共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

分子間架橋酵素電極による生体内微量D-アミノ酸の高感度・高選択的定量技術

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K05292
体系的課題番号
JP20K05292
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

本研究は電極表面に高濃度に固定化したD-アミノ酸酸化酵素を用いて高感度・高選択的かつ安価なD-アミノ酸の定量分析技術を確立することを目的としている。
初年度は酸化酵素の固相表面への共固定化条件の確立を行った。酵素にはD-アミノ酸酸化酵素とヘモグロビンを利用した。固相にはアミノ基修飾PEGAビーズを利用した。酵素はポリリジンが形成する重合体へ取り込まれることでビーズ表面へ積層され、高濃度の酵素を活性を保持したまま固定化できた。2年目は作製した固定化酵素を用いたD-アミノ酸の定量分析技術の確立を検討した。ここでは測定条件(温度・pH)の検討を行い、高感度・高選択性を目指した。従来の生体内微量D-アミノ酸のクロマトグラフィーを用いた定量分析は、多段回操作により精製・化学修飾した試料に用いている。対して、本研究の固定化酵素による分析は酵素の基質特異性を利用した定量法の為、高選択性で検体中の夾雑物の影響が少なく、試料の前処理の必要もなく迅速に多検体の分析が可能である。
分析手法の検討は少量のビーズを用いてサンプルチューブ内でD-アミノ酸の標準品を用いて簡便かつ迅速に行った。反応温度30度において、40回以上の繰り返し利用が可能であった。この事は酵素分子の立体構造は損なわれずに、高濃度でかつ自由度が低い酵素重合体が形成されることで、長時間その触媒活性が持続し安定性が増加したと考えられた。しかしながら反応温度を上昇するとその安定性の低下が観測された。現在、架橋反応条件(架橋剤、各試薬濃度など)を再検討し、最適化を行っている。
ここまでの固定化酵素による分析は酵素反応により生成する過酸化水素を定量することで行った。加えて、電気化学的手法により、D-アミノ酸を定量する目的で酵素電極の開発を検討している。ここでは初年度の結果を考慮して金電極表面への高濃度固定化条件の検討を行っている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K05292
ID情報
  • 課題番号 : 20K05292
  • 体系的課題番号 : JP20K05292

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