MISC

筆頭著者
2019年12月

複数一酸化炭素中毒事例 トリアージをどうすべきなのか

中毒研究
  • 金子 唯
  • ,
  • 上園 圭司
  • ,
  • 辛島 龍一
  • ,
  • 岩下 晋輔
  • ,
  • 入江 弘基
  • ,
  • 前原 潤一
  • ,
  • 笠岡 俊志

32
4
開始ページ
390
終了ページ
394
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)へるす出版

はじめに:同時発生複数一酸化炭素(CO)中毒事例を経験し,後遺症ハイリスク症例の判断に課題を残した。事例:3名の男性A,B,Cが倉庫内で運搬作業を行っていた。約2時間半後に傷病者Aが頭痛、めまいを訴えて動けなくなり,救急要請された。CO中毒を疑われ,救急隊の病院前トリアージで傷病者Aから酸素吸入が開始され搬送された。病院到着時の血中一酸化炭素ヘモグロビン(COHb)濃度はA:15.8%,B:21.2%,C:19.0%だった。全例に高気圧酸素療法が施行され,明らかな後遺症は認めなかった。考察:CO中毒では後遺症ハイリスク症例を念頭にトリアージを行う必要がある。今回の事例でトリアージに関する考慮が不足した点として,1)意識消失,神経学的巣症状,2)妊婦,小児,3)COHb濃度25%以上などの判断があげられた。救急現場での経皮的一酸化炭素ヘモグロビン濃度(SpCO)測定、救急隊のポータブル酸素投与機器複数携行などの有効性も含め,今後の検討が必要と考えられた。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0914-3777
  • 医中誌Web ID : 2020104083

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