2018年4月 - 2021年3月
造血幹細胞移植患者のQOL改善に直結する薬剤性味覚障害のメカニズム解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
造血幹細胞移植時の味覚障害の出現には、患者のQOL低下につながる。そのため、味覚障害の予防法の確立は重要な課題である。多剤を併用する造血幹細胞移植での味覚障害に関しての研究はいまだ少なく、そのメカニズム解明ならびに味覚障害に対する予防法の開発は急務である。
本研究の目的は、造血幹細胞移植時に出現する味覚障害が、①造血幹細胞移植時の治療による精神的・身体的ストレスを受けることによるものか、②多剤併用する抗がん剤誘発がうま味受容体との関与を解明すること、その予防法を検討し、臨床の場へ還元することである。
対象は、北海道大学病院血液内科で2015年7月から2018年8月までに造血幹細胞移植を施行した患者110名で、移植後1か月88名、3か月63名、6か月42名、12か月26名の経過観察を行った患者とした。患者背景は、平均年齢は48.8±13.3歳、男性71名、女性39名であった。移植ソースは骨髄移植11名、臍帯血移植19名、末梢血幹細胞移植80名であった。原疾患は、急性白血病または骨髄異形成症候群(AML/MDS)65名、急性リンパ性白血病(ALL)22名、非ホジキンリンパ腫(NHL)10名、慢性骨髄白血病(CML)4名、その他9名であった。 全口腔法を用いて基本味質4味の移植前、移植後1か月、3か月、6か月、12か月の認知閾値を経時的に測定した。甘味:移植前の味覚異常有群は43%、移植後1か月で57%と一時増加したが、3か月以降は約50%で推移した。塩味:移植前の味覚異常有群は63%で移植後の経過とともに徐々に増大し12か月後には81%になった。酸味:移植前の味覚異常有群は62%でその後6か月までは減少したが、12か月では54%と増加した。苦味:移植前の味覚異常有群は51%で移植後1か月に増加したが、3~6か月で低下傾向を示したが、12か月後には58%と移植前より増加した。
本研究の目的は、造血幹細胞移植時に出現する味覚障害が、①造血幹細胞移植時の治療による精神的・身体的ストレスを受けることによるものか、②多剤併用する抗がん剤誘発がうま味受容体との関与を解明すること、その予防法を検討し、臨床の場へ還元することである。
対象は、北海道大学病院血液内科で2015年7月から2018年8月までに造血幹細胞移植を施行した患者110名で、移植後1か月88名、3か月63名、6か月42名、12か月26名の経過観察を行った患者とした。患者背景は、平均年齢は48.8±13.3歳、男性71名、女性39名であった。移植ソースは骨髄移植11名、臍帯血移植19名、末梢血幹細胞移植80名であった。原疾患は、急性白血病または骨髄異形成症候群(AML/MDS)65名、急性リンパ性白血病(ALL)22名、非ホジキンリンパ腫(NHL)10名、慢性骨髄白血病(CML)4名、その他9名であった。 全口腔法を用いて基本味質4味の移植前、移植後1か月、3か月、6か月、12か月の認知閾値を経時的に測定した。甘味:移植前の味覚異常有群は43%、移植後1か月で57%と一時増加したが、3か月以降は約50%で推移した。塩味:移植前の味覚異常有群は63%で移植後の経過とともに徐々に増大し12か月後には81%になった。酸味:移植前の味覚異常有群は62%でその後6か月までは減少したが、12か月では54%と増加した。苦味:移植前の味覚異常有群は51%で移植後1か月に増加したが、3~6か月で低下傾向を示したが、12か月後には58%と移植前より増加した。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K09902
- 体系的課題番号 : JP18K09902