共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

受動リンク機構をもつROVとケーブル張力制御可能なASVによる観測システムの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K04586
体系的課題番号
JP18K04586
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究の目的は,(1)受動リンク機構を有することでロバストな姿勢制御が可能な遠隔操縦型探査機(ROV)の開発と,(2)ROVのケーブルの張力を制御可能な洋上自律探査機(ASV)を開発する.(3)これらROVとASVを同時展開することで,リアルタイムに船底を観測し,船底の異常個所を特定可能なシステムを開発する.さらに,(4)実海域において開発したシステムの有効性を確認する.今年度は次の3つの課題について取り組んだ.
課題(1)における受動リンク機構を開発するために,人工知能の一種である遺伝的アルゴリズム(GA)を用いる.その数値シミュレーションのための開発環境を整備することができた.
課題(2)におけるASVの形態について,申請時には双頭船を想定していたが,ROVのためのバッテリなどに起因するペイロードの確保,ROVのケーブルを保持した状態での位置制御の能力,かつASV自体の前後左右への移動能力を再検討し,石油掘削等に用いられるセミサブ型を採用することにした.そのため当初の計画から遅れることになったが,3D-CADによる設計と試作機の開発が完了した.また,実海域において,試作機の浮力調整,波に対する安定性,ペイロードについて確認することができた.
課題(3)における船底の異常個所の特定について,モザイク画像とよばれる手法を採用している.モザイク画像は,接近して撮影した多数の画像を重ね合わせて一枚の巨大なパノラマ画像を生成する手法であり,船底の調査に適していると考えている.港湾内に停泊中の小型船の船底をアクションカメラで撮影した結果,外光などの影響により,重ね合わせる際に重要な特徴点の抽出が難しいという課題が明らかになった.一方で,堤防壁面や海底面を撮影した場合は最大40m×15mのモザイク画像の生成が可能であることを確認した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K04586
ID情報
  • 課題番号 : 18K04586
  • 体系的課題番号 : JP18K04586