12歳女児。11歳時に無症候性胆石、12歳5ヵ月時、胆嚢炎および肝機能障害の診断にてERCPを行ったところ、胆嚢と総胆管内に多数の結石像を認めた。ENBDチューブが挿入留置され、16日間の保存的治療後に手術目的に転院となった。腹部は平坦軟で右上腹部に軽度の圧痛および肝機能障害認め、胆道造影で総胆管結石数の増加を認めたが、両側肝管に結石像は認めなかった。腹腔鏡視下に胆嚢摘出総胆管切開結石除去術を施行した。結石は黄白色多面性結石で、中心部にビリルビン色素を認め、数ミリ弱の小さな球体の集属で、コレステロール結石であった。術後の胆道造影で右肝管に陰影欠損を認め、再度の腹腔鏡下総胆管切開、結石除去術を施行し、右肝管分岐部、結石の直上切開で結石を除去し、ドレーンは留置せずに直接縫合閉鎖した。遺残結石像なく総胆管拡張の進行は認めず、造影剤の十二指腸流入も良好で、術後ENBDチューブを抜去し、経過良好で第13病日に退院した。