2018年6月
コナヒョウヒダニが混入したお好み焼きを経口摂取したことによるPancake Syndromeの1例 ダニアレルゲン簡易型検査キット有用性の検討
昭和学士会雑誌
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- 巻
- 78
- 号
- 3
- 開始ページ
- 282
- 終了ページ
- 288
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 昭和大学学士会
症例は38歳男性。自家製のお好み焼きを食べている最中から喉頭違和感、呼吸困難、眼球結膜の充血などを訴え救急搬送された。アナフィラキシーの診断で加療し、後日当科へ精査目的で来院した。患者には著しいダニ・ハウスダストによるアレルギー性鼻炎の既往があった。お好み焼きの具材に対する抗原特異性IgEによるアレルギー検査とプリックテストを行ったが全て陰性だった。問診上、開封後密封せずに常温で6ヵ月以上経過した市販のお好み焼き粉を用いて調理したことが判明し、お好み焼き粉に混入したダニによるアナフィラキシーを強く疑った。お好み焼き粉を鏡検した結果、多数のコナヒョウヒダニが検出され、さらに、Dani Scan(生活環境中のダニアレルゲン検出を目的とする簡易型検査キット)を用いた検査においても強陽性を示した。近年、お好み焼きやパンケーキ等の小麦粉製品に混入したダニを経口摂取して生じるアナフィラキシーの報告が急増している。診断のためには、調理に用いた小麦粉製品の保管状況の聞き取りと、感作が成立した同種のダニを発症前に摂取した調理材料中に証明することが求められる。今回、使用したDani Scanは、一般家庭においても食品中のダニ汚染を検知する簡便なキットであり、本病態の診断や発症の予防に一定の効果が期待できるものと推察した。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 2187-719X
- 医中誌Web ID : SA18210006