共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

防災学習の場と人々の関係性の現実・仮想環境に着目した防災学習手法に関する研究

日本学術振興会  基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K04614
体系的課題番号
JP21K04614
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円
資金種別
その他

2021年度は場と関係性の現実・仮想環境で示される「防災学習手法の環境枠組み」に基づき、防災学習教材・手法をレビューすることを目的とした。「防災学習手法の環境枠組み」とは、防災学習が実施される場が現実(災害対応をする場所)か仮想(それ以外の場所)か、また学習する参加者たちの関係性が現実(参加者の関係が実際に災害対応をする住民の関係と同一)か仮想(それ以外の関係性を持つ参加者)かという2軸4象限で構成される枠組みである。本枠組みに基づき、日本における地震防災に関わる防災学習(地域コミュニティでの防災活動や学校での防災教育)の先行研究をまとめた。その結果、地域コミュニティでの防災学習については、(実践ではされているが)避難所運営に関する現実(場所)-現実(関係性)に関する研究が不足していること、現実-仮想は避難に焦点を当てていること、仮想-現実ならびに仮想-仮想については研究が豊富であることを明らかにした。一方、学校での防災学習については、現実-現実ならびに現実-仮想に関する研究は見当たらなかったが、地域に出て防災マップを作成する試みなどは実施されておりさらなる研究が求められること、仮想-現実ならびに仮想-仮想については地域コミュニティ研究とともに充実していることを示した。以上より、研究が行われていない象限がそのまま防災課題とはならないものの、コロナ禍やDXが進む社会において、上記の実施されているものの研究としての評価が手薄である点や、自宅で実施するべき防災項目を自宅で学ぶ活動など単純ではあるが効果については十分に検討されていない点があるなどの研究課題を提示した。以上の研究結果から、今後とるべき活動への示唆を得るとともに、次年度以降の研究の基礎資料を提供することができた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K04614
ID情報
  • 課題番号 : 21K04614
  • 体系的課題番号 : JP21K04614