共同研究・競争的資金等の研究課題

2015年4月 - 2017年3月

胎生期のサブプレートニューロン障害が神経発達障害に及ぼす効果の解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
15H01578
体系的課題番号
JP15H01578
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
5,720,000円
(直接経費)
4,400,000円
(間接経費)
1,320,000円

超早産児の約50%に自閉スペクトラム症や知的障害といった神経後障害を認めるが、原因となる脳の病態生理は依然解明されていない。子宮外環境に晒される早産児の脳障害の解明には胎児期の脳の発達に着目する必要がある。本研究は、胎生期に一過性に出現し神経回路網構築に重要な役割をもつサブプレートニューロン(SPニューロン)の損傷こそが、超早産児に認める神経発達障害の主犯であるとする新しい仮説を検証することが目的である。
発達早期の脳波上に観察される紡錘波状速波は、SPニューロンの活動を反映する脳波波形であることが齧歯類の研究から明らかにされてきたため、この速波活動の出現頻度・部位を多角的に観測し、コンピュータ解析することでSPニューロンの活動を詳細にモニタリングすることが可能である。
平成28年度は昨年度記録した脳波の中でも、修正32週前後に記録された脳波の中心部導出から得られた紡錘波状速波を定量した。さらに、修正18か月で新版K式発達検査を施行した。最後に、修正32週前後の脳波の紡錘波状速波と修正18か月の新版K式発達検査の発達指数の相関を統計解析した結果、両者には正の相関があることを明らかにした。このことは、紡錘波状速波をモニタリングし定量化することで、修正18か月の発達予後の推定に役立つことを意味し、超早産児のSPニューロン障害に対する早期介入に寄与する。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PUBLICLY-15H01578
ID情報
  • 課題番号 : 15H01578
  • 体系的課題番号 : JP15H01578