2021年9月
熊本大学における緊張部型真珠腫症例の検討
耳鼻と臨床
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- 巻
- 67
- 号
- 5
- 開始ページ
- 289
- 終了ページ
- 295
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 耳鼻と臨床会
当科(熊本大学)での緊張部型真珠腫の術後成績を後方視的に検討すると、成功例は、伝音再建が不応であった例を除くと、StageIが75%、StageIIが75%、StageIIIが50%、全体で70.0%であり、他施設に遜色ない結果であった。段階手術2回目で、再形成再発は認めなかったが、遺残性再発は8例に認め、そのうち6例はアブミ骨周囲に認めた。一方観察期間(2年から2年11ヵ月、平均2年9ヵ月)の間に、段階手術終了後の、遺残性再発および再形成再発はいずれも認めなかった。緊張部型真珠腫は早期にアブミ骨周囲の高度破壊を来すこと、またアブミ骨の病変の程度でS2症例は、S1症例に比べて統計学的に有意に遺残性再発を来す可能性が高く、初回手術における内視鏡を用いた十分な清掃、遺残再発の確認の必要性が確認された。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0447-7227
- eISSN : 2185-1034
- 医中誌Web ID : 2022021212