我々は次世代の分析ツールとして、テラヘルツ波と金属メッシュを組み合わせた新しいセンシング法の開発を行っている。このセンシング法は金属メッシュの透過スペクトルが、金属メッシュ上の試料の屈折率によって低周波数側にシフトすることを利用しており、この方法により現在標識物質を使用して行われているタンパク質の検出を非標識(ラベルフリー)で行うことが可能になる。本研究ではまず酵素の一種であるペルオキシダーゼを試料としてこのセンシング法による検出を試みた。その結果ペルオキシダーゼ500pg/mm^2(11 fmol)の検出が可能であった。このとき試料の塗布には市販のインクジェットプリンタを使用した。さらにタンパク質の固定に広く用いられているPVDFメンブレンと金属メッシュを組み合わせて、メンブレン上のタンパク質反応の検出を試みた。その結果ビオチン650pg/mm^2(2.5 pmol)のストレプトアビジンービオチン反応の検出が可能であった。