基本情報

所属
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 老化機構研究チームシステム加齢医学研究 研究部長
東京大学大学院医学系研究科健康長寿医学
埼玉医科大学ゲノム医学研究センター
学位
博士(医学)

J-GLOBAL ID
201101088745383913
researchmap会員ID
B000003145

外部リンク

東京都健康長寿医療センター老化機構・システム加齢医学にて,遺伝子情報の制御に関する性ホルモン・核内受容体作用機構の解明に力を注いでおり、老化・加齢性疾患とホルモン依存性がんのメカニズム・病因・診断・治療に密接に関連するステロイドホルモン、特にエストロゲンとアンドロゲンの作用機構の解析を進めています。

エストロゲンとアンドロゲンは、それぞれ女性および男性の生殖系の発達・機能調節に重要であるとともに,老化全般や、骨粗鬆症・サルコペニアなどのロコモティブ症候群、フレイル、認知症、動脈硬化、老年病や乳がんや前立腺がんなどのホルモン依存性がんを始めとした様々な疾患に深く関与する性ホルモンです。ホルモン減少・欠乏症は、老化と深く関わり、代謝や免疫系等の多彩な組織における機能変化にもつながります.ホルモン依存性がんにおいてはホルモン感受性の有無が診断・治療において重要であり、感受性がんに対してはホルモン作用を抑制する内分泌療法が行われています。

私たちは、次世代シーケンス解析と全ゲノム情報を組み合わせて、性ホルモン受容体を介する転写調節機能の解析およびホルモン標的遺伝子の同定・制御機構・機能の解析を行うことにより,性ホルモン作用の分子メカニズムと遺伝子制御ネットワークの解明を目指しています。エストロゲン標的遺伝子として私たちが同定した乳がん増悪因子であるTRIM25/EfpはRINGフィンガーを有するTRIMファミリー蛋白質であり、標的蛋白質を分解するユビキチンリガーゼとしてその分子メカニズムを解明しています。別の標的遺伝子として、COX7RPはミトコンドリア酸素呼吸に関わる呼吸鎖複合体間で構成される「超複合体」の形成促進因子であることを世界に先駆けて発見し、COX7RPを過剰に発現するマウスはマラソンランナー型の運動持久力を持ち、健康長寿の鍵を握ることを提唱しています。特に、ミトコンドリア超複合体と健康長寿・老化の関係について機能解析を進めています。

性ホルモン受容体シグナルと関連するマイクロRNAや長鎖非コードRNA等の非コードRNAの機能解析を進め,RNA結合蛋白質を介するエピゲノム制御によるがん病態ならびに治療抵抗性獲得メカニズムの解明に注力しています。乳腺外科・産婦人科・泌尿器科をはじめとする臨床教室との共同研究にて各種の病型のがん組織から細胞を採取し、三次元培養法にて長期に「がん起始細胞」を培養し、この細胞を用いて超免疫不全マウス移植腫瘍を作製する実臨床に近似した実験系の構築を行い、難治性がん病態メカニズムの解明、新規予防・診断・治療法の開発を進めています。

国内各大学・病院・研究機関との共同研究に加え、国際共同研究としては、米国東部ハーバード大学、米国中部ノースウエスタン大学、米国西部カリフォルニア大学アーバイン校、独国カールスルーエ工科大学等と進めております。

論文

  500

MISC

  447

講演・口頭発表等

  423

書籍等出版物

  58

共同研究・競争的資金等の研究課題

  67