基本情報

所属
情報・システム研究機構 国立極地研究所 研究教育系生物圏研究グループ 教授 (グループ長・情報図書室長・アーカイブ室長)
総合研究大学院大学 複合科学研究科 教授
学位
博士(理学)(東京大学)

J-GLOBAL ID
200901026034680334
researchmap会員ID
1000311589

研究課題と活動状況: (1)極域の水圏(海洋・湖沼)とその周辺(湖岸などの極域の陸地)で生活する光合成生物(藻類・地衣類・蘚類など)を対象とし、極域環境と対象生物の生理的応答との関係から極域環境での生命活動の調和現象を探る。主に植物のエネルギー獲得手段である光合成反応と環境との関係から、極域で繁茂している植物の適応現象の解明を目指している。(2)日本南極地域観測隊に積極的に参加し、南極湖沼とその周辺において、時間連続的な環境変動の観測(モニタリング研究観測)及び採取試料を用いた現場測定をプロジェクト研究として実施している。(3)観測船おとび国際共同研究の下で、北極定着氷、南極季節海氷域でのアイスアルジー及び植物プランクトンの基礎生産活動とその光合成特性に関する研究を実施してきた。(4)藻類の光エネルギー利用の研究を通じ、過酷な極域環境をはじめ多様な環境のもとで、それぞれ効率よく炭素同化を行っている藻類種を自然界から見つけだし、藻類を介した人類の太陽光エネルギー利用への可能性を探る。極域観測歴: (1)南極域:第40次越冬隊・第43次夏隊・第44次夏隊・第45次越冬隊・第48次夏隊・第49次夏隊・第51次越冬隊(越冬隊長)・第55次夏隊・第56次外国共同としてスペイン隊へ参加、また、東京大学白鳳丸南極海航海研究(1994/95)及び(2001/02)に参加 (2)北極域:SARESプロジェクト(日本-カナダ)にてオホーツクおよびレゾリュートでの国際共同研究(1992)、スピッツベルゲン島ニーオルスン基地(1991-95)での調査活動実施、ノルウェー極地研ランス号にてバレンツ海調査(1996)、カナダにおいて国際共同研究(International Northwater Polynya Project)に参加(1997-98)

委員歴

  1

主要な論文

  142

MISC

  106

書籍等出版物

  37

講演・口頭発表等

  98

共同研究・競争的資金等の研究課題

  31

社会貢献活動

  8

その他

  1
  • 1990年代には主に北半球において海洋(海氷)の藻類の光合成に関し研究を進め、2000年以降は南極域の湖沼生態学的研究に重点をおきながら研究を進めてきた。2000年以降南極での観測活動に参加し、現場データおよび採取試料を用いた測定などを繰り返し実施してきており、現在もその最中である。研究成果として、海洋における藻類の光合成の特性に関してはいくつかの論文及び共著者との共同研究論文として報告してきたほか、後者の南極湖沼生態系に関する研究論文を、共同研究者とともに作成、今後も観測を繰り返してデータの蓄積と解析を進めながら発表していく予定である。現在も南極湖沼とその周辺に通年で時間連続的データ取得のできる湖沼環境を設置して観測を継続させている。現在対象としている湖沼群には東南極の露岩地域においてもっとも豊かな植物の生育場となっている実態があり、これらの成立のしくみ、今後の環境変動に関する適応性を検討していく所存である。