池田 真治

J-GLOBALへ         更新日: 17/10/10 12:09
 
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研究者氏名
池田 真治
 
イケダ シンジ
URL
http://d.hatena.ne.jp/theseus/
所属
富山大学
部署
人文学部 哲学・人間学コース
職名
准教授
学位
博士(文学)(課程)(京都大学)
その他の所属
パリ・ソルボンヌ大学

プロフィール

ライプニッツをはじめとする17-18世紀の古典期(l'âge classique)の哲学を研究・教育活動の軸としつつ、近・現代の論理・数学思想を、哲学的観点から研究しています。また、歴史を通じて数学と哲学のあいだの相互影響関係を考える、「数理哲学史」という分野に関心を持っています。

数学史は、数学の技術的発展を描き数学内部の理解に閉じがちですが、実際は、当時の哲学・思想とのあいだに綿密な関係をもっていました。明証的な知を与える基礎学問として数学が考えられたデカルト以降の近世哲学の発展は、数学と不可分な関係にありました。その中には数学的業績として数学史には残らずとも、哲学的には大きな影響をもった考えなどもあるでしょう。私の考える「数理哲学史」では、そうした数学と哲学の関係から生成される思想を浮かび上がらせることを目標としています。

これまで、主題として、「連続体の迷宮」をめぐる諸問題を、数学・認識論・形而上学という複合的領域において研究してきました。それは、幾何学的には点と線の関係をめぐる問題であり、解析的には無限と無限小の問題です。また、認識論的には知性と想像力、像と観念、表象と概念の関係をめぐる問題であり、形而上学的には、点や線、位置や空間、非存在と存在など、数学的存在のカテゴリーをめぐる問題です。歴史的には、ゼノンのパラドクスに由来し、現代では空間論・時間論の主題となる、哲学の伝統的な主要問題です。

近代初頭の哲学者たちと同様に、ライプニッツにおいても、数学と哲学(認識論・形而上学)は互いに不可分なものでした。これまで、数学史や哲学史において、それぞれ個別の領域で専門的な研究がなされてきましたが、当時の時代にしたがって誠実に理解するには、哲学と数学の双方を抑える必要があります。

時間、テクスト、そしてテーマの範囲を限定し、概念の発展を丁寧に追う歴史研究のメソッドを尊重しつつ、私が本当にやりたいのは、歴史的事実の解明から浮かび上がる、連続体の哲学です。現代的にこの問題を探究するには、高度な数学的知識が必要であり、数学を専門的に研究するのでなければ、ほとんど不可能なものとなっています。そして、それを哲学と結びつけるためには、高度な哲学的知識が必要になるのは言うまでもありません。

時間のかかる分野であり、余裕のあまりない現代では、ディシプリンとしての成立そのものが疑問視されます。しかし、専門分化が進展し、知的交流が困難な今の時代だからこそ、学問の起源にあるモチベーションに遡ることの意義があるとも言えるのではないでしょうか。

17世紀は哲学と数学の関係を探るのに、理想的な時代と言えます。両者の関係を、近代科学黎明期に探ることで、専門分化して異分野との交流が難しい現代において、何らかの統一的観点を得るてがかりになればと考えています。数学と哲学と歴史、そしてその研究のための複数の言語を修めなければならない数理哲学史という分野は、かなりハードな領域といっていいでしょう。しかし、歴史的に未踏な部分も多く、やれることはいくらでもあります。まだまだ力が及びませんが、やりがいのある研究に挑戦しています。

研究分野

 
 

