している名称のようである。びっくりドンキーのメニューとして知られているようだ。

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牛耳て

街頭の演説で「民主党がギュージて」と言っているのが聞こえた。


五段動詞の「~じる」は「牛耳る」の他にはないが、上一段の「~じる」は、多くあるので、それに呑み込まれた形か。
だとしても、「通じる」「封じる」や「興じる」「生じる」「長じる」などに並ぶ「牛じる」という意識で言っているのか。面白い。


「おもねる」が「おもねて」となることがある、というのは報告があったと思うが、「ぎゅうじる」はどうだろう。


「牛耳をとる」は古いが、「牛耳る」自体は、そんなに古い言葉ではない(漱石に始まると言われることがある)ので、五段の「ぎゅうじる」は短命、ということになるかもしれない。
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英語本の世界を日本語本へ

書店で本を見ていると、「その英語、ネイティブは云々」というのがある。

「その日本語、大人はモヤモヤします」という視点があってもよいと思った。
日本語本は正邪で捉えることが多いが、それよりも、このような視点がよいような気がした。

「正しくない日本語」だから使ってはいけないのではなく、「モヤモヤする日本語だから、相手をモヤモヤさせないために使わない方が身のためだ」と。


英語本の方が日本語本より健全なのか、もしかしたら、とも思ったが、別の不健全さがあるだろう、ここには。
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『現代用語の基礎知識』の問題点

yahooのオークション、いわゆるヤフオクで、『現代用語の基礎知識』の1971年版と1978年版を落札した。開始価格の10円であった。
1981年版も入札したのだが、これは逃した。200円しか入れなかったからだが、80年版の収集には今ひとつ意欲が湧かない。


さて、2册20円の現代用語の基礎知識、71年版はA5、78年版はB5だが、この2册の送料が900円である。まあ、1册450円見当で、別々に買っていたら、もっと高く付いていた可能性はある。
でも、81年版を、もう少し高く入れて、落札するように心がけてもよかったのではないか、そんなに送料は上がらなかったかも、と思った次第。


『現代用語の基礎知識』の問題点、それは、かさばること。

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有本良雄『処世の六法』

昭和11.8.15
広文社

法律法律と無闇に法律を振り廻すてえと、何だか物に角が立って、円く治まる世の中を殊更ら四角張らせるやうに思っとる人も有るやうぢゃが、此の考へはあべこべぢゃ。


というような文体で1200頁超。


「よる」「とる」両方があり、「ありよる」も見える。p.942,p.945
(ただ、九州人である私の語感には合わない。「算段するものがありよる」「場合もありよる」

ベルリンのホテルでは(中略)「ホールで料理する野蛮人ある、泊めること無い、出てけッ」と、えらい見幕で追出されもしよったし、 p.55

などもあり。

著者は法学士。
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/1566/1/A03890546-00-020110001.pdf
この29頁?

法学博士桑田熊蔵監修。
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中田祝夫編『新選古語辞典』小学館

この本には、付録の中に「国語の変遷」というのが載せられているのだが、昭和38年時点で載せられていることが確認できた。初版は、その4月10日発行で未見だが、9月1日発行の四版で確認した。

pp.1268-1270の3頁で、音韻、文字・かなづかい、文章様式、語彙、動詞、形容詞、形容動詞、助動詞、助詞の9項目、上古(奈良時代)、中古(平安時代)、中世(院政・鎌倉時代)、近世(江戸時代)、近代・現代、の5時代に分けて、9*5の45欄で記述しているものである。

「漢音呉音比較対比表」もある。

後の版(昭和40年改訂)では載っている、「辞書の歴史」「国語史資料年表」「上代の音節と万葉がな一覧」は載っていない(日本文学史年表がある。)。
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