基本情報

所属
広島市立大学 (名誉教授)
学位
博士(工学)(九州大学)
工学修士(東北大学)

研究者番号
50234240
J-GLOBAL ID
200901070333155474
researchmap会員ID
1000194085

【1】ビッグデータマイニング
情報機器やセンサーなどを通して記録・蓄積される大量かつ複雑なデータはビッグデータと呼ばれている。これまでの研究で着目しているビッグデータには、DNAやアミノ酸などの分子配列データを初めとして、ソーシャルメディアから形成されるソーシャルネットワークや投稿記事を集めた文書データセット(位置情報付き)があり、それぞれのデータセットごとに、パターンや分類などに基づく規則性や集合知を見つけだす方法の研究を行っている。
▶分子配列データセットを用いた研究については、機械学習やデータマイニング手法を応用し、配列モチーフ(生命の進化の過程で保存されてきた機能部位)の抽出法について研究を行ってきている。また、配列モチーフを表現するために正規表現が利用されていることに着目し、類似する分子部分配列を集めたデータセットを汎化する方法を確立している。
▶ソーシャルメディアから形成されるソーシャルネットワークについては、Blogユーザのつながりに注目し、ブログ空間において、Newman法(ネットワークのクラスタリング手法)などを用いて、ある一定の期間ごとに発生するグラフの集合(時系列グラフ)に頻繁にみられるコミュニティを見つけだす方法を明らかにしている。今後はこのようなコミュニティの進化をとらえる方法について研究する予定である。位置情報付きの文書データセットについては、Twitterで投稿される記事に着目し、利用者の周辺に偏在する話題を見つける方法を明らかにしようとしている。
【2】データベース
近年、データベースの検索要求の高度化を初めとして、データベースの内容が複雑化する傾向がみられ、制約問合せ処理や類似検索処理への研究が重要となってきている。これに対応するために、問合せ処理の制約処理に該当する部分の高性能化や類似性検索の高性能化を実施してきている。また、特定のオントロジー(生物分類樹)に着目し、複数の異種データベースの統合化方式を明らかにしている。
【3】探索処理の並列化
木構造を利用する探索処理は、演繹的な能力を含む知識ベース処理、制約問合せ処理、配列マイニング処理などで応用されている。
▶知識ベース処理については、細粒度の並列化(OR並列とANDストリーム並列)の方法を明らかにした。
▶制約問合せ処理については、制約解消器の一つとして混合整数計画法に着目し、共有メモリ型計算機やPCクラスタ計算機を用いて、混合整数計画法の解法に使われている分枝限定法の横型探索を並列化し、その効果を明らかにした。
▶配列マイニング処理については、可変長ワイルドカード領域を含む頻出配列パターンの抽出を初めとして、汎化パターンの抽出およびバースト検出について、マルチコアPCクラスタ上での並列化方法を明らかにしている。
★★教育活動★★
「データベース」と「データ構造とアルゴリズム」の2つの講義科目について、教育効果を高めるために、コンピュータ演習システムを開発・運用した。また、講義科目「情報科学概論」、「データベース」、「バイオインフォマティクス」のそれぞれで利用する教科書を出版した。

委員歴

  32

受賞

  14

論文

  48

MISC

  71

書籍等出版物

  11

講演・口頭発表等

  72

共同研究・競争的資金等の研究課題

  24