経歴

 
2012年4月
 - 
現在
富山大学 人文学部 哲学・人間学コース 准教授
 
2010年10月
 - 
2011年9月
 プロヴァンス大学ポストドクトラル・フェロー
 
2009年11月
 - 
2010年4月
 CEPERC, CNRS Aix-en-Provence 非常勤研究員
 
2003年4月
 - 
2004年3月
京都大学文学研究科哲学研究室ティーチング・アシスタント
 

学歴

 
2012年11月
 - 
現在
パリ−ソルボンヌ大学(パリ第4) 哲学専攻博士課程 
 
2006年9月
 - 
2008年10月
プロヴァンス大学  哲学科エピステモロジー専攻 修士研究課程
 
2003年4月
 - 
2006年3月
京都大学 文学研究科 思想文化学専攻 哲学専修 博士後期課程
 
2001年4月
 - 
2003年3月
京都大学 文学研究科 思想文化学専攻 哲学専修 修士課程
 
1999年4月
 - 
2001年3月
慶應義塾大学 文学部 哲学科 哲学専攻
 

委員歴

 
2016年2月
 - 
現在
日本ライプニッツ協会  理事
 
2015年7月
 - 
現在
日本哲学会  編集委員
 
2012年11月
 - 
2016年3月
日本ライプニッツ協会  幹事
 

受賞

 
2012年11月
日本ライプニッツ協会研究奨励賞
 

論文

 
池田 真治
理想   (699) 70-85   2017年9月   [招待有り]
池田 真治
フランス哲学・思想研究   20 1-14   2015年9月   [招待有り]
池田 真治, 伊藤遼, 久木田水生
哲学論叢   38(別冊) S49-S60   2011年12月
Shinji IKEDA
Natur und Subjekt: Akten des IX. Internationalen Leibniz-Kongresses   494-503   2011年9月   [査読有り]

Misc

 
【翻訳】リチャード T. W. アーサー「現代科学の観点から見たライプニッツ」
池田 真治、稲岡 大志、阿部 皓介
ライプニッツ研究   (4) 71-97   2016年11月
池田 真治
   2013年7月
富山大学・中央図書館で開催した、レポートの書き方についての講演資料です。対象は、はじめてレポートを書く学生。内容は、なぜレポートを書かなくてはいけないのか、落ちたレポートから何を学ぶべきか、コピペ・著作権の問題、合格するレポートを書くために、論文をどのように構成し、どのように主張を論証すればよいのか、読み手に伝わる文章を書く、など。
池田 真治
   2012年12月   [依頼有り]
富山大学・中央図書館で開催した、レポートの書き方についての講演資料です。対象は、はじめてレポートを書く学生。内容は、なぜレポートを書かなくてはいけないのか、落ちたレポートから何を学ぶべきか、合格するレポートを書くために、論文をどのように構成し、どのように主張を論証すればよいのか、読み手に伝わる文章を書く、など。
新発見のデカルト『規則論』写本
山田 弘明・池田 真治
フランス哲学・思想研究   17 229-231   2012年9月

書籍等出版物

 
ライプニッツ著作集 第Ⅱ期 第3巻 『技術・医学・社会システム』【原稿提出済】
池田 真治 [酒井 潔、佐々木 能章 監修] (担当:単訳, 範囲:パパンとの往復書簡)
工作舎   2017年   
ライプニッツ著作集 第Ⅱ期 第1巻 『哲学書簡』
池田 真治 [酒井 潔、佐々木 能章 監修] (担当:単訳, 範囲:「ベールとの往復書簡」6-1-6-5, 230-258頁)
工作舎   2015年5月   

講演・口頭発表等

 
池田 真治
Kyoto Philosophical Logic Workshop III   2017年9月8日   Hitoshi Omori
池田 真治
日本ライプニッツ協会・2017年春季大会「ライプニッツ数理哲学の最前線」シンポジウム   2017年3月25日   
Les compas cartésiens et l'esprit algébrique
池田 真治
Table ronde sur mathématique, physique et métaphysique chez Descartes   2016年9月13日   科研費(基盤B)15H03152 「デカルトの科学文献翻訳注解及び近世初期における学知の流通に関する多角的研究」
The Theory of Abstraction in the Late Leibniz [招待有り]
池田 真治
Toyama International Conference: "Early Modern Philosophy and Intellectual History"   2016年2月13日   富山大学、富山大学人文学部
「普遍数学と近代普遍論争――ライプニッツとバークリにおける抽象の問題」 [招待有り]
池田 真治
中部哲学会 シンポジウム「近代の科学・哲学」   2015年9月27日   

担当経験のある科目

 

競争的資金等の研究課題

 
文部科学省: 科学研究費補助金(基盤研究(C))
研究期間: 2016年4月 - 2021年3月    代表者: 池田 真治
文部科学省: 科学研究費補助金(基盤研究(B))
研究期間: 2015年4月 - 2018年3月    代表者: 香川 知晶
文部科学省: 科学研究費補助金(若手研究(B))
研究期間: 2013年4月 - 2016年3月    代表者: 池田 真治
ライプニッツとゲーデルの論理数学思想における表現の問題
ANR, CNRS: 
研究期間: 2010年10月 - 2011年9月
現在、ゲーデルの遺稿であるライプニッツ研究ノートのトランスクリプションが進んでいる。他方で、ライプニッツのアカデミー版全集も、ゲーデルの時代と比べはるかに進展した。それら新資料をもとに、一方では文献学的・歴史的アプローチにより、実証的なテクスト解析を進める。また哲学的には、ライプニッツ研究者の観点から、未だ明らかでない部分の多いゲーデルとライプニッツの思想的関係について考察する。そこでは、両者に共通する問題として、数学的存在の身分をめぐる概念の表現の問題に焦点を当てる。