山内恭

J-GLOBALへ         更新日: 14/05/19 11:42
 
アバター
研究者氏名
山内恭
 
ヤマノウチ タカシ
所属
国立極地研究所
部署
国立極地研究所 研究教育系気水圏研究グループ
職名
教授、副所長、アーカイブ室長、知的財産室長
学位
理学博士(東北大学), 理学博士(東北大学)

プロフィール

研究課題と活動状況:  極域大気の放射収支、大気・物質循環および雲・海氷気候の研究を行っている。雪氷面上の大気の放射特性、海氷-大気相互作用,温室効果気体やオゾン、エアロゾル・雲の変動と大気循環とのかかわり、その放射効果、気候影響をさぐる観測的研究を南極、北極での地上観測、気球、航空機、船舶等を使った観測、気象客観解析データーや人工衛星によるリモートセンシングデータの解析により進めている。

 新しい観測システムとして、風の3次元分布を観測する大型大気レーダー(PANSY)が昭和基地に設置されたので、そのデーターを使った解析、成層圏ー対流圏結合・交換など関連の研究を進める。さらに、無人航空機や小型大気採取システムの開発を進め、また広域の雲の鉛直分布を観測するためのライダー・雲レーダ搭載衛星の実現につとめる。極域大気現象・気候の理解のために気候モデルの南極・北極域への適用にも関心をもつ。新しく、オールジャパン体制による北極温暖化観測計画を策定中。
極域観測歴: (1)南極域:1978~1980年、第20次南極地域観測隊越冬隊;1985年11~12月、アムンゼン・スコット南極点基地(交換科学者);1986~1988年、第28次南極地域観測隊越冬隊;1996~1998年、第38次南極地域観測隊長・越冬隊長;2010〜2011年、第52次南極地域観測隊長。

(2)北極域:1993年9~10月、スバールバル、ニーオルスン;1994年3月、スバールバル、ニーオルスン;1995年8月、ロシア、シベリア調査旅行(タイミール半島、セベルナヤ・ゼムリア);2000年3~4月、日独共同航空機大気観測(ASTAR 2000)、スバールバル、ロングイヤービン;2002年3月、北極海横断航空機大気観測(AAMP 02)、スバールバル、ロングイヤービン。
産学共同研究: なし

研究分野

 
 

経歴

 
1978年
 - 
1980年
東北大学理学部 助手
 
1980年
 - 
1985年
国立極地研究所 助手
 
1985年
 - 
1993年
国立極地研究所 助教授
 
1993年
   
 
- 国立極地研究所 教授
 

学歴

 
 
 - 
1978年
東北大学 理学研究科 地球物理学
 
 
 - 
1973年
東京工業大学 理学部 応用物理
 

委員歴

 
2000年
   
 
日本気象学会  常任理事
 
 
   
 
日本気象学会理事(1998.7~2000.6)
 
 
   
 
同常任理事(2000.7~2002.6、2002.7~2004.6、2004.7~2005.3)
 
 
   
 
同2002年度春季大会実行委員長(2002.5)
 
 
   
 
南極研究科学委員会(SCAR) 日本代表(2008.7.〜)
 

受賞

 
1985年
1985年度日本気象学会山本賞
 
1999年
1999年度日本気象学会学会賞
 

論文

 
The role of synoptic-scale features and advection in prolonged warming and generation of different forms of precipitation at Dome Fuji station, Antarctica, following a prominent blocking event.
Hirasawa, N., H. Nakamura, H. Motoyama, M. Hayashi and T. Yamanouchi
J. Geophys. Res.   118(D13) 6916-6928, DOI: 10.1002/jgrd50532   2013年   [査読有り]
The spatial and seasonal distributions of air-transport origins to the Antarctic based on 5-day backward trajectory analysis.
Suzuki, K., T. Yamanouchi, K. Kawamura and H. Motoyama
Polar Science   7(S3-4) 205-213   2013年   [査読有り]
Air-sea gas transfer rate for the Southern Ocean inferred from 222Rn concentrations in maritime air and a global atmospheric transport model.
Taguchi, S., S. Tasaka, K. Osada and T. Yamanouchi
J. Geophys. Res.   118(14) 7606-7616, DOI: 10.1002/jgrd.50594   2013年   [査読有り]
Tethered balloon-borne aerosol measurements: seasonal and vertical variations of aerosol constituents over Syowa Station, Antarctica
Hara, K., Osada, K., and Yamanouchi, T.
Atmos. Chem. Phys.   13, 9119-9139, doi:10.-5194/acp-13-9119-2013.   2013年   [査読有り]
Program of the Antarctic Syowa MST/IS Radar (PANSY).
Sato, K., M. Tsutsumi, T. Sato, T. Nakamura, A. Saito, Y. Tomikawa, K. Nishimura, M. Kohma, H. Yamagishi, T. Yamanouchi
J. Atmos. Solar-Terrest. Phys.   10.1016/j.jastp.2013.08.022.   2013年   [査読有り]
1997年春季に南極昭和基地において発現した地上オゾン消失現象.
江崎雄治、平沢尚彦、林政彦、山内恭
天気   60(2)、91-96.   2013年   [査読有り]
Seasonal variation of fractionated sea-salt particles on the Antarctic coast.
Hara, K., K. Osada, M. Yabuki and T. Yamanouchi
Geophys. Res. Lett.,   39, L18801, doi: 1029/-2012GL052761.   2012年   [査読有り]
Comparative analysis of measurements of stratospheric aerosol by lidar and aerosol sonde above Ny-Alesund in the winter of 1995 [Comparative analysis of lidar and OPC observations].
Shiraishi, K., M. Hayashi, M. Fujiwara, T. Shibata, M. Watanabe, Y. Iwasaka, R. Neuber and T. Yamanouchi
Polar Science   5, 399-410.   2011年   [査読有り]
南極海における大気中ラドン濃度観測.
田阪茂樹、松原正也、田口彰一、長田和雄、山内 恭 
天気   58(1)、31-38   2011年   [査読有り]
Seasonal features of ultrafine particle volatility in the coastal Antarctic troposphere.
Hara, K., K. Osada, C. Nishita-Hara, M. Yabuki, M. Hayashi, T. Yamanouchi, M. Wada, and M. Shiobara
Atmos. Chem. Phys.   11, 9803-9812, doi: 10.-5194/acp-11-9803-2011   2011年   [査読有り]

