基本情報

所属
北海道大学 北極域研究センター 准教授 (ディスティングイッシュトリサーチャー)
(兼任)広域複合災害研究センター 兼務
BURST LIMIT所属選手(パワーリフティング) パワーリフター(マスターズ1・74 kg級)
学位
博士(環境科学)(北海道大学)
修士(地球環境科学)(北海道大学)
学士(理工学)(弘前大学)

研究者番号
70506782
ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0002-9896-9404
J-GLOBAL ID
200901049919898248
researchmap会員ID
6000014241

外部リンク

 環境科学分野の特に気象・大気エアロゾル(大気科学)・雪氷に関わる研究を行っています.これまで雪氷圏を中心とした大気エアロゾルの大気中の挙動(輸送・沈着など)・気候・陸面(特に雪氷)への影響について研究を行ってきました.分析・観測・モデリング・データ解析と幅広い手法で研究を行っております.また様々な国内・国際共同研究を積極的に行っております.一般向けの研究紹介は、北海道大学広報誌「リテラポプリ」第69号(2022年秋)掲載の「研究室訪問(研ぐ)」(PDF版はこちら)を、中高生向けの研究紹介などは、河合塾による「みらいぶ+(プラス)の紹介記事」をご覧ください。NHK BSスペシャル「デジタル・アイ(消える大森林)」(日本語版:2024年4月11日放送;英語版:2024年3月30日配信)に出演して、森林火災と大気汚染などについて解説をしています。

子供から大人まで楽しめるYouTubeの科学チャンネル【新感覚!教育バラエティ】とつげき!ちきゅうの研究室「らぶラボきゅ〜」で大気エアロゾルの一般的な話と(第1回目動画)、最近のシベリア森林火災と大気汚染に関する研究内容や関わっている大気エアロゾルやPM2.5の観測機器についての話(第2回目動画)をしていますので、是非、ご覧ください。

また、筋トレ歴6年以上の経験を活かし、筋肉系研究者という新しいジャンルを開拓し、自身の研究業界や研究活動にも新しい風を吹かせて、人生100年時代に楽しく健康に研究を邁進できることを推進しております。北海道パワーリフティング協会登録のジムBurst Limit所属選手(マスターズ1・74 kg級)として、パワーリフティングの公式大会に出場しています(2023年公式記録:「国体予選(北海道大会;M1・74 kg級10位: Total 400 kg)Squat: 140 kg; Bench Press: 100 kg; Deadlift: 160 kg」;「日本グランプリ(全国大会;M1・74 kg級5位: Total 410 kg)Squat: 135 kg; Bench Press: 100 kg; Deadlift: 175 kg」)。


