共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年7月 - 2023年3月

地図情報から取得した地域の環境要因が子どもの情緒及び行動の問題に与える影響の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
21K18546
体系的課題番号
JP21K18546
配分額
(総額)
6,110,000円
(直接経費)
4,700,000円
(間接経費)
1,410,000円

本研究の目的は、地図情報から取得した学校区毎の構造的地域ソーシャルキャピタルのデータを企業から取得し、学校区毎の構造的地域ソーシャルキャピタルが子どもの情緒及び行動に対して与える影響を明らかにすることである。そのために、本研究では、地域ベースの大規模な子どもの精神的健康に関する調査を行い、それらの指標と、環境因子である学校区毎の構造的地域ソーシャルキャピタルとの関連を検討する。
本年度は計画通り、対象となる市内国公立小中学校に通う全児童生徒(約8,000人)とその保護者を対象に調査を行い、データの整理を進めている。地域に関する構造的ソーシャルキャピタルに関するデータの提供元である企業とはデータの売買契約について、その内容などの詳細を詰めており、年度が替わり次第すぐにデータが使用可能になるよう、準備を進めているところである。
これまでの成果としては、質問紙によって測定した、ソーシャルキャピタルと抑うつおよび生活の質(QOL)の明らかにしたことが挙げられる。本成果では、豊富なソーシャルキャピタルが小中学生の抑うつや生活の質に良い影響を及ぼすことを明らかにした。また、年齢によって、影響を受けやすいソーシャルキャピタルの種類が異なることも明らかになった。具体的には、中学生の抑うつに対しては学校ソーシャルキャピタルが相対的に強い影響を持っていた。また、QOLについては、中学生と比較して、小学生のQOLに対する学校ソーシャルキャピタルと近隣ソーシャルキャピタルの影響が強いことが明らかになった。これらの結果は、ソーシャルキャピタルの精神的健康やQOLに対する影響の強さが年齢によって異なることを示唆している。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K18546
ID情報
  • 課題番号 : 21K18546
  • 体系的課題番号 : JP21K18546