Works(作品等)

2014年1月

鮮やかな幽体

  • SEINO

作品分類
芸術活動
発表場所
「SEINO 鮮やかな幽体展」:ギャラリー檜B, 東京(2014.1)他

《基本情報》
・ 制作:2005年~
・ 種別:映像・パフォーマンス・インスタレーション
・ サイズ:8枚・H766 W615 (写真1枚)/14分58秒(映像)/20分(パフォーマンス)/H700 W150 D150(路上インスタレーション)/H18500 W1000 D500(室内インスタレーション)
・ 素材:インクジェットプリント(写真)/モニター・PC(映像)/生花・線香・チョーク(パフォーマンス)/看板・生花・花立・線香・線香立(インスタレーション)

《解説》
人は、魂の核にあたる「御魂」、それを包む「霊体」、魂の衣にあたる「幽体」、そして「肉体」の4つから構成されています。死亡すると「御魂」と「霊体」は身体から抜け出し、「幽体」と「肉体」は、火葬され消滅します。しかし、死亡の原因によりこの世に強い執着心や未練があった場合、残された「幽体」が消滅せず、いわゆる幽霊となることがあります。

交通死亡事故現場に生花を供えることは、その場に漂う死者の「幽体」に生花というカタチの「御魂」、「霊体」、「肉体」を与える行為であるとSEINOは言います。死者が花に化け、そこに鮮やかに存在していると。人の「死」と花の「生」。私たちは、無防備な日常に存在する「鮮やかな幽体」に気付いた瞬間、そこで最期を迎えた人の物語の最終章へと否応なく吸い込まれるのです。

交通死亡事故の被害者が即死やそれに近い場合、現場に花が手向けられることが多いそうです。故人の死を理解し、喪失感から解放される唯一の手段として、残された人はこのような行為に至るのかもしれません。

本作品では、SEINOがこれまで遭遇した「鮮やかな幽体」を鑑賞者と共に追想することにより、他者の死とその死をめぐる人間の行為について思いを巡らす体験を共有します。

《チャプター》
1:普通乗用車と自転車の衝突事故/東京都新宿区西新宿2丁目・2013年2月23日(土)午前8:30分ごろ・自転車50歳代男性死亡
2:普通貨物車と自動二輪の衝突事故/東京都中央区銀座8丁目・2013年6月1日(土)午前7時27分ごろ・自動二輪40歳代男性死亡
3:タクシーと歩行者の衝突事故(ひき逃げ)/東京都北区赤羽1丁目・2013年11月3日(日)午前4時37分ごろ・歩行者30歳代男性死亡
4:乗用車同士の衝突事故/東京都中央区湊2丁目・2013年4月2日(火)午後6時10分ごろ・同乗者70歳代女性死亡

交通死亡事故の情報は以下から得ました。

警視庁:「警視庁交通事故発生マップ」http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/toukei/jikomap/jikomap.htm. (参照2014-1-20)

《協力》
【出演】SEINO・路上パフォーマンス鑑賞者【技術】撮影・録音:中村暢彦/企画・制作・監督・構成・編集・美術:SEINO

リンク情報
URL
http://tomokoseino.com/?p=34