2021年4月 - 2025年3月
日本とカナダでの子ども自身によるセルフアドボカシーの実証的国際研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
今年度は、オンラインミーティングを行い、ON州ライアソン大学とBC州ビクトリア大学双方の子ども・若者ケア学科の教育課程にあるシラバスの詳細を討議することとしていたが、先方の大学機関がコロナ禍により出入禁止となったため、一旦交流を中断した。そのため、もう一方の本研究の目的である、ON州子どもとユースアドボカシー事務所から支援を得る経験をし、当事務所が閉鎖された後も当事者ユースでグループを立ち上げ、ON州政府が提供する子ども・ユース支援に当事者の声を反映したものに再編するよう働きかける活動を起こしたセルフアドボカシー団体Ontario Children's Advancement Coalition(以下、OCAC)と、オンラインによる交流や、コロナ禍における当事者活動についてインタビュー調査を実施した。結果として以下のことを把握した。
第一にOCACを始めとするユース当事者グループと州政府との協議を重ねた結果、州政府による社会的養護サービスにまつわる意思決定に関して、当事者ユースグループと共同で検討にあたると公表した。この州政府による正式な表明により、今後はユース当事者が州政府の社会的養護に関する意思決定に直接参画する道すじが開かれた。
第二にその決定の第一弾として、これまでは18歳になると州政府から提供されるサービスが強制的に終了することで、その後のユースの学業や職業、住居、健康、医療などに負の影響を与えることが積年の懸案事項とされてきたが、この成人期への移行問題を払拭するため年齢で区切るのでははなく、ユース本人の大人への準備指標に即して州政府よるサービスをなだらかに終結させていくよう制度を設計する合意がなされた。これらも当事者ユースによって発案され州政府がその声を汲んだものであった。今後は具体的な協議を重ねて、「ユース本人の準備指標」の枠組みを当事者側が提案する段階にある。
第一にOCACを始めとするユース当事者グループと州政府との協議を重ねた結果、州政府による社会的養護サービスにまつわる意思決定に関して、当事者ユースグループと共同で検討にあたると公表した。この州政府による正式な表明により、今後はユース当事者が州政府の社会的養護に関する意思決定に直接参画する道すじが開かれた。
第二にその決定の第一弾として、これまでは18歳になると州政府から提供されるサービスが強制的に終了することで、その後のユースの学業や職業、住居、健康、医療などに負の影響を与えることが積年の懸案事項とされてきたが、この成人期への移行問題を払拭するため年齢で区切るのでははなく、ユース本人の大人への準備指標に即して州政府よるサービスをなだらかに終結させていくよう制度を設計する合意がなされた。これらも当事者ユースによって発案され州政府がその声を汲んだものであった。今後は具体的な協議を重ねて、「ユース本人の準備指標」の枠組みを当事者側が提案する段階にある。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K13559
- 体系的課題番号 : JP21K13559