基本情報

所属
京都大学 複合原子力科学研究所 特任教授
学位
理学博士(筑波大学)

ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0002-6396-788X
J-GLOBAL ID
200901077126354070
researchmap会員ID
0000045761

外部リンク

 少年時代の1960年代や70年代は、21世紀を控えて科学技術の大きな進展があり、鉄腕アトムや鉄人28号をはじめとしたTVアニメに胸を躍らせましたが、それは同時にひどい公害の時代でもありました。自身も小児喘息を患い、少なからず大気汚染の影響を被りました。そのため、環境問題の解決が非常に重要と子供心にも思い、その道を目指しました。大学時代には、放射性物質の高感度分析や人体・食品中の長半減期核種の濃度や分布の研究に携わり、その後、大気・海洋の放射性物質の分析や動態研究に取り組み、広く、薄くではありますが、環境科学の研究に従事してきました。高所山岳拠点での大気観測研究に興味をもち、富士山頂での観測に注力した時期もありました。2000年代から10年余は大気エアロゾルの研究に取り組むこととなり、その当時所属していた気象庁の研究機関での役割も踏まえつつ、エアロゾル輸送数値モデルの改善に寄与すべく、黄砂、ブラックカーボンやPM2.5 などの観測研究に従事しました。この頃からモデル研究を進めるみなさんとの交流や共同研究が増えました。
 2011年3月に福島第一原発事故が発生し、大気中の放射性物質の研究に重点を戻し、事故で放出された不溶性のCs微粒子の発見や森林からのCs再浮遊のメカニズム解明(真菌類胞子等のバイオエアロゾルがキャリヤとなる)などに寄与してきました。2010年代後半は、バイオエアロゾルの大気中での役割も考慮して、さらに多様な観測・実験的研究に多くのみなさんと協力して取り組みました。環境中の放射性物質の動態研究は地味ですが、誰も注目して来なかったプロセスの発見など、楽しく感じられることも多いと言えます。
 2019年1月からは、京大熊取での安全管理に取り組むこととなり、業務と教務に追われました。また、2021年4月からは管理職も兼ねることとなって責任の重さを痛感した毎日でしたが、その後2023年3月末をもって正規職を無事に定年致しました。現在は非常勤の身分ですが、少しでも安全で安心な社会が将来に残せるように、「生涯一研究者」として努力していきます。


委員歴

  46

論文

  160

MISC

  466

書籍等出版物

  9

講演・口頭発表等

  486

所属学協会

  7

共同研究・競争的資金等の研究課題

  16

メディア報道

  5