基本情報

所属
東北大学 大学院理学研究科・理学部 物理学専攻 准教授
学位
博士(工学)(東京大学)

J-GLOBAL ID
201101089223665230
researchmap会員ID
6000029934

外部リンク

論文

  101

MISC

  80

書籍等出版物

  2

講演・口頭発表等

  99

所属学協会

  2

共同研究・競争的資金等の研究課題

  10

産業財産権

  5

社会貢献活動

  6

その他

  4
  • 2015年12月 - 2015年12月
    1.背景 有機半導体レーザーは発振波長設計の自由度が高いことや希少元素を用いないことから実現が期待されているが、今のところ実現されているのは光励起によるレーザー発振のみで、電流励起によるレーザー素子は実現されていない。無機半導体ではドーピングを用いたp-n接合形成により発光ダイオードが作られているが、有機発光ダイオード(有機EL)は真性半導体を用いるため抵抗率が高く、薄膜化による低抵抗化によりmA/cm2オーダーの電流密度を得て発光が可能となった。しかし、その先の有機半導体レーザーを実現しようとすると、光励起レーザー発振の実験から10 kA/cm2程度の電流密度が必要になると推測される。これは、現在の有機発光ダイオードの延長線上では実現が困難である。 2.目的 本研究は静電的キャリアドーピングにより有機半導体中にp-n接合を作り、大電流を流すことによってレーザー発振を起こすことを目的とする。 3.学術的な独自性と意義 レーザー発振のためには有機半導体中に大電流を注入し、高い励起子濃度を保つ必要がある。代表的な有機発光素子である有機発光ダイオード(有機EL)は抵抗率が高いため有機半導体を薄膜化して用いられるが、それでも電流密度は不十分な上、電極による吸収が不利に働く。そこで、静電的キャリアドーピングにより有機半導体の低抵抗率化が可能な有機発光トランジスタを用いて電流励起レーザー発振を目指す研究が申請者らも含め、国内外で行われている。しかし、これまでのところ、レーザー発振に必要な高い電流密度の達成は成功していない。通常の有機電界効果トランジスタに用いられるSiO2絶縁層では5 MV/cm以上の電場の印可により絶縁破壊が起こるため、キャリアの面密度は1013 cm–2程度が限界である。一方、申請者がこれまで開発を行ってきた電気二重層トランジスタでは、固体絶縁層の代わりに電解液を用いることにより、半導体と電解液の界面に生じる電気二重層をキャパシターとして用いる。これにより、1014 cm–2以上のキャリア面密度が実現でき、高電流密度の達成が可能である。有機半導体を用いた電気二重層トランジスタは申請者らを初めとしていくつかの報告例があるが、これを用いた有機発光素子はいまだ成功例が無い。本研究では、これまで申請者が培った知見を基に有機発光トランジスタに電気二重層トランジスタの原理を取り入れることにより、電流励起レーザー発振を目指す。 4.期待される成果と発展性 本研究の成果として、世界初の電流励起の有機半導体レーザーの実現が予想される。前述の通り、有機材料は設計自由度の高さから、様々な発光波長をもつ材料が容易に得られる。これを利用して色素を光励起することにより紫外から近赤外までの様々な波長のレーザー光を放出する色素レーザーが用いられている。しかし、色素レーザーは別
  • 2015年9月 - 2015年9月
    本研究は静電的キャリアドーピングにより有機半導体中にp-n接合を作り、大電流を流すことによってレーザー発振を起こすことを目的とする。有機半導体レーザーは発振波長設計の自由度が高いことや希少元素を用いないことから実現が期待されているが、今のところ実現されているのは光励起によるレーザー発振のみで、電流励起によるレーザー素子は実現されていない。本研究の成果として、世界初の電流励起の有機半導体レーザーの実現が予想される。前述の通り、有機材料は設計自由度の高さから、様々な発光波長をもつ材料が容易に得られる。これを利用して色素を光励起することにより紫外から近赤外までの様々な波長のレーザー光を放出する色素レーザーが用いられている。しかし、色素レーザーは別に励起用のレーザーを必要とし、また色素溶液を循環させ続けなければならいという短所がある。一方、レーザーポインター等に用いられている半導体レーザーは小型で安価であるという長所を持つ。有機半導体レーザーはこれら2つのレーザーの長所を併せ持つ小型で安価かつ多彩な発光波長を実現できると期待される。
  • 2010年4月 - 2010年4月
    金属/半導体分離単層カーボンナノチューブを薄膜化し、電気化学的にフェルミ準位を制御することによりナノチューブの1次元性に由来する電子物性を発現させる。
  • 2003年4月 - 2003年4月
    希ガス内包フラーレンの分子構造及び分子内振動に関して、実験及び第一原理計算を用いた理論研究を行う。