共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

肥育牛の肉体的・精神的健康を目指す多様なセンサ群の開発とスマート畜産の先導

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
20H00439
体系的課題番号
JP20H00439
配分額
(総額)
45,890,000円
(直接経費)
35,300,000円
(間接経費)
10,590,000円

畜産においては生体情報計測センサの不足で情報化が遅れており,肥育牛生産では極めて正確な給餌や体調管理が要求される血中ビタミンA濃度(VA)の制御を行っているにも関わらず,経験と勘による給餌であることより,肥育牛に与えるストレスは小さくなく,VA欠乏症等に基づく事故も避けられていない。
本研究では消費者の需要と地域や農家の戦略に基づく効率的な肥育技術を確立するため,最重要課題である迅速なVA計測を初めとして,ばらつきのある個々の肥育牛の肉体的・精神的健康管理の行えるシステム構築を行う。
前年度までは目の画像からVAを推定するため、カメラを牛房に定置して目の画像を撮影していた。しかしこの方法では、牛房ごとにカメラを設置する必要があり、経費を要する。このため、カメラを携帯型(手持ちカメラ)として1台のカメラで牛房を巡回して撮影できるようにした。そのカメラは眼底撮影用LED,リングLEDを切り替えて点灯することで眼底画像と瞳孔画像が得られるものである。それらの画像より瞳孔色(眼球内散乱色),輝板色,瞳孔収縮速度,眼球表面の光強度の特徴量を抽出してVA推定を行う。
また、これまでに血清のEEMデータからVA推定を行ってきたが,本研究では簡便,迅速,低侵襲な検査システムに進化させるため,数滴の全血を利用したVA計測技術の可能性を明らかにする。まず,肥育牛から血液を10 ccずつ2本血液採取し,蛍光分光光度計でEEMデータを取得する。1本は採取直後の全血に対して時間的変化,光に対する変化を観察しながら機械学習でビタミンAが計測可能か否かを調査する。もう一本は遠心分離して血清にした後,蛍光分光光度計でEEMデータを取得する。同時に藤原製作所製の蛍光を用いたビタミンAおよび外部委託してHPLCで検査したビタミンAとの比較を行う。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H00439
ID情報
  • 課題番号 : 20H00439
  • 体系的課題番号 : JP20H00439