2014年4月 - 2015年3月
アカゲザルにおける非アルコール性脂肪肝障害と2型糖尿病のエピゲノム解析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B)
非アルコール性脂肪肝障害(NAFLD)と2型糖尿病の発症に対するカロリー過剰摂取(環境因子)と遺伝素因との相互作用を明らかにするために、ヒトにおいてゲノムワイド相関解析(GWAS)で同定したNAFLD関連遺伝子領域に存在するPNPLA3、SAMM50、PARVB遺伝子の発現調節領域に着目した。アカゲザルのPNPLA3、SAMM50、predicted PARVB遺伝子の上流領域に存在する3ヶ所のCpG islandのメチル化解析を行った。9匹の肝臓組織と17匹の骨格筋から抽出されたゲノムを用いた。ゲノムをバイサルファイト処理し、PCRでCpG islandを増幅し次世代シーケンサーでメチル化レベルを測定した。肝臓組織において正常5匹と2型糖尿病4匹で比較した場合のメチル化レベルは、Predicted PARVB遺伝子の上流でメチル化レベルが有意に低下していることを明らかにした。さらに28匹のアカゲザルのゲノムを用いて、GWASで同定したNAFLD関連遺伝子領域全体にわたり次世代シーケンサーを用いてターゲットリシーケンスを行い、SNPを探索した。その結果2243箇所のSNPを見出し、そのうち新規SNPは1957箇所、新規挿入・欠失は191箇所であった。現在NCBIに登録中である。またアセンブラーにより8箇所の未知の配列を決定し、DDBJに登録した。NCBIの登録が完了次第、論文を投稿する。
ヒトにおいては、PNPLA3、SAMM50、PARVB遺伝子の発現調節領域に存在する4ヶ所のCpG island(CpG99、CpG71、CpG26、CpG101)のメチル化解析と上記3遺伝子の遺伝子発現解析を行った。肝臓疾患における繊維化において2ヶ所のCpG island(CpG99、CpG26)のメチル化が重要であること、またNAFLDにおけるメチル化レベルは遺伝子多型により影響を受けることを示し、論文報告を行った。
NAFLD発症に重要な因子であるアディポネクチン値とインスリン抵抗性に関して、ADIPOQ遺伝子上のSNPが女性においてのみ関連していることを示し、論文報告を行った。
ヒトにおいては、PNPLA3、SAMM50、PARVB遺伝子の発現調節領域に存在する4ヶ所のCpG island(CpG99、CpG71、CpG26、CpG101)のメチル化解析と上記3遺伝子の遺伝子発現解析を行った。肝臓疾患における繊維化において2ヶ所のCpG island(CpG99、CpG26)のメチル化が重要であること、またNAFLDにおけるメチル化レベルは遺伝子多型により影響を受けることを示し、論文報告を行った。
NAFLD発症に重要な因子であるアディポネクチン値とインスリン抵抗性に関して、ADIPOQ遺伝子上のSNPが女性においてのみ関連していることを示し、論文報告を行った。
- ID情報
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- 課題番号 : 26870290
- 体系的課題番号 : JP26870290