研究ブログ

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Ubuntu18.04 における matlab license server の設定 (2020/4/3)

生理学研究所ではmatlab共有サービスを行っているが、使用を希望するtoolbox SimBiologyが導入されていないので、自前でmatlab ライセンスサーバを立てた。 Ubuntu18.04ではデーモンの起動は systemd により行われる(昔のSysV init とは異なる)。

  1. matlab ライセンスサーバをインストール
  2. matlabというユーザを作成
  3. 下の /etc/systemd/system/matlab.service ファイルを作成
  4. systemctl status matlab.service
    systemctl stop matlab.service
    systemctl start matlab.service コマンドで正常動作を確認
  5. systemctl enable matlab.service コマンドで起動時にデーモンとして起動するように設定

 

/etc/systemd/system/matlab.service

[Unit]
Description=MATLAB FlexLM license manager

[Service]
Type=forking
ExecStart=/usr/local/MATLAB/R2020a/etc/lmstart
ExecStop=/usr/local/MATLAB/R2020a/etc/lmdown
KillMode=none
Restart=on-failure
RestartSec=90
#
User=matlab

[Install]
WantedBy=multi-user.target

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Kobayashi 2018


Kobayashi, ..., Urakubo, ..., Ikegaya 2018, Neurosci Res (Model: Safiulina et al. 2010). Random excitatory synaptic inputs were given to the synapses at red colored times (left). The neuronal membrane potential was shown in right
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神経シミュレータNEURON, NEST, GENESISの日本語チュートリアル

研究の都合、各種の神経&生化学反応シミュレータを使うことが多いです。それらのシミュレータのマニュアルは基本的に英語で書かれており、そもそも研究の目的にかなうのかどうかも含めて、初学者にはつかみづらい事が多いです。

NEURON, NESTというシミュレータを用いて並列計算を行うための日本語チュートリアルを神経回路学会誌に書きました(A)Urakubo_JNNS.pdf(#)。同様に、10年くらい前(?)にNEURON, GENESISシミュレータの日本語チュートリアルを、「シミュレーション」という学会誌に書きました(B)Urakubo_Simulation.pdf。著作権が先方にある原稿を、許可なく公開することは良くないと思いつつも、紙媒体だけでの公開だと、ほとんど読んでもらえないのではないかと思い、とりあえずここに張り付けます。

都合10年たってNEURONを習い直していますが、基本設計は変更されていませんでした。Pythonが流行っており、Pythonのmoduleとして利用されることが多くなっているようです。

私自身がいずれかのシミュレータの開発に関わったわけでなく、単なるユーザです。他人のフンドシで、、、という気持ちも強いです。一方、シミュレータの使い方など、研究のスタートアップの段階で躓いてしまうのはつまらないことですし、日本語であっても、シミュレータの使い方といった情報はなるべく共有した方が、業界全体が活性化して良いと思います。

はるか昔、NEURONのWebチュートリアルを日本語訳して非公式に公開していました。まじめに書き直して、著作者の許可をとって、どこかに公開すると良いと思いはじめています。また、NISSという神経回路学会のスクールでチュートリアル用に作ったSynfire chainのためのNEURONのプログラムや原稿たちがあります。

いずれ、どこかにまとめて公開すると良いと思っています。ご質問、ご意見、ご批判ほか、urakubo-h@sys.i.kyoto-u.ac.jp までお願いします。


(#) Urakubo_JNNSにおいて、サンプルプログラム1 "dendritic_neuron.hoc"をサンプルプログラム3 "main_parallel.hoc"(ParallelNetManager class)から呼び出して並列計算を行う場合、制限事項が多いことにご注意ください。単一マシン上でしか動かないことに加えて、「シナプスオブジェクトのリスト」synlistと「ニューロンの発火を検知するNetConオブジェクトを生成する」connect2target関数は、名前を変えたり、省略したりすることはできません。ParallelNetManager classの基礎となる ParallelContext class を用いてプログラムを書き直すことにより、各種の制限から解放されますが、プログラムが長くなります。
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