 北海道大学における大学院時代(地球環境科学研究科環境科学院低温科学研究所)は,アラスカの氷河でのエアロゾル観測や氷河から掘削されたアイスコアの分析と気象学的解析を合わせて,春季黄砂発生と成層圏対流圏輸送の関係について研究を行っておりました(Yasunari et al., 2007, J. Geophys. Res.; Yasunari and Yamazaki, 2009, Atmos. Environ.).2009年5月より,米国メリーランド州にあるNASA Goddard Space Flight Centerにて2015年6月まで6年ほど研究活動を行い,その間,太陽光吸収性エアロゾルによる積雪汚染に関する研究を中心に行なっておりました。ヒマラヤの氷河へのブラックカーボンの沈着とそのアルベドへの影響や(Yasunari et al., 2010, Atmos. Chem. Phys.; Yasunari et al., 2013, Atmos. Environ.),NASAが開発する全球地球システムモデルGEOS-5へのこれらの大気エアロゾルによる積雪汚染を計算するモジュールの開発と導入(GOddard SnoW Impurity Module: GOSWIM; Yasunari et al., 2014, SOLA)を行いました.その導入したGOSWIMを使った全球気候モデル計算を行い,積雪汚染が北半球の春の気候へ果たす役割について明らかにしました(Yasunari et al., 2015, J. Geophys. Res. Atmos.; NASAが作成したYouTube動画).その後の研究で、積雪汚染は、Wet-First-Dry-Laterというフィードバックを大気陸面相互作用で起こすこともわかってきました(Lau et al., 2018, J. Geophys. Res. Atmos.)。
 米国での研究活動を経て,2015年7月より北海道大学大学院工学研究院に着任してからは,「北大を北日本の大気汚染常時モニタリング拠点」にすべく,大気エアロゾル関連の観測を北大構内で開始し,NASAと共同でエアロゾルの光学測定を行うNASA AERONETサイトを工学部に設置し,国立環境研究所と共同でライダーの設置を行っています.これらの観測機器による観測データに関連した春季黄砂検出向上に関する研究成果が得られました(Yasunari et al., 2017, SOLA; 北大によるプレスリリース).また,現在の所属である北極域研究センター(工学研究院時は兼務教員)や北極研究推進プロジェクト(ArCS)等の北極域関連研究に関わり,北極圏とその周辺域の特に「森林火災発生とその大気汚染への影響評価」及びこれらの機械学習を使った予測手法の検討を行なっております.その初期的研究成果として,北海道の大気汚染に影響を与えたシベリアおよび周辺域の大規模森林火災のその気候・環境的発生要因をケーススタディとして明らかにしました(Yasunari et al., 2018, Sci. Rep.北大によるプレスリリース).最新の論文では、夏季の西欧熱波、シベリア・亜寒帯北米(アラスカ・カナダ)の森林火災同時誘発に関与しうる近年夏季にのみ見られる気候(大気循環)パターンを発見しました(Yasunari et al., 2021, Environ. Res. Lett.; 北大・東大・三重大による共同プレスリリース韓国UNISTも加わった英語版プレスリリース)今後,現地での森林火災からの大気汚染によるPM2.5の影響評価を国内外ですべく,現在その準備的な研究を行なっております.最近、極寒の寒冷地でも通年で安定してPM2.5を測定可能にするポータブルな「寒冷地仕様PM2.5測定装置」(小型PM2.5センサーの部分は、パナソニック社製のものを使用:Nakayama et al., 2018)を開発し(自動温度調節断熱ボックスの部分を開発:Yasunari et al., 2022, J. Environ. Manage.; 北大・名大よりプレスリリース)、その後アップデートした商用版は(株)タナカよりどなたでも購入が可能となっております(PM2.5センサーは別途入手が必要).グリーンランド北西部カナックで初めてPM2.5の観測を行い、その際に野外廃棄物焼却時のPM2.5への影響を議論する際にもこの装置が貢献しました(Yasunari et al., 2024; 北大・筑波大・名大プレスリリース)。現在この装置は、国外では米国アラスカ州(UAF/IARC)、国内では札幌市(北海道;北海道大学北キャンパス総合研究棟2号館)、江別市(北海道;酪農学園大学)、函館市(北海道;国際水産・海洋総合研究センター)、弘前市(青森県;弘前大学理工学部)、長岡市(新潟県;雪氷防災研究センター)に設置・稼働しております(公式設置サイトのみ)。

 また、これまで行なってきた積雪汚染の研究の知見と経験を活かして、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が2019年に公表しました「変化する気候下での海洋・雪氷圏に関するIPCC特別報告書」(IPCC SROCC)のChapter 2(High Mountain Areas)に、Contributing Author (CA) の1人として執筆に貢献しました(Hock et al., 2019, IPCC SROCC)。また,日本に帰国してからは,日本の気候モデルMIROCの陸面モデルMATSIROの開発・改良(特に積雪・積雪汚染に関連する部分)や,気候モデルを使った地球温暖化関連研究にも関わっています.平成31年度文部科学大臣表彰の若手科学者賞(2019年),令和元年度北海道大学教育研究総長表彰(教育)(2020年),令和三年度日本気象学会北海道支部賞(2021年)などを大変光栄なことに受賞しました。また、令和4年度には北海道大学より「ディスティングイッシュトリサーチャー」の称号を付与していただきました。

現在、教育は北海道大学大学院環境科学院大気海洋物理学・気候力学コースを担当しております。


その他詳細は、下記よりご覧ください.共同研究や学生・ポスドク受け入れ相談などは随時ご連絡ください。


経歴

  15

委員歴

  21

論文

  27

MISC

  34

書籍等出版物

  4

講演・口頭発表等

  111

担当経験のある科目(授業)

  10

共同研究・競争的資金等の研究課題

  19

学術貢献活動

  14

社会貢献活動

  9

メディア報道

  27

その他

  2