Misc

 
南極の放射収支
天気   30 427-445   1983年
大気中の二酸化炭素濃度の連続観測システムの新たな開発
南極資料   82 1-11   1984年
太陽光の分光観測に基づく大気微量成分の定量:南極MAPにおける赤外分光観測
南極資料   87 1-22   1984年
NOAAデータ処理システム
南極資料   33 73-87   1989年
第28次隊による南極気候変動研究観測報告
南極資料   33 53-72   1989年

書籍等出版物

 
放射
「南極の科学3気象」国立極地研究所編、古今書院   1988年   
気象・気候
「南極の科学1総説」、国立極地研究所編、古今書陰   1991年   
NOAA衛星から見た南極-雲・氷・雪」
国立極地研究所発行   1992年   
地球環境変動を探る南極観測、「南極からのメッセージ−地球環境探索の最前線」
NHK出版   2003年   
地球環境変動を探る南極観測 南極からのメッセージ-地球環境探索の最前線
山内 恭
NHK出版   2003年   

講演・口頭発表等

 
Stratosphere-troposphere exchange and Program of the Antarctic Syowa MST/IS Radar (PANSY)
Yamanouchi, T., Y. Tomikawa and K. Sato
SCAR XXXI Open Science Conference, 2010, Buenos Aires   2010年   
新しい南極観測体制と第VIII期重点研究観測「南極域から探る地球温暖化」
山内 恭
日本気象学会2010年春季大会、極域・寒冷圏研究連絡会   2010年   
南極観測50年の歩みと昭和基地大型大気レーダー(PANSY)
山内 恭
日本地球惑星科学連合大会、極域科学の新時代   2010年   
これからの北極研究:南極に学ぶScience-Diplomacy
山内 恭
日本地球惑星科学連合大会、北極圏の気候変動   2010年   
国際極年(IPY)2007-2008の成果と将来展望。
山内 恭
日本気象学会2009年度秋季大会、2009年11月25−27日、福岡。   2009年   

Works

 
第38次南極地域観測隊
1996年 - 1998年
第28次南極地杉観測隊
1986年 - 1988年
第20次南極地域観測隊
1978年 - 1980年
アムンゼン・スコット南極点基地における放射収支の研究
1985年

競争的資金等の研究課題

 
極域大気・雪氷圏における放射収支の研究
極域大気・物質循環の研究
雲,海氷の気候学に関する研究
基盤B(2)「小型成層圏大気サンプラーを用いた南極域成層圏における温室効果期待の変動の解明」、平成21年〜24年度、代表;
基盤A(2)複合領域、環境科学;環境動態解析 「南北両極比較航空機観測による極域大気中エアロゾルの役割及び雲相互作用に関する研究」、平成16~19年度、代表;

社会貢献活動

 
社会活動・貢献など
【その他】
相模原市環境講演会(1988.6)
社会活動・貢献など
【その他】
気象学会夏期大学講師(1989.7)
社会活動・貢献など
【その他】
リモートセンシングシンポジウム特別講演(1989.10)
社会活動・貢献など
【その他】
気象庁気候問題懇談会講師(1991.2)
社会活動・貢献など
【その他】
府中市環境講座講演(1991.6)

その他

 
 個人研究としては、一貫して放射収支に関する研究を続けてきた。実験室での大気成分の赤外吸収帯の吸収特性の分光学的研究から始まり、南極氷床上カタバ風帯での放射収支の特性を解明し、さらに人工衛星観測から大気上端での放射収支の南極域での特徴を調べ(NASA Langley研究センターでの研究)、雲、海氷、氷床の放射影響を明らかにした。同じく衛星データによる雲分布の導出手法を考究し、困難な雪氷面上の雲識別法を編み出した。これらの結果を併せ用いて、雲分布の放射収支に対する影響、気候影響を解明すること、雲と海氷分布との相互作用、即ち極域気候の大きな要素である氷ーアルベードフィードバックに対する雲の効果の解明は未だ道半ばで、今後の課題になっている。

 一方、グループ研究、共同研究としては、大気・物質循環を課題としている。温室効果気体やオゾン、エアロゾルの高精度の長期モニタリングやその振る舞いの解明のためのキャンペーン観測を南極・北極で実施し、その変動の実態把握、変動メカニズムの解明が進んできた。日独(アルフレッドウェーゲナー極地海洋研究所と)共同の航空機観測を両極で実施し、そのバイポーラな比較を通じて南極、北極大気の特性をより明確にする予定である。また、モデルに基づく気象客観解析データを用いたトラジェクトリー解析や大気循環場の特徴を現場観測結果と対比することで、大気中物質の変動に対する大気の輸送過程の影響の解明を目指している。

 さらに、将来に向けて、新しい観測システムとして、無人航空機や小型成層圏大気採取装置の開発を進め、また広域の雲の鉛直分布を観測するライダー・雲レーダ搭載衛星の飛揚や大気の鉛直構造を高時間分解能で観測する大型大気レーダの建設・観測開始を目指す。これらの中では、特に、対流圏ー成層圏交換の実態把握に関心を持っている。