共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

近世近代移行期の大阪漢学と地域社会―泊園書院出身者の意識と行動を手掛かりとして

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
20K12841
体系的課題番号
JP20K12841
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,250,000円
(直接経費)
2,500,000円
(間接経費)
750,000円

当該年度(2021年度)の研究では、泊園門人の略伝集『泊園書院の人びと―その七百二人―』(清文堂出版)を出版するとともに、昨年度と同じく、その執筆過程で得られた知見や構想をその都度発表した。
吾妻重二監修・横山俊一郎著『泊園書院の人びと―その七百二人―』は、大阪の漢学塾・泊園書院の門人およびそれに準ずる人々の事績をまとめたものである。門人であることは門人略伝集『菁莪録』のほか、門人名簿、束修もしくは月謝の受領簿、同窓会員名簿、南岳の還暦・古稀祝賀会に参加した門生リスト、旧門下の人びとによる回想録、個人の伝記資料の記載内容から判断した。略伝本文の記述順序はおおむね、①職能、②出身、③父親と出生順、④名・通称・字・号、⑤家柄、⑥入塾年、⑦略歴、⑧著作といった構成である。収録人物の肖像をできるだけ多く掲載することにつとめ、さらに収録人物と泊園書院もしくは院主とのかかわりをできるだけ説明するよう心がけた。
収録人物の職能は実業家、資産家、政治家、官僚、教育者、研究者、芸術家、文人、僧侶、宗教家、医師、新聞人、ジャーナリスト、弁護士、裁判官、社会事業家、篤志家、技師、著述家、小説家、社会運動家、武術家など、実に様々である。また各地域の政治史、経済史、教育史、医療史において足跡を残した人物も多く含まれる。泊園書院に学んだ人々の経歴を網羅的に収載した同書は、個別の門人研究の位置づけを探るうえでも有効なデータ集となりうるだろう。
このほか、南岳百年祭記念論文集と関西大学アジア・オープン・リサーチセンター論文集に泊園書院出身実業家の活動やネットワークに関する論考を投稿し、さらに大阪府府民文化部文化・スポーツ室文化課から生涯学習講座の講演依頼を受けて「大阪の私塾・泊園書院の門人たち」と題する発表を行うなど、泊園書院の存在を研究者と一般の方々の双方にアピールすることができた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K12841
ID情報
  • 課題番号 : 20K12841
  • 体系的課題番号 : JP20K12841